↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力ゼロの勇者 〜最弱勇者の最強育成に必要なのは僕との繋がり〜  作者: アオネコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/39

第十五話 オーク討伐

 サキュバスのサキュに大切なお仕事を指導したフィズ達は、町へと帰ってきた。多くの人が居る町にサキュを送り出すと、二人はこの町のギルドへも報告にやって来た。


「そうですか。やはりサキュバスが…それを倒しちゃうなんてセシリアさんも随分強くなりましたね」

「え?、ええ、そうでしょ?でもフィズのお陰で助かったわ」

「そんな、お二人を見込んでお願いしたいクエストがあるのですが…」


 受付のお姉さんは申し訳なさそうに、僕達に頼んで来た。


「いいですよ。な、セシリア?」

「ええ、一体どんなクエストなの?」

「本当ですか、それがですね…」


 お姉さんが恐る恐ると言った感じで話して来た。内容は、


「以前、オークを倒した森を覚えていますか?」

「ええ、しっかり覚えているわよ」

「その森の近くで、オークが活動している様で、女性の冒険者や近くの村の女性が行方不明らしいんです」

「また行方不明ですか?それがオークの仕業だと?」

「はい。今回は目撃者も居ますし、それに…」

「それに?」

「それに、私の、私の友人も行方知れずなんです!どうか、彼女を連れ戻してくれませんか?」

「な、何ですって?それは一大事じゃない!ギルドは何をしているの?」

「え、ええ…ギルドとしても多くの冒険者へクエストをお願いしているのですが、どうもオークへの恐怖がクエスト受注を妨げているようでして」


 どうやら男の冒険者はオークの群れに恐れをなしている様だ。女は囚われて苗床にするらしいが、男には用が無いとその場で殺される様で、一体一での戦闘ならまだしも、群れとなるとどうしても志願者が確保できないとの事だ。


「お友達は?」

「ええ、彼女も冒険者でして、強気の彼女はパーティを組んで討伐しに行ったんですが…」

「戻ってこないって訳ね…彼女が居なくなったのはいつ?」

「はい、一昨日です。一刻を争います。お願い出来ませんか?」


 必死に懇願するお姉さんに僕たちは、


「大丈夫。必ず連れ帰って見せます。な?」

「ええ、任せなさい!」

「あ、ありがとうございます!」


 僕らは急いでギルドを飛び出すと、彼女らが向かった森へと急ぎ走った。どんよりとした雲が、ぽつぽつと雨を降らせている。普段よりも暗く鬱蒼とした森をオークの気配を見つけながら移動する。


「確かこの辺りは以前ゴブリンの集落があった所だな」

「ええ、この辺は魔素が薄いわ。もっと奥へ行ってみましょう」


 魔物の発生には魔素量が関係するそうだ。感覚で魔素の濃さが分かるようだが、僕にはさっぱりだった。セシリアの感覚を頼りに森の奥へ奥へと進むと、


「ん?戦闘の痕か?」

「ええ、その様ね。木が粉々よ。随分暴れた様ね…ん、あっちの方、魔物の気配がするわ…」

「よし、行ってみよう!」


 セシリアの感がした方角へ急ぐと、遠くから戦闘音が聞こえて来る。酷く醜い鳴き声が轟くと、金属がぶつかる音が呼応する。何度もぶつかる様な音を頼りに接近した僕たちは、


「あ、あそこに人が」

「女性みたいね。特徴が探して居た女性と同じだわ!」


 探して居た黒いポニーテールの女戦士は、盾でオークの棍棒を防ぎながら、片手剣で反撃していた。周りにはオークの死体が何体も転がっており、どうやら最後に一体と戦っていた。


「ぐあッ!!」


 戦士がよろめいた隙を、オークの棍棒が腹部を抉る。くの字で吹き飛ばされた戦士にオークが迫ると気絶した彼女を担いでどこかへと運んでいく。


「不味いわ!助けないと!」

「駄目だ!後を追おう」

「あ、巣穴を探すのね…他にも助けられる人が居れば良いのだけれど…」


 僕とセシリアは、オークから距離を取りつつ後を追った。森の奥へとズンズン進むオーク。その足が止まったのは崖に空いた大きな洞窟だった。女戦士を担いで入ろうとしたオーク目掛け、セシリアは大剣を振った。


「ぐぎゃ」


 オークの首を撥ね飛ばし、女戦士に駆け寄ると、


「た、助かったぞ…くッ、済まないどうやら私は動けそうにない…お願いだ、仲間を、彼女達を助けてくれないか」

 

 ボロボロの体になっても囚われた仲間の心配をする彼女の思いに、


「私達に任せてなさい。貴方は此処で休んでてね」

「ああ、たのんだ…」

「大丈夫。また気を失っただけ見たい。でも早く町に戻った方が良いね」

「分かったわ、さっさと巣を殲滅して帰りましょう」


 彼女を木の陰に休ませると、僕たちは洞窟の中へと踏み込んだ。獣臭や不潔な匂いが充満する暗い穴倉は、奥へ奥へと続いている。


「奥に嫌な気配がするわね…」

「嫌な?」

「ええ、この感じはかなり危険な気配よ…」


 奥へ進むたびにオークが数体に出くわすが強くなったセシリアは、軽々と切り伏せて行った。


「良い感じだね」

「ええ、これまでの戦いが嘘の様よ。ありがとうフィズ♪」

「こんなのは序の口だろ?目標は魔王討伐だ。まだまだ道は長いぞ」

「もちろんよ」


 その後もオークたちを屠りながら進んだ先に異様な光景が広がっていた。オークの数倍はあろうかという巨大な魔物が囚われた女達を、その巨大なイチモツで犯していた。


 到底セックスとは思えない悲鳴を上げる彼女の周りには、同じように犯されたのだろうか、腹をパンパンに膨らませた女性たちがいた。意識を失っているのかピクリとも動かない。


「ぐおおおおッ!!!」


 化物は雄叫びと共に精を吐き出すと、此方に気が付いたのか、醜悪な姿で威嚇してきた。


「くッ、最悪の状況ね。こいつはオークキングよ」

「オークキング!?」

「ええ、しかも発情期真っ盛り。オークが女性を集め出す訳だわ」

「キングに捧げるためか?」

「いや…自分の貞操を守る為よ」

「はぁ?!ていそう?オークの?」

「そ、キングは雌だろうが雄だろうが孕ますのよ…オークは雄しか居ないから、身代わりの孕み袋を必死に集めるの。人間の他にゴブリンなんかもね」

「ぐへ、魔物にとっても厄災だな…そういう事ならさっさとこいつを倒してしまおう」

「ええ、賛成よ」


 汚らしい陰部を激しく揺らしながら迫り来るオークキングは図体に比例して巨大な腕で襲い掛かって来る。

 

 僕は魔法を放ち弾幕を張る。炎や水が分厚い皮膚を穿つがそれを物ともせずに突進する。目の前まで迫った攻撃に、セシリアはガードカウンターで否しては傷を返す。


「くっ…頑丈ね!」

「セシリア下って!『サンダー』!『セイント』!」


 僕は貫通力のある魔法に切り替えて再び魔法を放つ。これが功を奏し隙が出来ると、


「フィズ、ナイスよはぁぁぁぁッ『アンガーストライク』!」


 大剣に闘気を纏わせた一撃がオークキングを襲う。セシリアの怒りは奴のご自慢のイチモツを切り取った。その結果、怯んだ愚王は追撃を受け頭をかち割られ絶命した。


「ふう、やったなセシリア!」

「え、ええ…流石オークキングね。こっちもかなりダメージを食らっちゃったわね」


 ぼろぼろになりながら、僕等は孕まされた女性達を助け出した。幸い命はあるもののグッタリとしている。さらに、彼女たちの腹は青白い血管が浮き出て、ドクンドクンと脈打っている。


「これ…オークを孕んでいるのかしら?」

「ああ、鑑定の結果は妊娠中だそうだ…」

「酷いわ…このままじゃ可哀そうよ…どうにかならないの?」


 セシリアの悲痛な思いに、僕は、


「待ってて…もしかしたら分かるかも『弱点看破』!」


 スキルを発動させると、彼女達の状況が手に取るように分かった。


~魔物を妊娠中の女性~


状態:臨月(数時間以内にオークの幼体を出産)

解除条件:『クリーン』が有効


「お!何とかなるぞセシリア!見てて『クリーン』!」


 浄化の魔法を彼女達に掛ける。清潔な光が周囲を満たすと、汚れた体が元の状態に戻って行く。膨れた腹もシオシオと縮んでいく。再度鑑定してみると、状態は正常を示していた。


「凄いわね。これで安心かしら?」

「ああ、さあ、皆を連れて戻ろうか」


 意識を取り戻した彼女達に服を宛がい自分の足で歩いてもらう。襲い掛かってくる魔物はセシリアと僕で対処する。洞窟を出ると、休んでいた女戦士を担ぎ町へと戻った。


「クエスト完了よ」

「流石セシリアさんです。ありがとうございました!」

「これくらい当然よ。それより友人の女戦士さんは大丈夫?」

「ええ、普段から鍛えている彼女の事です。現在ギルドの治療場で回復していますから、何とかなるでしょう」

「他の女性も?」

「ええ、こちらで対応しています。本当にありがとうございました」


 クエストの報酬で金貨1500枚。なんせ女性の救助に、数十体のオークと、オークキングの討伐もしたのだ。苦労に見合った金額だろう。


 僕たちは疲れた体を休ませる為に、宿へ帰った。部屋を開けると


「あ、お帰りなさい♪」

「ただいまサキュ。これから出かけるのか?」

「うん♪お仕事の時間だね。今日も一杯精液を集めて来るね。じゃあ、行ってきます」

「気を付けるのよ」


 手を振って、元気に出かけて行ったサキュバスのサキュを見送ると、僕とセシリアはお風呂場へと駆け込んだ。服を脱いで温かい湯に浸かると、


「ふう~、流石に浄化で綺麗になったとはいえ、あの匂う洞窟に居たと思うと、やっぱりお風呂に入りたくなるよね」

「そうね」


 僕らは暫く湯に浸かって今日の疲れを取るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。