第十二話 サキュバス捜索
枷の効果を堪能した僕とセシリアは、もう一つのアイテムである淫欲の香水の出所を突き止める事にした。このアイテムは常人を簡単に淫乱にしてしまう効果があり、魔道具屋のお姉さんでさえ、ほんの少しその香りを嗅いだだけで一瞬で絶頂に達してしまう程だ。
それを考えると、盗賊のリーダーは随分と頑張ったようだ。まあ、最後にはセシリアの責めに耐え切れず理性を手放してしまったが、
「こんな危ない香水が世に出回らない様にしないといけないわね」
「ああ、問題はこれがサキュバスの愛液から作られてる点だよね。つまり、魔物を見つけないと…」
「と言う訳でギルドに来てみたけど、それらしいクエストってあるかしら?」
「うーん、これも違うね。残り物のクエストの中には無いみたいだ…」
僕らが掲示板の前で困っていると、
「あら、お二人ともこんにちは。今日は何かお困りですか?」
「ああ、実はサキュバス関連のクエストを探して居るんです。この前の盗賊達と繋がりがあるよう事が分かったので」
「サキュバスですか!?そう言えば、隣町のクエストですが、男性が行方不明になる事件がありましたね。最近は被害が出ていませんが、そう言えば、盗賊被害が増えたはその後の事ですね」
「男性…盗賊…これは調査してみる価値がありそうだな」
「そうね。行ってみましょう」
僕たちは、このクエストを受注すると、用意を整えて隣町へと向かった。町から町へと向かう乗合馬車に乗り込むと、多くの人たちと一緒に移動した。この前の移動とは違い、一目があるこの馬車では、如何わしい事は出来ない。
「今日は良い天気ね」
「うん?ああ、そうだな。こんなゆっくりするのも久しぶりだな。そう言えば、セシリアはずっとこの町に居るのか?」
「うーん、この町は最近ね。私全然稼げないから、あんまり長く同じ場所に居ると、みんなの迷惑になっちゃうからさ…」
「じゃあ、今は問題ないね。むしろ、色んな所へ行って魔物を倒さないとね」
「そう!だからこうやってフィズと出かけられるのが凄く嬉しいのよ」
馬車に揺られて昼前には隣町へとやって来た僕らは、男性の行方不明事件を調査すべく町中を歩いた。得られた情報としては、
「うーん、夜に一人で出かけた人や冒険者が居なくなったのか…」
「町中でも行方不明になるなんて怖いわね」
「ああ、最近は被害が無い様だけど、昨日は久しぶりに被害者が出たみたいだよ?」
この町のギルドの情報では、冒険者1名が昨日の晩から姿を消したらしい。消えた彼の仲間がギルドへ捜索依頼を掛けてきたそうだ。
「で?フィズはどこか心当たりはあるの?」
「ああ、もしこの事件にサキュバスが関わっているとするなら、一つ気になる場所があるんだ。それがここ、この町にある娼館だね。」
「娼館ってあれよね。お金を払って体の相手をしてもらう?」
「そうだよ。良く知ってるね。セシリアも興味あるの?」
「まかさ!ちょっと気になるだけよ!」
顔を赤くして恥ずかしがる彼女。普段から僕のデカチンでエロい事をしているのに、何歳になっても恥ずかしい物は恥ずかしいのだろう。
「それで?どうやって調査するの?正面から乗り込む訳じゃ無いでしょ?」
「ああ、そこは僕に任せて…」
「え?まさか…」
娼館の重厚な扉がゆっくりと開く。中は薄暗く、淡い灯りが雰囲気を高めている。受付に続く道には女性の絵がずらりと並んでおり、その絵の中の女性は自らの武器を大胆に曝け出していた。
「気に入った女性はいましたかな?」
暗がりから低い男性の声がした。顔は見えないが、受付の男性なのだろう。僕は前に進むと、
「初めて来たんだ」
「左様ですか、料金は前払い。プレイ内容によって変化しますがどういったモノをお望みで?」
「うーん、そうだな…随分と溜まっているんだ。激しくセックスが出来る相手が良いだけど」
「そうですか。うちの子達でしたら問題ありません。して、御所望なのは女性ですか?それとも男性?」
「ん?ここは男娼も居るのか?珍しいだね?」
「ええ、ええ。うちは色々なご趣味の方に対応出来るんです。素晴らしいでしょ?」
「ああ、そうだな。そうしたら…この女性をお願いしようかな」
「おお、彼女ですか。お目が高い。うちでも人気者ですよ。金貨2万枚です。宜しいですか?」
え?金貨2万!?2万も掛かるの?財布を確認してもあるのはたった金貨200枚程度…
「あ、あの…お金が無いです…」
「は?金が無いのに娼館に遊びに?はあ…帰れ帰れ。ここは子供の遊びに来るところじゃねえぞ」
僕に金が無いことが分かると態度が一変した。金にならない客は客じゃ無い様で、僕は用心棒によって店から蹴りだされてしまった。
「イテテテテ…クソ、酒でも飲んで帰るか…」
僕は近場の酒屋へと向かい歩き出した。トボトボと歩いていると、後ろか声を掛けられた。
「ねえお兄さん、お金が無いの?」
「ん?君は誰だい?」
「んふふふ♪貴方冒険者でしょ?あなたみたいに若くてお金の無い冒険者にお仕事を斡旋しているんだけど…少し私とお話しない?」
姿を見せたのは娼館の自画像に負けないくらいスケベな衣装を着た巨乳の女性だった。年齢は20歳くらいのお姉さんで、赤い髪をしている。スケベな衣装から溢れ出そうな巨乳は、歩くたびにタプンタプンと大きく揺れる。
「うふふ♡可愛いわね。あなたどこかで見た気がするけど、この町の冒険者?」
酒場に入ると、奥まったテーブルに誘導され腰かけた。目の前にはテーブルにずっしりと乗った巨乳がスライムの様に二つ並んでいる。両手で頬杖をする彼女の腕が胸の谷間をより強調しているのだ。
「あ、はい…僕は一人で冒険者をやってます。最近この町に来たばかりで…その、娼館にも行ってみたんですが、お金が無くて///」
「あはん、そうだったのね。娼館から出て来た君が俯いて元気が無かったから声を掛けたんだけど、正解だったわ♪よかったら私のお家でお仕事のお話し・な・い?うふん♡」
お姉さんは親指と人差し指で丸を作ると、反対の人差し指でその輪をズボスボと抜き差しするジェスチャーを僕に見せつけて来た。僕は顔を赤くして、
「そ、それってど、どういう仕事なんですかッ?!」
「うふふふ♡簡単よ~、ただちょっと貴方の体を借りたいの。冒険者なら体力はあるわよね?魔力もたっぷりありそうだし…」
「んあッ♡♡♡」
「んふん♡こっちも随分立派そうね♡♡♡」
テーブルの下では、正面に座ったお姉さんが細く長い足を僕の方に伸ばして、靴のヒールでイチモツをグリグリと踏みつけてきた。突然の刺激に情けない声を出してしまうと、
「決めたわ♡ねえ、良いでしょ。お姉さんと気持ちのいいお仕事しましょ♡♡♡」
彼女の目で見つめられた僕は、彼女の言葉に従って一緒に店を出て行った。なぜだか体が自然と動き、隣に歩くお姉さんは、僕に体をぴったりと付けるとその柔らかい体を押し付けて来る。
そのまま誘導されて町から出ると、町の外れにある森の中へとどんどん進んで行った。暗い夜道も、月明かりも無く暗い森の中も、お姉さんは迷う事無く進んで行く。どれくらい歩いたのだろうか、目の前には古びた屋敷が現れた。
「到着したわ。さあ、中に入ってお姉さんと良い事しましょう♡」
「はい…」
屋敷に入ると人が住んでいる気配はなく、ベッドがポツンとあるだけだった。お姉さんはシュルシュルとスケベな衣装を脱ぐと、ベッドに僕を誘い込んだ。
「さあいらっしゃな♡」
「…」
「…?どうしたの?さあ、こっちに来なさい!」
「…」
「なぜ、なぜ命令に従わないの?」
「残念だけど、僕に魅了は効かないよ、お姉さん」
「くッ、可愛い顔して面倒な餓鬼ね!いいわ、私の本気を見せてあげるわ!」
魔力が高ぶり黒い靄が彼女を包み込むと、妖艶な恰好をした悪魔の様な姿が現れた。やはり彼女が、
「さあ、私の虜になりなさい。『チャーム』!」
今までとは違い、明確な魔法が僕を襲うが、先ほどから全身に掛け続けている『クリーン』が魅了の魔法を打ち消してくれる。
「やっぱりお姉さんがサキュバスだったんだね」
「な?!なんで魅了が効かないの?お前何者なのよ?!」
「ただの冒険者さ。さあ、観念しろ!」
僕は『サンダー』を唱えると、彼女の体を強力な電撃が貫いた。




