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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
昭和の怪獣ってこんなんだよね

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第68話「天の神の情報」

竜の谷への旅の準備が、進められていた、ある日のこと。



「田中くん、実は、話したいことが、あるんや」




藤原が、少し、興奮した様子で、誠を、呼んだ。




「どうしたんですか」




「昨日な、あの、関西弁の、神さんと、いつもの、麻雀、しとってな」




「ああ、あの、暇な神様ですね」




「せや。それでな、なんとなく、龍族のこと、聞いてみたんや」





誠は、思わず、身を、乗り出した。




「聞いてみた、って……何か、分かったんですか」




「うん。神さんが、『ああ、あの子らな』って、あっさり、教えてくれてな」





藤原は、その時の、やり取りを、思い出しながら、語り始めた。




「兄ちゃん(神様は、藤原のことも、そう呼ぶらしい)、龍族のこと、知りたいん? そらもう、北の方に、おるで」




「北の、寒いとこにな、龍族の村が、あんねん。そこで、でっかい龍が、ぎょうさん、住んどるらしいで」




「本当に、実在するんですね……」




誠は、その、情報に、思わず、興奮を、覚えた。




「詳しい場所は、分かるんですか」




「うん、それも、聞いてみたんや」





藤原は、さらに、続けた。




「詳しい、場所か。まあ、教えたる。でも、兄ちゃんら、麻雀、弱すぎるさかい、次、勝ったら、教えたるわ」




「え、条件付き、なんですか」




誠は、思わず、苦笑いした。




「うん……あの神さん、そういうとこ、あるからな」




「それで、麻雀、勝てたんですか」




「まあ……何とか、な」




藤原は、少し、得意げに、続けた。




「おお、勝ったんかい! しゃあないな、教えたるわ」




「北の、山脈、越えたとこにな、"氷の回廊"、いう場所が、あんねん。そこを、真っ直ぐ、抜けたら、龍族の谷に、辿り着けるはずやで」





「氷の回廊、ですか」




誠は、その、情報を、慎重に、書き留めた。




「これ、アルフレート様に、伝えないと」






「田中殿、これは……」




誠から、その、情報を、聞いたアルフレートは、深く、感心した様子だった。




「神々からの、直接の情報とは、これ以上、確かなものは、ないだろう」




「はい。ただ、麻雀の、勝敗が、条件だったのは、少し、意外でしたが」




「相変わらず、変わった、神のようだな」





アルフレートは、王家の古文書を、再び、開き、その、情報と、照らし合わせた。




「うむ……この、古文書に記された、"竜の谷"の、位置とも、ほぼ、一致する」




「では、その、氷の回廊を、目指せば……」




「間違いなく、辿り着けるだろう」





「田中くん」




藤原が、少し、緊張した様子で、誠に、話しかけた。




「本当に、行くんやな」




「はい。藤原さんが、良ければ」




「うん……行くわ。田中くんが、一緒なら、心強いしな」





「もちろん、僕も、行きます」




誠は、当然のように、そう、答えた。




「田中殿、正直、驚きだ。危険が、伴うかもしれん旅なのに」




「藤原さんの、これからに、関わることですから。それに……」




誠は、少し、笑って、続けた。




「単純に、興味深いですし。龍族の村、なんて、見てみたいじゃないですか」





アルフレートは、その言葉に、思わず、笑った。




「田中の、その、探究心は、相変わらずだな」






「宮田も、一緒に、来てくれるか」




誠が、そう、尋ねると、宮田は、迷わず、頷いた。




「もちろん。龍族という、未知の種族。学術的にも、非常に、興味深い」





こうして、竜の谷への、旅のメンバーが、正式に、決まった。




アルフレート、誠、宮田、そして、藤原。




「竜崎にも、声を、かけておこう。護衛が、必要になるかもしれん」




アルフレートが、そう、付け加えた。





「田中、聞いたぞ。北の、龍族の村に、行くんだって?」




竜崎が、興味津々な様子で、駆けつけてきた。




「俺も、同行させてくれ。あの、寒冷地での、行軍経験、うちの団には、必要だ」




「頼りにしてる」






その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「藤原さんが、天界の神様から、龍族の場所について、聞き出してくれた。北の、氷の回廊の先に、龍族の谷が、あるらしい。麻雀の勝敗が、条件だったとは、あの神様らしい。いよいよ、藤原さんの、新しい可能性を、探る旅が、始まる。じいちゃん、今度は、どんな、出会いが、待っているんだろう」




窓の外、二つの月が、これから、始まる、北への旅を、静かに、照らしていた。




まだこの時の誠は知らない。この、竜の谷への旅が、藤原にとって——そして、この世界の、龍という存在の、本当の意味を、知ることになる、重要な、転機になることを。

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