第十六話 サキュバスのお仕事
オーク討伐のクエストを終えたフィズとセシリアが帰って来ると、入れ違いで部屋を出たサキュバスのサキュ。仕事の時間よりは少し早いが、オークの精液の匂いをプンプンさせた2人がやる事は一つだろうと、足早に部屋を去った。
「はぁ…きっと今頃2人で盛り上がってるんだろうな~良いなぁ~フィズさんの魔力…今日もたっぷりとセシリアさんに注ぐんだろうな」
本音を言えば、自分も混ざってお零れに与りたかったが、
「オークの匂いはな…我ながら、処女を奪ったオークが苦手になるなんて思いもしかなかったよ…」
オークの匂いはサキュにトラウマのような傷を植え付けた様で、微かに残った匂いでさえ、彼女を部屋から追い出す理由になった。
フィズとセシリアの濃厚な営みを妄想しながら、今日の獲物を探して町を歩く。地味な格好に変化している為、余程のことが無ければ向こうから話しかけられる事は無い。
狙い目はやはり一人でぶらぶらしていて、女に飢えている様な男だ。こっちに移ってからすでに何度もお仕事をしているので、何処に行けば良いか大体分かっていた。
「うーん、今日も酒場に行ってみようかな。でもお酒臭い人は今日の気分じゃ無いかな…」
そんな事を考えながらも、足は冒険者達で賑わう酒場へと向かう。仲間同士、男女も入り混じり酒や食事を楽しむ酒場で、サキュの目にとまったのは聖職者の様な服装をした青髪の男の子だった。
むさ苦しいおじさんや冒険者に飽きていたサキュは、ちょっとだけフィズに似た雰囲気の彼に狙いを定めると、
「君一人なの?」
「え?、お、俺?」
「そうだよ。このテーブルに他に人が居るなら別かもね?」
そう言われて周りを見るが自分しか居ない事を再確認すると、
「な、何か用かよ…」
「え?一人でつまらなそうな顔してたからさ、どうしたのかと思って。ねえ、同席しても良い?」
グイグイ来るサキュに嫌と言う暇もなく座られた男の子は、渋々といった感じだった。
「店員さん、こっちにエール2つ頂戴!」
「お、おい、俺は頼んで無いぞ?」
「え?私の奢りだよ。私も1人で飲むより君と飲みたいからさ」
小悪魔の微笑みにぐっと来てしまった彼は、届いたエールをグビッと飲むと、
「ライオだ」
「ん?」
「俺の名前だよ。ライオって言うんだ。お前は?」
「私?私はサキュ…、サキだよ」
「サキか宜しくな。実は本当は一人で寂しかったんだ」
ポツリポツリと話始めたライオを、サキュことサキはうんうんと頷き話を聞いた。今日は何だが、お仕事よりもここで彼の話を聞きたい気分だった。
「それでさ、アイツらと来たら俺が一向に回復魔法を覚えないからって、俺をパーティから外しやがったんだぜ?信じられるか?!今までずっと一緒に冒険してきたんだぞ!それを…うっ、うッ・・・」シクシクシク…zzz
思いの丈を吐き出したライオはテーブルに突っ伏し泣きながら眠ってしまった様だ。可愛らしい寝顔をするライオに、
「ちょっと!夜はこれからだよ。さぁ起きて!」
「うう~ん、もぅ帰るよ~また今度ね…」
「もう!そうなこと言わずにさ。そうだ!なら今から君のお家に行こうよ。朝までだって突き合うよ♡」
「え?ホント?こんな使えない僕にまだ付き合ってくれるの?サキは優しいんだね」
サキュは言葉巧みに釣れた魚を網へと誘導する。お酒も相まって、弱っていたライオは疑う事無くサキュを自分の家に連れて帰った。
「着いたよ~、ここが僕の家だよ。上がってよ」
「うふふ♡はぁ~い♡綺麗に片付いてるね」
「あ、あんまり見るなよ。ベッドしか無いけど、適当に座ってて、今飲み物を…へぇ?!」
ドキッ♡
酒場では地味に見えたサキが、今ではとても素敵に見えた。いや、酒場で見ていた彼女も素敵だと感じていた。どこか地味だが、所謂お姉さん属性が滲み出ていて、初めはぶっきらぼうに接してしまったが、段々心を許していたくらいだ。
下らない話をしっかりと聞いてくれたサキが俺の話をもっと聞きたいと言ってくれて、それだけで俺は嬉しかった。
「うふふ、どうしたの?」
「いや///その…綺麗だなって///」
「そう?ありがと。ライオも素敵だよ。君ってヒーラーなんでしょ?なのに危険な冒険をして魔物を倒そうとするなんて、男らしいよ♡それに♡♡♡」
サキは、ベッドに座った僕の胸に指を置くと、つつつーッと腹筋から下腹部へ指を下げた。彼女が少し前屈みになった事で、これまで服で隠れていた大きな胸が首元から見えてしまった。肌色の谷間に視線が吸い込まれていると、
「ふふふ♡どこ、みてるのかな♡♡♡」
「あ、いや、そのぅ///」
「男の子だね♡お姉さんのおっぱいが気になる?」
「お、おっぱい…♡」
どぎまぎしていた俺を揶揄う彼女は、体を起こすと俺の耳元に顔を近づけてきた。柔らかい感触が腕に圧し掛かり甘い香りが濃くなる。そんな状態で耳元では、
「寂しい思いしちゃったんだね?お姉さんが癒してあげようか?」
「はひッ♡♡♡」
俺は不覚にも声が出てしまった。それを皮切りに、これまで抑えていた欲望がぐぐぐっと鎌首を持ち上げてズボンにテントを張ってしまった。不味い…このままじゃサキに嫌われちゃう…そう思えば思う程、欲望は硬度を増し、
「ンッ♡…んッ♡…」
「ん?どうしたのかな?もじもじしっちゃってさ~?」
「ふッ…ふッ♡」
「ライオのここ、こんなに大きくなっちゃったね♡苦しそうだし脱ぎ脱ぎしちゃおうね♡」
その後、サキュはライオの欲望を軽く解き放つと、満足そうに眠る彼を見つめ、
「ふふ♡随分気持ち良さそうだったな♡この子の事、気に入っちゃったかも…少しくらい良いよね?」
『性奴隷』のスキルを発動するサキュ。完全に性奴隷にするつもりは無いのだが、彼に簡単な印を付けた。この印があれば、ライオがどこに居るかすぐに分かる優れモノだ。
「これくらいなら大丈夫だよね?じゃあまたね♡」
サキュは上機嫌でライオの部屋を後にした。一人残されたライオはベッドの上で幸せな夢を見るのであった。
・・・
・・
・
「うーーん♪今日は良い日だな♪でもまだまだお仕事頑張っちゃおうかな♡あ、いい所に♡『チャーム』♡」
サキュの行く手にはガラの悪いお兄さん達が3名おり、サキュはそいつらに向かい魅了を発動した。町中で何ら対策もしていない彼らはいとも簡単に魅了されると、
「誰にも邪魔されない所にお願い♡」
「…」コクン
男達に命令し、彼らの泊まる部屋へとやって来た4人は、
「今日は特別ね♡普段通り私を犯せ♡♡♡」
「…よお、可愛いサキュ様じゃねえか。今日はたっぷり可愛がってやるぜ」
「くッ…だ、誰があんた達なんかにッ!」
「ひゅー、やっぱサキュ様はこうでなくっちゃ。お楽しみの時間だぜ?」
「♡♡♡」
ノリノリで彼らの欲望に合わせて役を演じるサキュは、3人の欲望を受け入れて精液を確保した。しかし、事の最中に自らの悪事を自慢げに話す彼らに対して、
「ふふ、御馳走様♡♡♡って聞こえないか…なんか悪い事もしてたみたいだし…このまま返すのもな…そうだ!」
きゅきゅきゅっ!
「えへへ、これで良し!後は朝になれば…あ~良い事もしたし、今日は最高の一日だな。そろそろお二人も終えているかも。お土産もたっぷりあるし帰ろ♡♡♡」
サキュは男達を道端に放置した。それも全裸で縛り上げて、全身に性犯罪を自白する言葉を書いて。明るくなった朝には人目に晒される事だろう。ルンルンと楽しそうに揺れ出た尻尾を振りながら、フィズとセシリアの愛の巣へと帰って行くのであった。




