20 橋を架けるぜ!
「それじゃあいくよ、ぎゅいぎゅい」
「ギュィイイイン!(バッチコイだぜ!)」
森を抜け、北に向かって街道を進んでいたオレとアナベル。
しばらく丘の間の平地を進んで行くと、街道を横切るように流れる川を発見。
川には橋が架けられていたが、途中で崩れて渡ることが出来なくなっていた。
そこでオレは、橋の近くに生えていた大きな木を切り倒して川の上に丸太の一本橋を架けることを思いついた。
ボイス機能を使ってアナベルになんとか説明した後、オレを装備したアナベルが木の伐採を始めたのだった……めでたしめでたし。
「(まあ、まだ切れてないんだけどな!)」
今まで何本か伐採してみたけど、ちょっとした小枝や、ペットボトルくらいの太さのものばかり。
オレたちが今から切り倒そうとしているのは、アナベルが抱き着いても腕が回り切らないくらいの太さの木だ。
「(今のオレにこの木が切れるのか分かんねえけど、全力で頑張るぜ!)」
それに、今まではオレ一人で自走して木を切っていたけど、今回はアナベルの協力もある。
オレはとにかくアナベルを信じ、伐採工具『チェーンソー』として全力を出すだけだ。
ギュインギュイン……ギュイイイイイイイイイン!!
「伐採、開始……っ」
「(いくぜええええええええええっ!!)」
ギュイイイイイイイイン!! ギュリリリリリリリリリリリリ!!
「ぎゅいぎゅい、良い感じ……っ」
「(うおおおおおおおおおっ!! 鎖刃を回すぜええええええええっ!!)」
ギャギャギャギャギャギャギャリイイイイイイっ!! ギュギギギギギギギギギギッ!!
鎖刃を駆動し、全力で回転させると、なんだか短距離を全力疾走しているみたいだ。
口が付いているわけじゃないのに、なんだか息が苦しくなって、心臓がバクバクしてくるような感覚になっちまう。
「もう、ちょっと……!」
オレを操るアナベルも、激しく振動する鎖刃を強く木に押し付け続けなくてはいけないため、かなり苦しそうだ。
それでも、時間をかけて徐々に木が切れていく。
あとは上手いこと、切った木が川に倒れるように角度を調整して……
ギシッ……バキバキバキ……!
「ギュインギュイイイイン!(木が倒れてきたぜ!)」
「あとは、わたしが……!」
「ギュイイイインッ!?(アナベルッ!?)」
切れ目が深くなり、木がゆっくりと傾いていく。
するとアナベルがオレを置き、川が流れる方向に向かって……木の側面に思い切りドロップキックをぶちかました。
たったったった……
「ふんっ!!」
ドカッ!!!! バキィッ!!!!!!
「ブロロロロン!(パンツが丸見えだぜ!)」
バキッ! バキバキバキバキィ……!! ドッシイイイイイイイイイン……!!!!
…………。
「丸太橋、いっちょあがり」
「ギュインギュイイイイン!(ナイスキックだぜアナベル!)」
仕上げのアナベルキックにより、うまいこと木が倒れて川に丸太の一本橋が架かる。
これで向こう岸に渡れるぜ。
【オックスツリー伐採! BP+20】
「(お、やっぱそれなりにデカい木を切ると貰える伐採ポイントも多いな)」
前に切った『コスギブランチ』とかの小枝みたいな細いのは1BPしか入らなかったもんな……
コランダムゴーレムの200BPが多すぎて感覚がバグっちまうけど、木を1本切って20BPはかなり稼げるぞ。
まあ、その分エネルギーももってかれるけどな。
【習得可能スキルに『伐採効率上昇』が追加されました】
「ブォン、ギュイイン!(おお~、やったぜ!)」
伐採効率上昇か……習得したら、木を切るときのエネルギー消費が少なくなったりすんのかな?
「(習得するには……300BPが必要なのか。ちょっと前にボイス機能スキルを習得しちまったせいで90BPしか残ってないから、しばらくは無理だな)」
なんかオレ、伐採ポイントが貯まるたびに後先考えずに使っちゃってんな……
もうちょっと計画的に貯めていかねえと破産しちまうぜ。
「ぎゅいぎゅい、橋を渡って先に進もう」
「ギュイン!(おうよ!)」
こうしてオレたちは、無事に川を渡ることに成功したぜ!




