第十八話 ライオ君の目覚め
サキュによって精通を果たしたライオ君。その夜は初めて快感に意識失った。次の朝に目を覚ましたのは自分のベッドの上だった。寝ぼけ眼で起き上がり、水を飲もうとテーブルへ移動する。
まるで昨日の事が夢だったんじゃないかと疑ったが、テーブルに添えられた手紙がそれを否定した。手紙には、
「色々辛い事があるだろうけど、これから良い事もあるよ。またね。サキ♡」
「やっぱり夢じゃ無かった…あッ///」
昨日の出来事を鮮明に思い出した。この所、朝になるとおちんちんがこのように大きくなり、おしっこをするのが大変だった。昨日までは邪魔でしか無いと思っていたこの現象に、ちゃんとした意味があった事を知ると、
「しゃせい?って言ったけ///凄く気持ち良かったな…」
昨日の事を思い出し自慰で果てると、覚えたての新しい感覚と倦怠感を感じた。椅子にドカッと座ると、天井をぼんやりと見つめた。
「うわぁ///早く掃除しなきゃ…雑巾雑巾!」
汚れたテーブルと床を綺麗にし部屋の窓を開け、新鮮な空気と入れ替える。早朝の清々しい匂いが部屋に入り込み。自分の行いをもみ消してくれた気がする。気持ちを切り替えたライオは朝の支度をすると、
「よし!今日も頑張ろう!あ、そう言えば…」
ライオは昨日の精通時にぼんやりと見た光景を思い出す。突如現れたステータス表示に驚いたのだが、射精によってすぐに全てを上書きされ今の今まで忘れていたのだ。
「確か…」
~ライオ ステータス New!~
性別:男性 (年齢:13歳)
職業:ヒーラーLv1(称号:ー)
Lv0 → Lv1
体力 10 → 12
魔力 12 → 16
力 6 → 7
硬さ 6 → 7
素早さ 7 → 8
器用さ 7 → 8
スキル
回復魔法Lv1 ヒール
「あ、ああ!れ、レベルアップ!?レベルアップした!やったぁーーー!!」
ライオは人生で初めてレベルアップをしたのだった。今まで仲間と共に魔物を倒しても一向に上がらなかったレベルが精通した瞬間に上がったのだった。そんな大事な事なのに、
「はは…気持ち良過ぎて忘れちゃうなんて…でも、やったぞ。俺はやったんだ!」
開け放った窓から外に大声でそんな事を叫ぶライオ君。隣人の恥ずかしい宣言に、周囲の人々は「何をだ?」と勘ぐってしまう。そんな事とは露知らず、嬉しさ全開で家を飛び出した彼を、周囲は生暖かい目で見送るのだった。
彼はギルドに向かうと、元のパーティメンバーを探した。パーティメンバーから外されてまだ3日目。レベルアップして回復魔法を覚えた俺を見れば、また一緒に冒険してくれるはず!そんな期待を胸にギルドを見ると、
「ア!居た。お~、ぃ?…」
声を掛けようとした元メンバー達と、知らない男性…ヒーラーの様だけどまさか…。
「よし!じゃあ行くぞ。新し回復役も見つかったし、これでますます活躍出来るぜ!」
「ああ、宜しくね。前のヒーラーよりは役に立つように頑張るよ!」
「役に立つも何も、回復出来るヒーラーなら大歓迎さ。ライオは杖で殴るだけのヒーラーだったからさ。殴るのは俺達がやれるのに、あいつと来たら弱弱な攻撃で精々かすり傷を与えるくらいだったしな」
「あはははッ、回復も出来なかったのか…それは大変だったね。今日からは僕が君達を癒してあげるよ」
「おう、助かるぜ。じゃあ行こう!」
「そ、そんな…」
ライオの嫌な予感は彼らの会話で現実のものとなった。折角上がったレベルも、覚えた回復魔法もこれじゃあ意味が無い。途方に暮れるライオは、項垂れたままギルドを後にした。
「はあ…」
朝のウキウキとした気分はどこへやら。絶望が周囲に纏わりつき、見るからに元気が無い。ライオはトボトボと宛てもなく町を彷徨っていた。人の少ない道を奥へ奥へと歩くと、人気の無い裏路地で偶然、声を掛けられた。地面から目線を上げるとそこに居たのは、
「あれ?ライオ君?」
「ふえ?さ、サキちゃん?!さきッ、ちゃ~ん…」
現れた少女の顔を見ると、ギルドから我慢していた感情が堰を超えて溢れ出してしまった。急に泣きながら抱き着かれたサキュは、サキとして優しくライオ君の背中を撫でながら、
「どうしたの?何かあった?話聞こうか?」
と、傷を優しく舐め取る様な言葉で、ライオ君に声を掛けた。
「ほ、ホント?」
「うん♪じゃあ、お家に行こうか?こんな所じゃ話も何も出来ないしね♡」
「うん…ぐす…」
彼の手を引いてサキュはライオの家を目指して歩いた。ライオは咄嗟の事とは言え、サキにこんな姿を見せてしまい恥ずかしいやら嬉しいやらで、さらに俯いて歩いた。
ライオの早い帰りに普段は何も気にしない近隣住民も、地味であるが女の子に連れられて帰って来た彼を見て、これから「何をやるんだ?」と邪推してしまったのは言うまでも無いだろう。
「ふふ~ん。レベルも上がって回復魔法も覚えてパーティに復帰出来ると思ったら、もうすでに別のヒーラーにパーティを寝取られたって訳だね」
「ね、ネトラレ?う、うん。べつのヒーラーを入れて新しいパーティを組んだみたい。それで俺は…」
「逃げっちゃったんだ?」
「うん…」
暫く重たい空気が部屋に立ち込めた。だが、逃げずに立ち向かう勇気は俺には無かったのも事実だ。サキはそんな俺を慰めるでも、貶すでもなく、真っ直ぐな目でこちらを見ている。その眼を見ると、不思議とパンツの中が窮屈になる。
「あ///」
「ん?どうか、した?」
「んん///いや///」
「ん?言わないと分からないよ?」
「はぁはぁ///その///」
サキの目は、ライオの目を逃がさなかった。言葉による支配が、ライオ君の意思を素直にさせる。強制では無い、強要するでもない、サキの言霊にライオは、
「あそこが硬くなっちゃって///」
「え?どうしてかな?」
「うッ///その、サキ、サキちゃんを見てると///」
「私?昨日の事を思い出したのかな?」
その言葉に、昨日の晩、サキにしてもらった光景が鮮明に脳裏に浮かび上がる。サキちゃんは俺のズボンに手をかけると、可愛い小さな口で、再び絶頂へと導いてくれたのだった。
「気持ち良かったかな♡」
「う///うん///凄く気持ち良かったよ///その///ありがとう///」
「えへへ♡うん♡元気になった?」
そう聞かれてみると、やはりさっきまで心の大半を占めていた嫌な気持ちはどこえやら。清々しいさと満足感が俺を満たしていた。
「うん。スッキリしたよ」
「そっか♡ちゅ♡」
「ん!?」
「えへへ♡もしかしてキスも初めてだった?」
「うん///」
サキちゃんは俺から始めてのキスも奪うと、小悪魔のように可愛い笑顔で微笑んだ。




