43 街議会のお偉いさんをぶっコロすぜ!
「まさか、農業ギルド長と警備ギルド長が追放処分になるとはな……」
「ビギニー伯爵のお屋敷を燃やしたんだって……」
「部下を使って山賊を街に入れたらしいぞ……」
シティリーダーのシェリンさんにビギニー伯爵お屋敷襲撃事件の真相を告発した数日後。
どうやら彼女はキッチリ仕事をやってくれたようで、山賊に指示を出して屋敷を燃やし、ビギニー伯爵を死亡させた農業ギルド長のスコッツと警備ギルド長のマッシュに証拠の音声を突き付けて逮捕した。
彼らがビギニー伯爵のお屋敷を襲った理由は『隠居してるだけの貴族風情が、街の運営を担っている自分たちよりも偉そうで気に食わないから』。
なんともまあ、救いようのないクソジジイどもって感じだな。
そして今、街ではスコッツとマッシュが追放処分になったニュースで持ちきりだ。
ビギニー伯爵のお屋敷にも関心が向かい、屋敷跡を保存して慰霊碑を作る計画も出ているらしい。
「ねえアナベル、ぎゅいぎゅい……本当に街を出て行っちゃうの?」
「ずっとうちにいればいいのに~」
「わたしとぎゅいぎゅいは、旅に出る」
「ブォンブォオン、ギュイン、ギュイン!(世話になったな、ルヴィ、リアン!)」
街のお偉いさんが追放された話題で盛り上がるハワラタシティの入り口で、俺とアナベルはルヴィとリアンに別れを告げていた。
これから街を出て、再び旅を始めるのだ。
「旅の準備は? お金はある? 隣街まで馬車で送ろっか?」
「準備はバッチリ。ギルドで単発クエストをしてお金も貯めた。馬車も大丈夫」
「ブロロロロン!(地図も買ったぜ!)」
地図って言っても、この地域周辺が載ってるだけだけどな。
まあ、世界地図があったってしゃーないし、これで十分だぜ。
「アナベルとぎゅいぎゅいは、これからどうするの?」
「わたしは、大魔女ラガティーに作られた自律式駆動人形。わたしが知っている世界は、ラガティーの工房と、ビギニー伯爵のお屋敷だけ」
「そっか……だから、旅をして自分の世界を広げるんだね!」
「ぎゅいぎゅいは~?」
「__バッサイ」
「世界中の木を切りたいんだね!」
アナベルと一緒に旅をしながら伐採ポイントでスキル習得して最強のチェーンソーになりたいって言いたかったんだが、一言しか喋れなかったぜ。
「それじゃあ二人とも、お元気で~」
「ビギニー伯爵の屋敷跡は、あたしたちがしっかり整備しとくから!」
「いつでも帰ってきてね~」
「ギュイン!(おうよ!)」
こうしてオレたちは、ハワラタシティを出て南方面……つまり、来た道を引き返し始めた。
森を抜けて北に進んできたが、次の目的地は南の街道を進んだ先にあるからだ。
「(……でも、その前に)」
オレとアナベルには、やることがあるんだよな。
―― ――
「クソッ! なんでワシらが街を追放されにゃならんのじゃ!」
「シェリンのクソババアめ……どこからあんな音声を……」
「ビギニーの屋敷を見に行ったときに、誰かに聞かれておったんじゃろう……」
「正義感の亡霊が暴走しおったか……ふん、くだらないことを」
「今は大人しくしておいてやる……だがしかし、いずれ告発者を見つけ出し、必ずや報いを受けさせて……」
ギュイン……ギュィイイイン……
「ん、なんじゃ? なんの音……」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!! ザシュザシュザシュッ!!!!
「ぎゃ゛あ゛あああああああああああああ゛っ゛!?」
「スコッツ!?」
ヂュギャギャギャギャギャギャギャギャギャッ!! グシャッ!!!!
【クソ老人討伐! BP+5】
「まず、一人」
「ブォン、ブォオオオオオン(このじーさん、全然ポイント貰えないぜ~)」
「なっ、なんじゃ、この女……っ」
「わたしはアナベル。ビギニー伯爵にお仕えするただのメイド」
「くそっ! 屋敷の生き残りがいたのか……ワシらを告発したのはお前じゃな……! 許さん、許さ」
ギャイイイイイイイイイイイイイインッ!! ドヂュヂュヂュヂュヂュヂュヂュッ!!!!
「ぐがぁ゛あ゛あああああああああああああああっ!!」
「許さないのは、こっちのセリフ」
ブッシャアアアアアアアアアアアアアアアアッ…………ドシャッ。
「…………ァ゜」
【ゴミ老人討伐! BP+10】
「ギュォオオオオン! ブィンブィン!(こっちはちょっとポイントが多いぜ! さすが警備ギルド長だな!)」




