34 ハワラタシティのお偉いさんだぜ!
「なに? 街議会のことが知りたいだって?」
「そう。街議会とシティリーダーの情報を集めている」
ビギニー伯爵の屋敷跡からルヴィたちの家に戻ってきたオレたちは、まずはハワラタシティの情報を集めることにした。
「随分と小難しいことを知りたがるじゃねえか。街の運営の仕組みでも勉強してんのか? うちの娘たちとは大違いだな」
「あ~パパひど~い!」
「毎日の生活でいっぱいいっぱいだから、政治とか気にしてる暇ないの!」
「ドッドッドッド……(そこに関してはオレも何も言えないぜ……)」
前世じゃあ政治のことなんて全然興味なかったからなー。
とりあえず金が稼げて美味いメシが食えてりゃ良かったし。
まあ、親方はメシよりも夜のお店とかにつぎ込んでたっぽいけど。
ちなみにそういうトコに行くとお偉い政治家さんが結構いるらしい……なんでなんだろうな?
「ハワラタシティ……まあ他の街も同じだと思うが、街を治めてんのは街議会とシティリーダーだ」
「街議会と、シティリーダー……」
ジョーの話によると、ハワラタシティの住民の投票選挙で選ばれた街の代表がシティリーダーで、街議会ってのは街でやってる色々な仕事の代表者が集まっている組織らしい。
「街の仕事は『ギルド』によってまとめられている。俺が加入している商業ギルドの他に、冒険者ギルド、農業ギルド、医療ギルド、興行ギルド、行政ギルド、警備ギルドなどなど……仕事の種類によって分けられたギルドの各代表が街議会のメンバーとして活動し、シティリーダーと一緒に街の運営をしているってわけだ」
「へ~そうなんだ」
「パパって商業ギルドでお仕事してたんだ~」
「そこは知っててくれよ……うちの馬車に商業ギルドのマークが入ってるんだから。なんならミーアもそうだったんだぞ」
「えっママも!?」
「そうよ~。ルヴィとミーアを引き取ったときに辞めちゃったけどね」
なるほどな、ジョーとミーアは職場恋愛からの結婚ってわけか。
オレも人間のままこの世界に転生してたら、どっかのギルドで働いて良い感じの子と出逢って結婚とかしてたのかな~。
「(今のオレは一応オスのチェーンソーってことになってるし、もしかしメスのチェーンソーと結婚すんのか?)」
そ、それはちょっと嫌だぜえ……別に工具とか見ても、異性として可愛いとか思わねえもん。
アナベルくらい可愛く作られてるオートマタなら別だけどよ。
「そういやあ、この間配られたハワラタシティの情報誌に今のシティリーダーと街議会メンバーが載ってたぜ」
そう言って、ジョーが厚めの新聞紙みたいなものを持ってくる。
それはハワラタシティのお店や各ギルドの求人、美味しいグルメの紹介など、様々な街の情報が乗っている機関誌だった。
「っ! この二人……!」
「ブォン、ギュォオオオン!(コイツら、さっきビギニー伯爵の屋敷跡でボロクソ言ってたクソジジイどもだ!)」
アナベルが情報誌をパラパラとめくっていくと、街議会メンバーが紹介されているページを発見する。
するとそこには、ついさっきビギニー伯爵の屋敷跡までやってきて、ビギニー伯爵をディスりながら勝手に犯罪行為を喋っていたクソジジイどもが顔写真付きで載っていた。
「……農業ギルド長、スコッツ。警備ギルド長、マッシュ」
「(コイツらが、ビギニー伯爵の屋敷を山賊に襲わせた黒幕……!)」
なるほど、警備ギルド長のスコッツがいたからうまいこと山賊を屋敷まで侵入させられたのかもしれないな。
それにしてもコイツら、いかにも老害って顔をしてやがるぜ……
「あ、このお爺さんたち知ってる~。わたしの友達が働いてる酒場に来た時に、お店の女の子の体触りまくったんだって」
「あー前に愚痴ってたやつか。チクったら店潰すぞーとか言われたらしいよ」
「ブロロロロン!(マジもんのクソジジイどもだぜ!)」
そういやあ、ビギニー伯爵の屋敷跡を整備して女を囲う館にしたいとかなんとか言ってたような……
いい年して性欲マシマシのキモジジイだぜえ……
「こんなのに、わたしのご主人様は殺された……?」
「ギュイギュイイン!(絶対にぶっ殺したいぜ!)」




