13 新機能で爆走(?)だぜ!
ブォンブォンブォン……! ブロロロロロロロロン……!! ギャリリリリリリリ……!
「ブロロロロロロロオオオオン!!(ひゃっほ~最高だぜぇ~!!)」
森の中に響くエンジン音。
知らない人が聞いたら『原付でも走ってんのかな?』とか思うかもしれない。
しかし、そこにいるのは……そう! このオレ、チェーンソーのヤイバだぜ!
自律駆動Lv2のスキルを習得したら、チェーンソーなのに自走出来るようになっちまったんだ!
「(まあ、チェーンソーのヤイバっつうか、正確には『ヤイバ a.k.a. ぎゅいぎゅい』って感じだな)」
鎖刃をキャタピラのように回転させながら爆走するオレの後ろを、自律式駆動人形のアナベルがテクテクとついてくる。
「ぎゅいぎゅい、楽しそう。走れるようになって良かったね」
「ブロロロロン、ブロロロロン!(走れるようにというか、早歩きくらいの速度だけどな!)」
今まで自分の足(?)で動くことが出来なかったので、自走出来るようになっただけでかなりスピードが出てる気がしてたけど、最高速度は時速5kmってところだろう。
それでも今は全然嬉しいな。なにせ自由に移動できるんだから。
「(そういえば、ちょっと試してみたいことがあったんだよな)」
今までのオレは、モンスター……この世界で言うところの魔物を討伐して伐採ポイントを稼いできた。
まあ、一部魔物じゃなくて人間も討伐したけど、ああいう非道なヤツらは魔物と一緒だろう。
伐採ポイント手に入ったし。
しかし、チェーンソーの本来の使い道は木材を伐採することだ。
今までのオレは包丁やナタで人を殺すみたいな、本来の使用目的とは違う事をしていたってワケ。
要するに、冷静に考えたら『伐採ポイント』っつうくらいだから普通に木を切ってもポイント入りそうだよなって話しだ。
「(今なら自由に動き回れるし、ちょっとその辺の木でも伐採してみるか)」
とりあえず地面に近い位置にある細めの枝を探し、エンジンをフカして突撃してみることにする。
いや、ぶっといクソデカ大樹でも全然伐採できるけどね?
まずは様子見でね?
「(よっしゃいくぜ! 伐採伐採!)」
ブォンブォンブォン! ブロロロロロロロロ!
「ぎゅいぎゅい、そっちは道じゃないよ」
ブロロロロロロロ! ギャリギャリギャリイイイイイイ!!
「ぎゅいぎゅい、何やってるの……?」
道の脇に生えている細めの木に激突し、そのままギャリギャリと鎖刃を回して突き進もうとするオレを見て若干引き気味のアナベル。
もしかしたら水に濡れて故障したからこんな動きをしているとか思われてるかも。
「ギャリリリリィ! ギャギャギャギャギャギャギャ!!(違うんだアナベルー! チェーンソーってこういうモンなんだー!!)」
そんなことを言っているうちに木が切れてきたぜ!
このまま一気にカタを付けてやるぞ!
ギャリリリリリリリリ!! バキッ!!
【コスギブランチ伐採! BP+1】
「ギュイン! ギュイイイイイイン!(よっしゃー! ポイントゲットだぜええええっ!)」
道端に生えてた細い木の枝を1本切ることに成功し、伐採ポイントを入手する。
ポイントは少ないけど、魔物を倒すだけじゃなくて木を切ってもいけることが分かったのでめちゃめちゃ収穫だ。
「ぎゅいぎゅいが、木を切ってはしゃいでる。趣味?」
「ギュイン、ブォオン!(趣味っつーか、前職だな!)」
あとなんか、木を切った瞬間にめちゃめちゃ快感っつーか、スッキリした気分になったんだよな。
やっぱチェーンソーになってるからかな?
「ブォン、ブロロロロロロロロン!(よっしゃ、この調子で伐採しまくってポイント貯めまくるぜ!)」
「ぎゅいぎゅい、木を切るのが好きなのかな。今度薪割りとかするときにお願いしようかな」
薪割りでもなんでもやってやるぜ!
オレは最強の異世界チェーンソー、ヤイバ a.k.a. ぎゅいぎゅいだからな!




