Ⅺ
遅くなって申し訳ない
「下でのやり取りでもしやと思いましたが、そこまでとは…。私はユーディト・アイゼンハルト。もう一人の方はレオンハルト。私の弟です。」
男は苦々しく笑う。その笑みにはどこか悲しみが含まれているように見えた。
「何故お前たちは俺が探している男だと思ったんだ?俺は何も覚えていない。赤の他人かもしれないんだぞ?」
そんな男にアルフレッドは当初からの疑問をぶつけた。
「私とレオンが貴方の側近だからですよぉ。長年側にいる相手を見間違えると思いますかぁ?」
元の口調に戻って、そう言った顔は自信に溢れていて。そのためにアルフレッドは否定することができなかった。それだけでなく、彼はその言葉を聞いて何故か嬉しかったのだ。
もしかしたら、自分は本当に彼らの主なのかもしれない。このまま彼らと自分が元いた場所に帰っても良いのではないか。
そう思った瞬間、心に一人の少女がよぎって彼はハッとした。
「納得できたならぁ、私達と国まで帰りましょう?」
その問いかけに対する答えは、アルフレッドの中で決まっていた。今、彼女の傍を離れるわけにはいかない。
「後少しだけでいい。待っていてはくれないか?」
「雇い主のため、ですかぁ?」
アルフレッドの答えにユーディトはそう問い返した。返事は一つしかない。
「そうだ。だから、次のシーズンが始まるまで、いや、後一か月だけで良い。一か月たったら、俺は記憶を取り戻していようがいまいがお前たちと国に戻る。」
「分かりましたぁ。その程度なら待ちます。私たちは先程の宿屋にいますから。」
その言葉に頷き、アルフレッドは彼らと別れた。
しばらく全く投稿できないかと
リアルの事情が終わり次第完結まで一気に進めるつもりです




