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異世界の君、復興物語 ~狩猟技術と農家の知恵でお国復興しちゃいます~  作者: ezodate
第20章 葡萄畑発展譚

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362/368

第362話 葡萄畑発展譚(1)

 葡萄の収穫の時期が来た。

 

 ◆


 この世界に転写されて、おおよそ半年。我ながらだいぶ慣れたようなきがする。順応力なのか何なのか、結構楽しく生活できているから、元の世界の自分も兄さんもういも、元気で楽しく生活していて欲しい、と思う。


 というわけで、葡萄の収穫時期がやってきた。

 またミアカ村の皆さんにも手伝ってもらうことが必要ではあるんだけど、まず第1条件として実際の経験がない自分たちである程度やってみないと人に教えることはできない、という事で兄たちと日程調整して我が家に集合。今回集まったのは私、魔女さん、アオくん、イオくん、兄、魔法使いさん、天くん。因みに今テミスは【無限フリースペース】に居続けるのも酷なので、アトル行のゲートを展開、アトルのハギとフジが管理する拠点との行き来が出来るようにして、自由度を増してあげている。オイスター国のトラブルを考えると、ナット王国とシラタマ国のリスクが高い。というわけで、アトル国に出入りできるようにはしたのだけれど、私たちの居ない間に迷惑行為が起きなきゃいいけど……とも思ってはいる。


 マガキ城からの動きはあれから1か月以上経過しているけれど、何もない。少年王どころか幼年王が擁立されたかの国、後ろ盾を狙っていたあのエロオーラ全開の前王弟と前王妃。後見人になるどころか、消息が途絶えているらしいけれど、安否を考えるとほぼ間違いなく否なんだろうなあ……。

 そもそもの話、あの国のあの結界の中に取り残された人たち、生活出来ているといいけれど。城どころか国、あの厄災を頻発させている場所すべてを網羅しての結界。救国の魔法使いでさえ(後始末が面倒だという意味で)積極介入を行わないでいる。


 ◇


「待たせたな!兄参上!」

「ノリ参上!」

「ぼく参上!」


 その後ぎゃははははは、という笑い声が続く。兄たちが転移で我が家へ帰ってきた。楽しそうで何よりだけど、魔女さんが一番引いている。魔法使いさんと同じ空間に居てもなんとかなっているのは、記憶を戻したおかげ、らしいけれど詳しくは聞いてはいないし踏み込むことでもないかな、と思っている。


「で、葡萄は?」

「ここ1週間が収穫タイミング。白葡萄だけど、白ワインにする?オレンジワインにする?品種的に黒2、白2だけど、今実験栽培みたいなところがあるから、いろいろ試しみてもいいかな、と思うけど」

「今回造るのはナチュールワインになるだろうし、オレンジ造るのもいいかもね?赤ワインにも活かせる工程だし」

「うん。ところで破砕は?」

「風魔法で行けるんじゃない?圧搾も重力魔法でいけるだろうし」

果梗かこうの除去は?」

「イオがそういうの得意そうじゃないか?」

「確かに」

「オレですか?」


 イオくんが話に加わってくれたので、果梗を取り除く作業について伝えるとさらっと魔法式を編んでくれた。有能か。


「本当なら器具とか必要なところ、よく考えなくてもほぼ製造過程は魔法で解決できるうえに、実際必要なのは発酵と熟成のみ、ってことになると思う。そして閃々と閃電が作ってくれた施設をどう活かしていくか……」

「俺たちがある程度工程を確立させたあとであれば、適性魔法が使えるものにすべて移譲してしまえば」

「私たちの手を離れ、村の産業になる!」

「ほんとにな!」


 2人で柏手を打ったところで、話にはいってくるのが面倒なのか、アオくんはういとあそびながら参加表明をしてくれた。

 

「僕は重力魔法での圧搾引き受けますね~!」

「ずいぶん偉そうじゃなあ、アオ」

「そんなことないですよ~!!!師匠は何するんですか?」

「記録」

「……記録?それ、見てるだけとか……」

「記録じゃ、記録。そして分析。醸造、というのか?今まで生きて来てお目にかかってきていない分野じゃからな?勉強する。今後の何かに役立つかもしれんし」

「ところで、風魔法は?」

「得意とまでは言わないけれど、普通には使えるから、問題ないよ」

「僕も使えます」

「オレも同じく」


 と、結局使えないのは私だけ、または私とういだけ、ということが判明。なんだそれ。後からアオくんに聞いたのだけど、「スキルポイントが増えていけば通常スキルを取得することが可能ですよね?風・土・火・水の四元素魔法のスキルの基礎は、なんと!通常スキルのスキルボードにフラグが立つんですね!」とか、言ってきた。

 確かに今の私には、スキルは取っていないからこそポイントはいっぱいある。ただこれは、必要な時のためにやっぱりとっておきたいのであり……。というわけで、相も変わらずポイントを使用せず保留にしたままなのであった。


 ◆


 そして場所は葡萄畑にうつる。

 早速、タツイ・イヌイ両夫婦がお出迎えしてくれた。

 実のところ牛乳倉庫以外にも【無限フリースペース】には、葡萄畑近辺用の別倉庫を割り当ててある。今はまだ空っぽだけど、「時間停止」倉庫として割り当ててあることから、収穫した先から突っ込んでいくことが可能だったりする。しかもゲートを収納袋経由でも開放しているので、摘んだ先から保管していくことが可能といった構造。これについては思いつくの1日、準備を行うのに1日。割とあっという間に出来たのだった。


 細工をしている【無限フリースペース】機能の付与されたサコッシュをみんなに配布、そして収穫に適した見た目の状態についてのレジュメもデータ配布する。


 さあ、やるぞ!と思った矢先、目の前に光の柱。見える大きな人影。これは、さすがに見覚えがありすぎた。


お読みいただきありがとうございます。

現在不定期更新となっていますので、更新予告はX(@ezodate)をご覧ください。

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