44 新たな旅の始まりだぜ!
ルヴィたちに別れを告げてハワラタシティを出発したオレとアナベル。
オレとアナベルが出会った森からここまで来た道を引き返しつつ、ビギニー伯爵の仇も討ちつつ、オレたちは更に南へと街道を進んでいた。
「(BS-SYSTEM、起動だぜ!)」
【伐採スキルシステム起動】
・名称:チェーンソー/ヤイバ
・装備者:自律式駆動人形/アナベル
・エネルギー残量:89%
・モード切換:ノーマル、エコ
・必殺技:キックバックLv2[-5%]、ドロップスラッシュ[-10%]
・伐採ポイント:420BP
・習得スキル:自律駆動Lv2、言語理解、ソーラーチャージLv2、ボイス機能、軽量化
・習得可能スキル:視界拡張[300BP]、伐採効率上昇[300BP]、自律駆動Lv3[400BP]、オートメンテナンス[500BP]、防水機能[500BP]、ジェットモード[550BP]、ボイス機能Lv2[600BP]
「(よしよし、500BPまでもうちょいだ! このまま貯めてくぜ~!)」
ハワラタシティにいる間、何度か単発のクエスト依頼をやって旅の金稼ぎをしたんだが、大体が魔物の討伐や樹木の伐採作業だった。
クエスト作業をすることでお金と一緒に伐採ポイントも入手することが出来て、オレは新しく『ソーラーチャージLv2』を習得した。
いや~、おかげでチャージ速度がかなり上がってすぐに全回復できるようになったぜ。
「ぎゅいぎゅい、エネルギーのチャージ速度が上がったね。またパワーアップしたんだ」
「キュュイン! プロロロン、プロロロロロロロロン!(おうよ! 太陽が出てなくても、月明りとかロウソクの火とかでもチャージ出来るぜ!)」
まあ、さすがに月明りはチャージ速度がめっちゃ落ちるけどな。
でも、多少明るければ体力が減らないからありがたいぜ。
もはやソーラーチャージっつうか、ムーンチャージだな!
「(いや、火で回復できるならフレイムチャージか……? うおおお! なんかめっちゃカッコいい響きだぜ!)」
ソーラーチャージの速度が上がったことで、太陽が出ている日中かつエコモードの場合に限れば自走してても体力消費がチャージ速度とトントンになり、ほぼ無限に走れるようになった。
今までは旅の多くがアナベルに抱えられながらの移動で迷惑をかけちまったが、これからは自力でアナベルの隣を進むことができるぜ。
「キュイイイイン! キュロロロロロン!」
「ふふっ。ちっちゃいぎゅいぎゅいが走り回ってるの、野ネズミみたいでかわいい」
「キュ、キュロロロロン……(そ、それはあんまり嬉しくないぜえ……)」
ネズミか~……まあ、エコモードで小さくなってる時のオレはチョロQみたいなもんだからな。
野良猫にでも襲われないように気を付けるぜ。
「や、やめっ……食べるなってば~……」
「ガルルッ!」
「(ん?)」
少し日が落ちてきたので自走するのをやめようかと思っていたところ、街道の脇にある岩陰から何やら声が聞こえてくる。
「ボ、ボクを食べても美味しくないぞ~……」
「ガルガルッ!」
「大変。だれかが魔物に襲われてる」
「キュイイイイインッ!(助けないとだぜっ!)」
あの鳴き声は、ミッドウルフか!?
食われる前に助けないと……!
「キュイイイイン!(ノーマルモードに切り換えだぜ!)」
【エコモードからノーマルモードに切り換えます】
ガシャンッ! ウィイイイイイイン! パアアアアアア……!
「ギュイイイイイン!(いつでも戦えるぜ!)」
岩陰でミッドウルフらしき魔物に襲われている人を助けるために、エコモードを解除してノーマルモードに切り換えた。
そのままアナベルと一緒に助けに向かう。
「も、もうダメだ~……ここで食われて死ぬんだ~……」
「ガルルルルルッ!!」
「やっぱりミッドウルフだ……!」
「(今助けるぜえええええっ!)」
ギュイイイイイイイイイイインッ!! ザシュッ!!!!
「ギャオンッ!?」
ズギャギャギャギャギャギャ!! ブッシャアアアアアアアア……!!!!
「キャウンッ……ッ……」
ドシャッ!!
【ミッドウルフ討伐! BP+15】
「ギュォオン!(討伐完了だぜ!)」
背後から不意打ちでミッドウルフに襲いかかり、そのまま一気にぶち殺す。
どうやら魔物は1匹だけのようで、息絶えたミッドウルフの奥には、襲われていた人が……
「へ……あれ? た、助かった? 生き延びた……?」
…………。
「ギュイイイイイイイイイン!?(アンデッドが喋ってるうううう!?)」
「わあ、なにこの武器~!」
ミッドウルフに襲われていたのは、ボロボロの服を着たツギハギ肌のゾンビガールだった。




