33 軽量化で新技習得だぜ!
ブロロロロン……ブロロロロロロン!!
「ブロロロロン! ブロロロロロロオオオオン!(うおおおおお! なんだか体が軽くなったぜー!)」
「ぎゅいぎゅい、はやく走れるようになった?」
「ギュイン!(なったぜ!)」
焼け跡周りの草木を刈ったことで伐採ポイントが貯まったので、試しに『軽量化』っていうスキルを習得してみたら、スキル名の通りマジで体が軽くなり、鎖刃を回転させての自走スピードも上がった。
自走すると結構エネルギーを消費するんだけど、そこの消費量も少し減ってる気がする。
なんつーか、馬力はそのままで燃費の良い軽自動車になった感じ?
ブロロロロンッ!! ブィンッブィンッ!
「ぎゅいぎゅい、ピョンピョンして楽しそう」
「ブィンブィンッ!(飛び跳ねたり出来るようになったぜ!)」
軽くなったからなのか、思い切り鎖刃を回転させてから急ブレーキをかけると少しだけジャンプ出来るようになった。
普通に自走するよりもエネルギーを使うけど、なんだか本当に生き物みたいで面白いぜ。
【必殺技『ドロップスラッシュ』を習得しました】
「(ん、ドロップスラッシュ?)」
ピョンピョン飛び跳ねながら街を移動していると、ドロップスラッシュという必殺技を習得したとのお知らせが表示された。
ドロップスラッシュか……ドロップキックのチェーンソー版?
よく分かんないけど、なんか強そうだぜ!
「ぎゅいぎゅい、あんまりはしゃいでるとエネルギー切れになっちゃうよ」
「ブロロロロン!(軽量化したから大丈夫だぜ!)」
【エネルギー残量急減中。30%を下回りました】
「(大丈夫じゃなかったぜ)」
調子に乗ってピョンピョン飛び跳ねながら自走してたら一気にエネルギーを消費してしまい、結局アナベルに抱えられてルヴィたちの家まで移動する。
「ぎゅいぎゅい、なんだか軽くなったね。ごはんちゃんと食べてる?」
「ブィンブィイン(オレはダイエット中の思春期女子じゃないぜ)」
オレを抱え上げたアナベルが今までよりもオレのボディが軽くなったことに気付いたが、なんかエネルギー不足で軽くなってるんじゃないかと勘違いしているっぽい。
ガソリン車とかじゃないから、充電前とフル充電時であんまり重さは変わんないと思うぜ。
「急に走れるようになったり、喋れるようになったり、軽くなったり……もしかして、ぎゅいぎゅいは成長する魔道具なのかな?」
「ブォン、ギュイイン!(その通りだぜ、アナベル!)」
魔道具っつーか、魔工具って感じだけどな。
まあ、この世界にある道具とも違うだろうし、アナベルが戸惑うのも無理はないよな。
「(オレみたいに、この世界に転生してきてるヤツとか他にもいるのかな?)」
オレは色々あってチェーンソーになっちまったけど、普通に人間として生まれ変わってるヤツもいるのかもな。
どっかのお貴族様の令嬢とか、王子様とか……あとは、始まりの村に生まれた勇者とか?
「(この世界、魔王とかいんのかな)」
アナベルを作ったのは魔女だし、魔物もいたし、魔力もある……
そう考えると、人間の国を脅かす魔物の王とかもいそうだな。
「(……まあでも、ビギニー伯爵の屋敷を襲った山賊とか、山賊に指示を出した街議会のクソジジイみたいな魔王以下の人間はいるけどな)」
きっとこの世界は、オレが元居た世界よりも無法地帯なのかもしれない。
その分、チェーンソーを振り回して返り討ちにしてもお咎めなしだ。
街中なら最低限の警備はいるけどひったりくりには普通に遭ったし、街の外に出たら賊や野生の魔物に襲われたりもする。
「(この世界じゃあ、力はあるに越した事はないよな)」
これからも、伐採ポイントを貯めてスキル強化を進めていこう。
そしていずれは、どんなに強い悪党どもにも負けない最強のチェーンソーになってやる。
「ブォン! ギュインギュイイイイン!(よっしゃ! まずはビギニー伯爵を殺した悪党どもをぶっ殺すぜ!)」
「ぎゅいぎゅい、なんか気合入ってるね」




