11 ミッドウルフをぶっコロすぜ!
「グルルルルル……」
アナベルと森の中を移動していた時に突如出現した3匹のミッドウルフ。
オレたちに付着している山賊どもの血の匂いを嗅ぎ取り、捕食するためにグルグルと歩いて襲い掛かるタイミングを見計らっている。
「ギュインギュイン! ブォオオオオオオンッ!(オオカミなんざ怖くねえ! やっちまえアナベル!)」
「ぎゅいぎゅい、エネルギーも満タンになってやる気MAXだね」
「ギュイン!(おうよ!)」
オレを両手で構えて臨戦態勢をとるアナベル。
一緒に山賊どもと戦った時から、アナベルはオレの装備者としてシステムに登録されている。
アナベルに装備されていると、自分一人で駆動している時よりも体が妙に軽く感じ、内面から力が湧き上がってくるような気持ちになってくる。
チェーンソーは誰かに使われてこその工具だし、もしかしたら装備されることで何かしらのバフ効果が出ているのかもしれないな。
「グルルルルル……ガウッ!!」
「……遅い」
隙を見て飛びかかって来るミッドウルフ。
オレのゲーム画面のような視界では一方向しか見ることができないが、今はアナベルがいるので視界から相手が消えても不安に感じない。
鎖刃を思い切り回転させれば、あとは彼女がオレをうまく使ってくれる。
「ギャオオオオオオンッ!!」
「ガルルルルッ!!」
「必殺、回転切りー」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!! ザシュザシュザシュッ!! ブッシャアアアアアアアアアアアアッ!!
「キ゛ャ゛ォ゛オ゛オンッ……!!」
【ミッドウルフ討伐! BP+15】
グヂャヂャヂャヂャヂャヂャドヂュッ!! ズッシャアアアアアアアアアアアア!!
「ギャッイ゛、ンッ」
【ミッドウルフ討伐! BP+15】
3方向から同時に突撃してきたミッドウルフ。
どうやらアナベルは1匹ずつ対応するのではなく、グルグルとオレを振り回しながら全方向チェーンソー攻撃を行なっているらしい。
「ぐるぐるぐるー」
「ギュインギュインギュイイイイイイイイイイイイイインッ!?(目が回るぜえええええええええええええええっ!?)」
ズギャギャギャギャギャギャアアアアアアアアアプッシュウウウウウウウウドババババババババババアアアアッ!!
「キ゛ャ゛ッ……ッ! …………」
ドシャッ!!
【ミッドウルフ討伐! BP+15】
…………。
ギュインギュイン、ギュイン……トットットット……プシュー……
「(よっしゃ、ミッドウルフ撃破だぜ!)」
襲い掛かってきた3匹のミッドウルフはアナベルの全方位回転チェーンソー攻撃でグチョグチョの肉団子と化した。
オレが人間だったら討伐の成果としてコイツらの肉を焼いて食ったりするんだが、残念ながらオオカミ肉じゃ充電できねえんだよな。
アナベルは見た目めっちゃ人間っぽいけど、食事をする機能とかついてたりすんのかな?
「せっかく昨日の血が乾いてきたのに、また汚れちゃった。どこかでちゃんと洗わないと、ずっと血の匂いが漂って魔物が寄ってくる」
「ギュインギュイイイン!(オレは討伐ポイントが稼げるから全然オールウェルカムだぜ!)」
なるほど、こういうモンスターのことをこの世界では『魔物』っていうのか。
魔が差しやすい本能だけで生きてる生き物ってことか?
ってことは、あの山賊たちも魔物だな!
「確か、こっちのほうに泉があったはず。そこで服を洗って、水浴びもする」
「ブォンブォン!(洗濯と風呂は大事だよな!)」
……いやでも、どうなんだ?
オレってチェーンソーなわけじゃん。
普通なら水に弱いよな?
血は洗い流したいけど、直で水洗いはマズいんじゃねーか?
「よし、行こうぎゅいぎゅい……水浴び、水浴び……♪」
「ブォンブォオオオオン! ギュンギュィイイイン!(ちょ、ちょっと待ってくれよアナベル! 水浴びは防水スキルとか習得するまで待ってくれよ~!)」




