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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
異世界との窓

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閑話「怪獣ガオゴンのGランク冒険者生活」

## 第一話 初めての薬草採取


「ガオゴンさん、依頼を受けますか?」


冒険者ギルドの受付嬢が尋ねた。


受付の前に立っているのは、全長数メートルの巨大怪獣。


赤茶色の身体。


大きな牙。


太い尻尾。


そして、つぶらな瞳。


怪獣――ガオゴン。


現在、Gランク冒険者である。


「ガオ!」


「薬草採取ですね?」


「ガオ!」


「はい。では、こちらが依頼書です」


ガオゴンは両手で依頼書を受け取った。


紙が小さい。


ガオゴンの手が大きい。


文字が見えない。


ガオゴンは顔を近づけた。


ずいっ。


受付嬢の顔のすぐ前まで巨大な目が迫る。


「……薬草を十本ですね」


「ガオ!」


「採取場所は街の東にある草原です」


「ガオ!」


「くれぐれも、普通の草を全部むしらないでくださいね」


「……ガオ」


ガオゴンは真剣な顔でうなずいた。


---


## 東の草原


ガオゴンは草原へやってきた。


「ガオ……」


薬草を探す。


しかし。


草。


草。


草。


全部、草。


「ガオ……」


ガオゴンは困った。


依頼書を見る。


「薬草十本」


周囲を見る。


「草、いっぱい」


ガオゴンは考えた。


そして――


草原の草を全部抜こうとした。


「ガオオオオオ!」


両手を地面に突っ込む。


ズボッ!


大量の草が抜ける。


ガオゴンの腕いっぱいに草。


「ガオ!」


満足そうな顔。


そのとき。


近くの小さな妖精が叫んだ。


「待って待って待って!」


「ガオ?」


「それ全部ただの草!」


ガオゴン、停止。


「ガオ……」


妖精が薬草を指差す。


「これ!」


「ガオ?」


「葉っぱの先が三つに分かれてるでしょ?」


「ガオ!」


「これが薬草!」


ガオゴンは薬草を見る。


普通の草を見る。


もう一度薬草を見る。


そして――


「ガオ!」


覚えた。


---


## 一時間後


「ガオ!」


十本。


きれいに採取された薬草。


一本ずつ丁寧に並べられている。


しかも根を傷つけないように採取されている。


妖精が驚く。


「……すごい。」


ガオゴンは胸を張った。


「ガオ!」


「怪獣なのに、採取がすごく丁寧……」


ガオゴンは尻尾を振った。


ブンッ!


ドゴォ!


近くの木が一本倒れた。


「…………」


「ガオ?」


妖精。


「そこは気をつけようね。」


「ガオ……」


---


## ギルドへ帰還


ギルドの扉が開く。


ガオゴンが入ってくる。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


冒険者たちが振り返る。


「怪獣だ……」


「ガオゴンだ。」


「Gランクの……。」


ガオゴンは受付へ向かう。


そして、採取した薬草をカウンターに置く。


ドサッ。


受付嬢が確認する。


「一、二、三……」


「十本!」


ガオゴン。


「ガオ!」


受付嬢が笑う。


「依頼達成です!」


ガオゴンの目が輝いた。


「ガオ!」


「報酬はこちらです」


チャリン。


小さな袋。


ガオゴンは両手で受け取った。


そして大事そうに胸元へしまう。


「ガオ……」


その顔は、とても嬉しそうだった。


---


## そしてもう一つ


受付嬢。


「それから、ガオゴンさん。」


「ガオ?」


「Gランク冒険者にはポイントカードがあります」


「ガオ?」


受付嬢がカードを取り出す。


小さなカード。


名前。


**ガオゴン**


ランク。


**G**


そして――


**冒険者ポイント 1**


「依頼を達成すると、ポイントが貯まります」


ガオゴンはカードを見る。


「ガオ……」


受付嬢。


「一定のポイントが貯まると、ランクアップできますよ」


「……ガオ!」


ガオゴンの目が輝く。


「ガオ! ガオ! ガオ!」


受付嬢も笑う。


「頑張ってくださいね」


ガオゴンはカードを大切そうに両手で持った。


---


その日の夜。


ガオゴンは宿の部屋でカードを眺めていた。


**ガオゴン**


**Gランク**


**1ポイント**


「ガオ……」


たった一ポイント。


でも。


今日、初めて自分で稼いだポイントだった。


ガオゴンはカードを枕元に置く。


そして満足そうに眠った。


「ガオ……」


翌朝。


カードには――


小さな歯形がついていた。


「ガオ?」


どうやら寝ぼけて食べようとしたらしい。


---


翌日。


ガオゴンは再びギルドへ向かった。


受付嬢が尋ねる。


「今日はどんな依頼にしますか?」


ガオゴンは依頼掲示板を見る。


そして、一枚の依頼書を指差した。


**『キノコ採取・五本』**


ガオゴン。


「ガオ!」


こうして――


Gランク怪獣ガオゴンの、


地道な冒険者生活が始まった。



-----


# 怪獣ガオゴンの冒険者生活


## 第二話 収集イベント第二弾! 怪獣の鱗を三枚集めよ!


冒険者ギルド。


今日もガオゴンは依頼掲示板の前に立っていた。


Gランク冒険者。


薬草採取を成功させ、ポイントを一つ獲得した。


現在のポイント。


**1ポイント。**


ガオゴンはカードを眺める。


「ガオ……」


そして、掲示板を見る。


薬草採取。


キノコ採取。


木の実採取。


薬草採取。


また薬草。


「ガオ……」


そこへ受付嬢が声をかける。


「ガオゴンさん!」


「ガオ?」


「新しい依頼がありますよ!」


受付嬢が依頼書を取り出す。


ドン!


**【収集イベント第二弾】**


**怪獣の鱗を三枚集めよ!**


報酬。


**冒険者ポイント+3**


ガオゴンの目が輝いた。


「ガオ!」


三ポイント。


現在一ポイント。


成功すれば四ポイント。


一気にランクアップへ近づく。


「ガオ! ガオ!」


受付嬢も嬉しそうに笑う。


「頑張ってください!」


---


## しかし問題があった


ガオゴンは依頼書を読む。


依頼対象。


**怪獣の鱗。**


採取場所。


**街の外。**


採取方法。


**自然に脱落したものを拾うこと。**


ガオゴンは考える。


「ガオ……」


自分の身体を見る。


巨大な鱗。


びっしり。


ガオゴンは自分の背中を触る。


ガリガリ。


鱗は取れない。


「ガオ……」


無理やり引っ張る。


「ガオオオオオ!」


ズルッ!


「ガオッ!?」


痛い。


受付嬢が慌てて止める。


「ダメです!」


「ガオ?」


「自分で剥がさないでください!」


「ガオ……」


「自然に落ちた鱗じゃないと依頼達成になりません!」


「…………」


ガオゴンは絶望した。


---


## 鱗を探す旅


ガオゴンは街の外へ出た。


地面を見る。


鱗。


ない。


草むら。


ない。


木の根元。


ない。


岩の裏。


ない。


「ガオ……」


一時間経過。


ない。


二時間経過。


ない。


三時間経過。


ない。


ガオゴンは疲れ果てた。


そこへ小さなスライムがやってくる。


「プルプル。」


「ガオ?」


スライムはガオゴンの背中を見る。


そして指差す。


「プル。」


ガオゴンが振り返る。


何もない。


「ガオ?」


スライムがもう一度指差す。


「プルプル!」


ガオゴン。


「ガオ!」


---


## 発見!


地面に一枚。


巨大な鱗。


「ガオオオオオ!」


ガオゴン、大喜び。


拾う。


一枚目。


**怪獣の鱗×1**


ポイントカードを取り出す。


「ガオ……」


しかし。


ポイントは増えない。


受付で登録するまで、ポイントにはならない。


ガオゴンは鱗を大事に抱えた。


---


## 二枚目


さらに探す。


見つからない。


ガオゴンは考えた。


「ガオ……」


そして、身体を左右に振る。


ブルブルブルブル!


鱗が一枚落ちる。


「ガオ!」


二枚目。


ガオゴン、喜ぶ。


さらに振る。


ブルブルブルブル!


三枚目。


「ガオ!」


四枚目。


「ガオ!」


五枚目。


「ガオ!」


十枚目。


「ガオ!」


二十枚目。


「ガオ!」


周囲が鱗だらけになる。


通りかかった冒険者。


「……。」


「何してるんだ?」


別の冒険者。


「脱皮じゃない?」


---


## そしてガオゴンは


自分の周囲に落ちた鱗を全部拾い始めた。


一枚。


二枚。


三枚。


十枚。


五十枚。


百枚。


気がつけば、


**怪獣の鱗の山**


ができていた。


ガオゴン。


「ガオ……」


満足。


---


## ギルドへ帰還


ドゴォォォン!


ギルドの扉が開く。


ガオゴンが入ってくる。


その後ろ。


巨大な鱗の山。


冒険者たち。


「……。」


「何だあれ?」


受付嬢。


「ガオゴンさん?」


「ガオ!」


鱗をカウンターへ。


ドサァァァァッ!


受付カウンターが埋まる。


受付嬢。


「……多すぎます。」


ガオゴン。


「ガオ?」


「依頼は三枚です。」


「ガオ。」


「三枚だけです。」


ガオゴンは鱗の山を見る。


そして、


一枚だけ取り出す。


「ガオ。」


二枚目。


「ガオ。」


三枚目。


「ガオ!」


受付嬢。


「はい、依頼達成です!」


---


## ポイント登録


受付嬢がポイントカードを取り出す。


**ガオゴン**


**Gランク**


**1ポイント**


受付嬢がカードに魔法をかざす。


ピッ。


**4ポイント。**


「三ポイント加算です!」


ガオゴン。


「ガオ……!」


カードを両手で持つ。


嬉しそうに眺める。


「ガオ!」


冒険者たちから拍手が起こる。


パチパチパチ。


ガオゴンは胸を張る。


---


そのとき。


受付嬢が気づいた。


「ガオゴンさん。」


「ガオ?」


「この鱗……。」


「ガオ?」


「全部、売れますよ。」


「…………」


ガオゴンの目が輝く。


「ガオオオオオオオ!」


---


## 翌日


冒険者ギルド。


掲示板。


新しい依頼が貼られていた。


**【収集イベント第三弾】**


**怪獣の牙を一本集めよ。**


ガオゴン。


掲示板を見る。


口を開ける。


牙を見る。


そして――


受付嬢を見る。


受付嬢。


「……自然に抜けたもの限定です。」


ガオゴン。


「ガオ……。」


今日も頑張れ、ガオゴン。


**Gランク冒険者への道は、まだまだ遠い。**



------


# 怪獣ガオゴンの冒険者生活


## 第三話 初めての討伐依頼! 近隣のコボルドを討伐せよ!


冒険者ギルド。


今日もガオゴンは、依頼掲示板の前に立っていた。


薬草採取。


達成。


怪獣の鱗採取。


達成。


ポイントは、


**4ポイント。**


Gランク冒険者として、順調なスタートを切っている。


「ガオ……」


ガオゴンは掲示板を眺める。


そして――


一枚の依頼書に目を止めた。


---


### 【討伐依頼】


**近隣に出没するコボルドを討伐せよ。**


報酬。


**冒険者ポイント+5**


---


「ガオ……。」


薬草。


1ポイント。


鱗。


3ポイント。


コボルド。


5ポイント。


ガオゴンの目が輝いた。


「ガオ!」


---


## 受付嬢の説明


「ガオゴンさん、これは討伐依頼です。」


「ガオ!」


「コボルドは危険な魔物です。」


「ガオ!」


「絶対に無理をしないでください。」


「ガオ!」


「武器は持っていますか?」


ガオゴンは腰を見る。


何もない。


「……ガオ。」


「武器は?」


「ガオ。」


「ないんですね。」


「ガオ。」


受付嬢は考える。


そして、


「……まあ、ガオゴンさんなら。」


---


## コボルドの巣


街から少し離れた森。


ガオゴンが歩く。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


森の中。


コボルドたちが話していた。


「最近、人間が来ないな。」


「冒険者も来ない。」


「平和だな。」


そこへ。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


木々の向こうから巨大な影。


コボルドA。


「……。」


コボルドB。


「……。」


コボルドC。


「……何だ?」


ガオゴンが顔を出す。


「ガオ。」


三匹。


「怪獣だあああああ!」


逃げ出す。


---


## ガオゴン、追う


「ガオ!」


ドドドドドド!


コボルド。


「速い!」


「追ってくる!」


「逃げろ!」


ガオゴン。


「ガオ!」


---


森の中を走るコボルド。


その後ろを追う怪獣。


ドドドドド!


木が倒れる。


岩が飛ぶ。


鳥が逃げる。


そして――


コボルドたちは洞窟へ逃げ込んだ。


「助かった!」


「ここなら入れない!」


ガオゴン。


洞窟を見る。


入口。


自分の頭より小さい。


「ガオ……。」


入れない。


コボルドたち。


「勝った!」


ガオゴン。


「ガオ……。」


少し考える。


そして――


洞窟の入口の横の岩を持ち上げる。


コボルド。


「え?」


ガオゴン。


岩をどかす。


さらに岩をどかす。


さらに。


さらに。


洞窟の壁ごと、


**ズゴゴゴゴゴゴ!**


崩れる。


コボルド。


「そこから来るのかよ!」


---


## 初めての戦闘


コボルドたちが武器を構える。


剣。


槍。


弓。


ガオゴンは構える。


拳。


コボルドA。


「いくぞ!」


ガオゴン。


「ガオ!」


ドン!


尻尾。


ブンッ!


コボルド全員。


「うわああああ!」


吹っ飛ぶ。


木にぶつかる。


全員気絶。


---


ガオゴン。


「……ガオ?」


静かになる。


討伐完了。


---


## しかし


ガオゴンは倒れたコボルドを見る。


そして首をかしげる。


「ガオ……。」


死んでいない。


全員気絶しているだけ。


ガオゴンは困った。


討伐とは、


殺すことなのか?


それとも、


倒せばいいのか?


ガオゴンには分からない。


---


## そこへ冒険者


後から来た冒険者が叫ぶ。


「ガオゴン!」


「ガオ?」


「殺すな!」


「ガオ。」


「こいつら、最近この辺に出ていたコボルドだ。」


ガオゴンはコボルドを見る。


すると。


一匹のコボルドが目を覚ます。


「……。」


ガオゴンを見る。


「……怪獣。」


ガオゴン。


「ガオ。」


コボルド。


「……怖くないのか?」


ガオゴン。


「ガオ?」


コボルド。


「俺たちも、街を襲うつもりはなかった。」


「食べ物を探していただけだ。」


ガオゴンはしばらく考える。


そして――


自分の持っていた干し肉を差し出した。


「ガオ。」


コボルド。


「……。」


「食べろって?」


「ガオ。」


コボルドは恐る恐る受け取る。


「……ありがとう。」


---


## ギルドへ


ガオゴンはコボルドたちを引き渡した。


受付嬢。


「討伐対象の確認。」


コボルド三匹。


「討伐達成……でいいでしょう。」


「ガオ!」


受付嬢。


「ただし、殺してはいませんね。」


「ガオ。」


「まあ……。」


受付嬢は微笑む。


「ガオゴンさんらしいですね。」


そしてポイントカードを取り出す。


**ガオゴン**


**Gランク**


**4ポイント**


ピッ。


**9ポイント。**


「五ポイント加算です!」


ガオゴン。


「ガオオオオオ!」


---


## そして翌朝


冒険者ギルド。


掲示板に新しい依頼が貼られていた。


### 【討伐依頼】


**近隣のコボルドを――**


その下に新しい紙が貼られる。


**【追加事項】**


> 「なお、コボルドを見つけても、まず話し合ってください。」


受付嬢がガオゴンを見る。


ガオゴンも受付嬢を見る。


「ガオ?」


受付嬢。


「あなたが倒したコボルドたち、今では街の清掃員になりました。」


「ガオ!」


---


こうしてガオゴンは、


**初めての討伐依頼を達成した。**


しかし本人はまだ知らない。


冒険者ギルドでは、


「怪獣なのに魔物を殺さないGランク冒険者」


として、


少しずつ有名になり始めていることを。


頑張れ、ガオゴン。


次の依頼は――


**「迷子の子犬を探せ!」**


だった。


-------


この回は、**「ガオゴンが自分でできないと判断→即座に人材を集める→募集文が意味不明→なぜか超一流パーティーが完成する」**という流れがかなり面白いです。


# 怪獣ガオゴンの冒険者生活


## 第四話 迷子の子犬を探せ! 最強パーティー結成!


冒険者ギルド。


今日もガオゴンは依頼掲示板の前に立っていた。


薬草採取。


達成。


怪獣の鱗採取。


達成。


コボルド討伐。


達成。


現在のポイント。


**9ポイント。**


Gランク冒険者としては、なかなか順調である。


そして今日。


ガオゴンが見つけた依頼は――


### 【依頼】


**迷子の子犬を探せ!**


報酬。


**冒険者ポイント+2**


ガオゴン。


「ガオ!」


依頼書を手に取る。


やる気満々である。


受付嬢。


「では、お願いしますね。」


「ガオ!」


ガオゴンはギルドを出た。


---


## しかし五分後


街の路地。


ガオゴン。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


犬小屋。


ガオゴン。


「ガオ?」


小さな犬小屋を覗く。


入らない。


もちろん入らない。


ガオゴンの頭だけで犬小屋より大きい。


路地も狭い。


子犬が通れる隙間。


ガオゴンには通れない。


「ガオ……。」


さらに問題があった。


子犬を探すために、


「ワンワン」


と鳴いてみる。


「ガオワン!」


近所の犬が全員吠え始める。


「ワン!」


「ワンワン!」


「ワンワンワン!」


ガオゴン。


「ガオ……。」


どれが迷子の子犬なのか、


**完全に分からなくなった。**


---


## ガオゴン、諦める


ガオゴンは依頼書を見る。


そして自分を見る。


もう一度、依頼書を見る。


「迷子の子犬を探せ。」


ガオゴン。


「……ガオ。」


依頼書を丸める。


捨てる。


……と思ったら、


きちんとゴミ箱へ入れる。


そして、


「ガオ!」


何かを思いついた。


---


## パーティーを作ろう!


ガオゴンはギルドへ戻った。


受付嬢。


「どうしました?」


ガオゴンは紙を一枚もらう。


そしてペンを持つ。


ガオゴンが知っている言葉。


これまでギルドで覚えた言葉。


一生懸命書く。


---


### 【パーティーメンバー募集】


**勇者**


**賢者**


**武道家**


**聖女**


**魔術師**


**ガオゴン**


**子犬**


---


受付嬢。


「最後の『子犬』は?」


ガオゴン。


「ガオ!」


「探す側じゃなくて、探される側ですよね?」


「ガオ!」


「……まあ、いいでしょう。」


---


ガオゴンはさらに書く。


知っている言葉を全部使う。


---


### 【募集】


**冒険者**


**強い**


**勇者**


**賢者**


**武道家**


**聖女**


**魔術師**


**冒険者ギルド**


**ポイント**


**薬草**


**鱗**


**コボルド**


**子犬**


**ガオゴン**


**よろしく**


**お願いします**


**ガオ!**


---


受付嬢。


「……何の募集なのか、分かります?」


ガオゴン。


「ガオ!」


「分かってるんですか?」


「ガオ!」


---


## 翌日


掲示板。


ガオゴンの募集文。


その前に、


冒険者が集まっていた。


一人。


二人。


十人。


百人。


受付嬢。


「……何で?」


---


## 勇者


金髪の青年。


Sランク。


「勇者です。」


「ガオ!」


「この募集を見て来ました。」


---


## 賢者


Sランク。


眼鏡。


「賢者です。」


「この募集文には非常に興味深い魔力反応があります。」


受付嬢。


「募集文に魔力?」


「ありません。」


---


## 武道家


Sランク。


「武道家だ!」


「ガオ!」


「鍛錬なら任せろ!」


---


## 聖女


Aランク。


「聖女です。」


「ガオ!」


「子犬ちゃん、心配ですね。」


---


## 魔術師


Sランク。


「魔術師です。」


「ガオ!」


「探索魔法なら任せてください。」


---


受付嬢。


「……。」


五人。


全員超一流。


Sランク四人。


Aランク一人。


完璧なパーティー。


---


## ガオゴン、満足


ガオゴン。


「ガオ!」


勇者。


「よろしく、ガオゴン!」


賢者。


「よろしくお願いします。」


武道家。


「燃えてきた!」


聖女。


「子犬ちゃんを必ず見つけましょう。」


魔術師。


「探索魔法を使います。」


ガオゴン。


「ガオ!」


こうして――


Gランク冒険者ガオゴンのパーティーが結成された。


---


## パーティー名


勇者。


「ところで、パーティー名は?」


全員がガオゴンを見る。


ガオゴン。


「ガオ?」


賢者。


「ガオゴンを入れましょう。」


武道家。


「最強怪獣軍団!」


聖女。


「かわいそうな子犬を救う会。」


魔術師。


「長いです。」


勇者。


「では……。」


ガオゴンが紙に書く。


**『ガオゴン』**


勇者。


「……。」


賢者。


「……。」


武道家。


「……。」


聖女。


「……。」


魔術師。


「分かりやすいですね。」


こうしてパーティー名は、


**ガオゴン**


に決まった。


---


# いざ、捜索開始!


賢者が地図を広げる。


「まず、子犬が最後に目撃された場所を確認します。」


勇者。


「東地区。」


魔術師。


「足跡を探します。」


武道家。


「匂いなら俺が――」


聖女。


「犬さんなら私が聞いてみます。」


ガオゴン。


「ガオ!」


全員。


「よし!」


---


## 一時間後


魔術師。


「見つかりません。」


賢者。


「痕跡なし。」


勇者。


「聞き込みでも情報なし。」


武道家。


「犬に聞いたけど、犬語が分からなかった。」


聖女。


「猫さんにも聞きました。」


「知らないそうです。」


ガオゴン。


「ガオ……。」


全員、疲れている。


---


## そのとき


ガオゴンが突然、


鼻を動かす。


スンスン。


「ガオ?」


勇者。


「どうした?」


スンスン。


スンスン。


ガオゴンが歩き出す。


ズシン。


ズシン。


全員ついていく。


---


## 路地裏


ガオゴンが立ち止まる。


「ガオ。」


勇者。


「何かあるのか?」


ガオゴンが指差す。


そこには――


小さな足跡。


賢者が驚く。


「これは……犬の足跡!」


魔術師。


「新しいです!」


聖女。


「子犬ちゃん!」


武道家。


「よし、追うぞ!」


---


全員が走り出す。


勇者。


「右だ!」


賢者。


「違う、左!」


魔術師。


「魔力反応なし!」


武道家。


「こっちだ!」


聖女。


「待ってください!」


そして――


ガオゴン。


「ガオ!」


全員。


「え?」


ガオゴンが、


**一番最初に子犬を発見していた。**


---


## そこにいたのは


小さな段ボール箱。


その中。


ブルブル震える、


小さな子犬。


「クゥン……。」


聖女。


「いました!」


勇者。


「よし!」


賢者。


「完璧な捜索でした。」


武道家。


「俺たちの連携が――」


魔術師。


「いや。」


全員がガオゴンを見る。


ガオゴン。


「ガオ?」


---


## ガオゴンの勝因


実は――


ガオゴンは、


**子犬の匂いを覚えていた。**


前回の依頼で、


街中の犬を全部驚かせてしまったとき。


その中に、


依頼対象の子犬の匂いが混じっていた。


つまり。


勇者。


「最初からガオゴン一人で見つけられたんじゃ……?」


賢者。


「その可能性が高いですね。」


武道家。


「俺たち何しに来たんだ?」


聖女。


「パーティー結成のお祝いです。」


魔術師。


「それなら良かったです。」


ガオゴン。


「ガオ!」


---


## ギルドへ帰還


受付嬢。


「子犬は?」


聖女が抱えている。


「無事に見つかりました!」


受付嬢。


「おお!」


依頼達成。


**冒険者ポイント+2。**


ガオゴンのポイントカード。


**9ポイント → 11ポイント。**


ガオゴン。


「ガオオオオ!」


ついに二桁。


受付嬢。


「おめでとうございます!」


Sランク勇者。


「ところで……。」


「俺たち、全員かなり高ランクなんだけど。」


受付嬢。


「はい。」


「Gランクのガオゴンさんのパーティーですよね?」


「はい。」


「……。」


「……。」


五人。


ガオゴンを見る。


ガオゴン。


「ガオ?」


---


その日からギルドでは、


**「Gランク怪獣ガオゴンのパーティーには、なぜかSランク冒険者が大量にいる」**


という奇妙な噂が広まった。


そしてガオゴンは、


次の依頼を探す。


掲示板を見る。


一枚の依頼書。


### 【依頼】


**「畑の大根を収穫してください」**


ガオゴン。


「ガオ!」


勇者。


「……今度は俺たち、何をするんだ?」


賢者。


「大根を抜くのでしょう。」


武道家。


「任せろ!」


聖女。


「楽しそうですね。」


魔術師。


「……Sランク五人で?」


ガオゴン。


「ガオ!」


こうして、


**史上最強の大根収穫パーティー**


が誕生した。


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