第二十四話 装備って実用性です
ライオ君の初陣祝いから翌日、僕たちは例の魔道具屋に足を運んでいた。スタンピートを解決した事もあり、予算はたっぷりとある。この際みんなの装備を一新しようと言う事になった。
「うわぁ、ここが例のお店なんですね。色んなアイテムがいっぱい有りますよ!」
「でも、ここって魔道具屋何でしょ?装備を整えるなら武器屋に行くのが普通だろ?」
そうは言いつつも、ライオもサキュと一緒になって並べられた道具を物珍しそうに物色している。
「ここは普通じゃあ無いからな。僕達の目指す場所は、アソコだ!」
僕が指差す方を見たサキュとライオ君は、天井から垂れ下がる暖簾を見て、
「あの先ですか?」
「でも『18禁』て、書かれてますよ?子供は入れないんじゃ無いですか?」
「そうらしいが僕とセシリアは大丈夫だったぞ?な。セシリア?」
「ええ、まぁ私はとうに成人している年齢だからな」
「じゃあ、俺たちも試してみようぜ!」
「ハイ!面白そうです!」
ライオ君の提案にノリノリなサキュは、2人で暖簾を潜ろうと狭い通路を進んだ。暖簾に手を当て潜ろうとすると、
ピピピピピピピピッとけたたましい音が店内に鳴り響くと共に、2人は暖簾に弾かれて締まった。
「あらあら、そのお二人だけでの通過は出来ませんよ?」
そう言って何処からともなくお姉さんが現れ音を止めた。
「やっぱりダメですか…」
「ええ、ですが、保護者同伴なら問題有りませんよ?」
「え?良いんですか?」
「ええもちろん!」
という事で、今度は4人揃って暖簾を潜ると、今度は難なく通過出来た。保護者同伴が条件らしい…
「という事で、余り側を離れないようにな!」
「「はーい!」」
「フフ、何だが大きな子供が出来たようね♪」
「そうかもな」
ずらりと並ぶ魔道具。ケースに展示されたそれらの多くは、到底一般の目には触れられ無いような物が多い。
「す、凄い場所だね///」
「あ、あぁ…サキュちゃんもそう思うくらいなのか?」
「そうだね。何だか親近感が湧くのは何故かな?」
「ふふふ♡気に入った?」
興味津々でエッチな魔道具を観ているサキュに、お姉さんが近づき声を掛けた。一応変化しているから大丈夫だろうが、
「貴女サキュバスよね?だったらこういう魔道具って唆られるでしょ?」
「ええ?!な、何でバレたんですか?」
困惑するサキュに、
「私の魔道具を舐めてもらっちゃ困るわ。アレには強力な
鑑定が掛かっているのよ?それに…」
「それに?」
「普通の人間がこんなに強力な魔道具を作成出来ると思って?」
店内に響くお姉さんの声。凄まじいプレッシャーが僕達を押し潰す感覚だ。僕は堪らず、
「貴方は何者なんですか?」
「うふふ♡只者じゃ無いって事は知って欲しいわ」
「…え?でもこの前、サキュが作った媚薬で大変な事になってましたよね?」
「あら、そんな事が合ったの?」
僕の視線で思い出したのか、顔を真っ赤にしてバツが悪そうなお姉さんは、
「ゲフンゲフン、ま。まぁ、あの媚薬は最高だったわ。あれなら是非ウチでも取り扱いたい位よ」
そう言うと、先程までの威圧感が嘘のように軽くなった。あれだけの圧を出し、様々な魔道具を取り扱えるお姉さんは、一体何者なのだろうか…
「それはそうと、今日はどんなご要件ですか?」
「…いきなり商売モードに入らないで下さいよ。温度差で風邪を引きそう」
「まぁまぁ、こっちも生活が掛かってますから。それにここ最近は貴方達以外でこの店に訪れる人が少ないんです。来たとしても、あの暖簾を潜れる人は全く居ないのよ。これじゃあ商売あがったりなのよ!」
「は、はぁ…え、えーっと、今日は皆の装備を新しくしようかと思って来ました」
その言葉を聞いてお姉さんは目を輝かせた。4人分の装備を換算して儲けを予想したのだろう。進んで装備を用意すると、
「さあ!選び放題ですよ!」
あっという間に防具や武器がずらりと並んでいた。
「凄い!見たことも無いような装備が沢山あるよ!これなんかカッコイイな!」
「この猫耳可愛いです♡ライオ君どうです?似合うかな♡」
「うッ///か、可愛いよ///」
「決めました!今回はこれにします!」
「毎度あり~♪」
早々にサキュは猫耳カチューシャの着いた装備?を選んだ。装備と良いっても、猫耳が可愛らしく着いたメイド服の様で、猫の手と、黒くスケスケのストッキングがエロさを際立出せていた。加えて、
「えっ///これって、猫の尻尾ですよね?これって肌にくっ付けるんですか?」
「そう!本当はお尻の穴に突っ込むタイプだったんだけど、それだと楽しみが減っちゃうってクレームが来たのよ。だから、鼻骨の上に張り付くように改造したの!神経連動型だから、ちゃんと感覚も動きもするのよ!」
「へぇ…無駄に高性能ですね…」
あ、こら!こんな所で試すんじゃありません!え?ぴょこぴょこ動くね…どうですか?だって?…とってもエロいです///
「買います!」
「うふふ♪次はどれにします?」
そい言われて声を上げたのはライオ君だった。彼は、大き目な鎧装備を指さして、
「じゃあ、俺はこのカッコイイのにしたいな!」
「うーん、コレです?ライオ君にはちょっと早いような…サイズも職業も会わないよ」
「ええ…じゃあサキュちゃんはどういうのが良いのさ?」
「えーっと…あ、これなんてどうかな?」
「え?これ…?」
サキュがライオ君に選んだのは、白い長袖のふわっとしたローブに、青いショートパンツ、白青の縞々ニーソに、異常にデカい靴だった。それに盾を持たせると、
「お、なかなかカッコ可愛いな!」
「ホントね!でも動き難そうだけど、どうなの?」
「おお!これ見た目より動き易いですよ!上着は締め付けが無いし、ショートパンツはキュッと締まってるし、足元はこのデカい靴が安定と機動力を兼ね備えているみたいで、踏ん張りも、跳躍も楽ちんです!」
そう言って、重たそうな盾を持ちながら右へ左へ移動して見せた。重そうな盾だが、メンバーの中では背の低いライオ君をすっぽりと庇える程の大きな盾だ。
「あら?その盾を選んだんですね?」
「はい、装備を選んでいたら、偶然見つけて…」
「そ、そうなんですね…」
あれ?あの盾は倉庫の奥に仕舞っていたはずだけど…
「ん?どうしたんですか?」
「い、いえ…その、なんともありませんか?気分が悪いとか、憂鬱だとか?」
お姉さんが心配そうにライオ君へ質問して来るので、気になった僕は、
「この盾、何かあるんですか?」
「ウ~ン…あるって言うか、居るって言うか…」
「居るって?…はうっ?!ちょっ、ちょっと…このウニョウニョ何?!うわ、こいつ、僕に纏わりつくな…く、くすぐったい!?」
突然、喘ぎだしたライオ君は、盾から伸びる触手に腕や体をぐるぐる巻きにされていた。
「その盾は生きてるのよ。使用者の魔力を吸って強力な攻撃も防いでくれるんだけど、なかなか使い手が居ないもんだから、倉庫の奥に閉まったままだったのよ…」
「でも変ですよ、ここにあったってライオ君が?」
「随分気に入られているみたいだから、もしかして自分から出て来ちゃったのかも…余程この子の魔力が好きみたいね」
「ちょ、見てないで助けてよ~!」
ライオ君を羽交い絞めにした盾は、暫くそのまま彼を雁字搦めして魔力を吸い取ったようで、満足すると触手を戻して普通の盾になった。
「ライオ君大丈夫か?その…とっても気持ち良さそうだったな?」
「う///かなりのテクニシャンでした///ぐすん…」
「さすが受けタンクね」
「魔物受けも出来ちゃうんですか?!って私もか///」
盾の守護者・・・なかなか人を選らぶスキルだな。まあ、ライオ君にてばっちり似合っているのだろう。サキュが選んだ防備に、魔物の盾も購入することになり、これだけでかなりの額になった。
「うふふふふ♪毎度あり~♪さてさてお次は?」
「じゃあ、ぼ…」
「フィズには悪いけど、ここは私の番よ!この前のより優秀な装備はあるかしら?」
僕より大きな声で自分の番だと主張したセシリア。彼女はさきの戦いで装備を失った訳だし、彼女を優先させるべきだろうな。僕はそっとセシリアの後ろに下がると、珍しくワンピース姿の彼女を後ろから眺めるのであった。
「あれよりも強力となると…これくらいしかありませんが…」
「ちょっと!なんで強力な装備になると布の面積が少なくなるのよ!変でしょ?もっと鎧を付けたり、この大きく開いたお腹の部分を隠すとか!」
「強力な分、使う金属が希少なんです。他の部分も最高級品質の物を使っていますから、多くは使えないんです」
「くッ・・・本当よね!?本当にそういう理由なのよね?!」
お姉さんが提示した装備は、腕や足、そして胸周りに希少金属性のプレートアーマーが、腰にはかなり短めのフレアスカートの様なベルト付きの防具だけだ。首から肩、胸元やお腹周り、ムチムチの太ももは大きく晒されている。
「ど、どうかしら///」
「おお~!!!すごくいい!!!」
恥ずかしそうに手足を曲げて前を隠そうとする姿が逆にエロい。ただ、
「これだけだと町を歩くにはな…勇者が痴女と噂されると、いくら真実でも民衆の心象が悪くなるしな…」
「ちょっと!痴女って誰の事よ?!」
このドスケベむっつりエルフは自分の事を清楚だとでも思っているのだろうか?僕を興奮させようと、いつもいつもあんな事やこんな事をしてくれるのに・・・
「マント見たいな羽織る物もあると良いんだけど?」
「それでしたら!このローブでどうでしょう?」
「おお、これなら体を隠せるし、戦闘中も邪魔にならないな!買います!」
「毎度あり~♪」
「あ・・・もうお金がない?!」
「あら、残念です。またお金が一杯溜めてから来て下さいね」
とほほほ…
「ああ~、結局僕の装備は御預けか…」
「ふん!ライオは兎も角、サキュや私に鼻の舌を伸ばして、見境なく買うからでしょ?」
「ありがとうございます♡フィズさん♡あとで沢山ご奉仕し♡ま♡す♡ね♡」
「ふぐッ…さ、サキュちゃん…俺より先にフィズさんと?!くッ…悔しいのに、想像しただけで///」
「あらあら♡フィズさん、セシリアさん、先に帰ってて下さい。私、このお猿さんを処理してから帰りますから♡」
そう言うと、サキュは前屈みになったライオ君を裏路地へ引っ張って消えて行った。
「全く…サキュはああやってライオを興奮させるのが楽しいみたいね。ライオが壊れちゃわないかしら?」
「ま、そこはサキュが上手くやるだろ?それより早く帰ろうぜ。僕も君の後ろ姿見てたらムラムラして来たよ♡」
「ならもっと我慢しなさいな。いっぱい魔力が出来そうね」
「うう~、鬼~」
口ではそう言いながらも、白い頬を赤くして足を急ぐセシリアを追って、僕たちは宿へと戻った。その頃、裏路地に篭った二人は、ライオの性欲を発散させていた。
「あは♡まだ元気だね♡じゃあ、特別にゴニョゴニョ…♡」
「え?そんな事も?お願いします♡」
「いっぱい気持ちよくなってね♡」
ライオ君のお願いに、サキュは猫の尻尾と悪魔の尻尾を両方とも大きく左右に揺らすのだった。




