45 人魔人間ガールだぜ!
「いや~助けてくれてサンキュね~」
「どういたしまして」
「(ふ、普通に喋ってるぜアナベル……)」
街道を歩いている時にミッドウルフに襲われている女の子を助けたオレたち。
しかし、その女の子は普通の人間ではなくて、ツギハギだらけの青白い肌をしていた。
「(これは……どうみてもアンデッド系の魔物じゃないか?)」
でも普通に言葉は喋ってるんだよなあ。
もしかして、アナベルみたいな人形なのか?
だとしたらわざわざこんなツギハギ肌にするのは趣味が悪い気がするぜ……
「ボクの名前はベニー。レザーフェイス博士が作った『人魔人間』だよ~」
「(じ、人魔人間……!?)」
やっぱ普通の人間ではなさそうだけど、自律式駆動人形のアナベルともまた違うっぽいな。
魔物と人間のハーフとか?
……子供、出来んのか?
「わたしはアナベル。大魔女ラガティーが作った自律式駆動人形」
「ブォオオオン! ギュインギュイイイン!(オレは自律式チェーンソーのヤイバだぜ! 誰が作ったのかは知らないぜ!)」
「この子はぎゅいぎゅいだよ」
「アナっちにぎゅいっちね~。よろしく~」
ぎゅいっち……た〇ごっちみたいな呼び方だな。
「自律式駆動人形ってことは~……アナっちはもしかしてオートマタ?」
「そう。ベニーは人魔人間と言っていた。わたしは人魔人間を知らない」
「ブロロロン!(オレも知らないぜ!)」
レザーフェイス博士が作ったとか言ってたよな。
やっぱあれか? マッドサイエンティスト的なヤツか?
「まあ、人魔人間なんてこの世界にボクしかいないかもだしね~」
「ベニーは、世界でただ一人の人魔人間?」
「そうそう! だって、ボク以外はみ~んな途中で死んじゃったからさ~……いや、生き返れなかったが正解かな?」
ベニーの説明によると『人魔人間』というのはレザーフェイス博士が研究していた人造人間のことらしい。
死んだ人間とアンデッド系の魔物を組み合わせ、心臓の代わりに魔力を凝縮して作ったコアを使い、不死の人間を作り出す……それで生み出されたのが人魔人間のベニーというわけだ。
「ベニーは、どこから来たの?」
「サキテスシティからだよ~。そこにレザーフェイス博士の研究施設があったんだ~……まあ、今どうなってるのかは分かんないけど」
「分からない……?」
「研究中に暴走した子が、博士を襲って殺しちゃったんだ~。結局その子も博士を殺した瞬間に爆発しちゃった。あの子とボクが唯一の生き残りだったのに」
暴れ回って爆発って……めちゃめちゃヤバそうな研究してるじゃねえか!
拒絶反応とか出ちまったのかな?
なんだか可哀想だぜえ……
「ベニーは、よく助かったね」
「ボクは運が良かったんだ~。爆発した時に吹っ飛んで、研究所の近くの川に落ちてさ~。そのままどんぶらこっこ流されて、気が付いたらおっきな丸太に引っかかっててさ~」
「それって……」
「ブロロロロロン(オレたちが作った丸太橋じゃねーか?)」
なるほどなあ。それでこんな所を一人、ボロボロの服でうろついてたってわけか。
ベニーも中々壮絶な人生を歩んできたんだな……いや、人魔人間だから人魔人生?
「ベニーは、これからどうするの?」
「うーん、どうしよっか~」
ベニーがいた研究所があった『サキテスシティ』って街は、この辺の地図には載っていなかった。
川を流れてきたってことだし、ここよりもっと上流のほうにあるんだろう。
「アナっちとぎゅいっちは何してるの?」
「わたしとぎゅいぎゅいは、街道の南にある『デイルタッカーシティ』に向かって旅をしている」
「ブォンブォオオオオオン!(旅をしながら最強のチェーンソーを目指してるぜ!)」
ハワラタシティで買った地図によると、南の方にデイルタッカーシティっていう街があるらしい。
とりあえずそこが今のオレたちの目的地だ。
「じゃあボクもついてっていい? サキテスシティに戻っても、研究所もどうなってるか分かんないし、博士は死んじゃったし」
「いいよ」
「ギュオオオン!(旅は道連れだぜ!)」
というわけで、仲間を増やして次の街に向かうぜ!




