閑話「回収率、百パーセント」
聖女ルナの——資金運用所は。
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——第七層で——大変な——評判、だった。
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*——【聖女——資金——運用所】*
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*——十日で——一割*
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*——審査——甘め*
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*——即日——融資*
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*——回収率——百パーセント*
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「——最後が——不穏です」
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——誠が——札を——見上げた。
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「——実績ですわ」
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——ルナが——にっこりと——笑った。
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「——一件も——焦げ付いて——おりませんの」
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「——四百年——ですか」
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「——始めたのは——三年——前ですわ」
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「——それでも——すごいです」
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## 評判
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——利用者の——評判は——良かった。
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「——聖女様は——優しい」
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「——三日で——貸して——くれた」
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「——事情も——聞かれん」
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「——皆さん——褒めてますね」
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——誠が——感心した。
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「——当然ですわ」
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「——返済も——順調——ですか」
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「——皆様——きちんと——お返しに——なりますの」
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——ルナは——澄まして——言った。
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「——特に——二度目の——方が」
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「——二度目?」
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「——ええ」
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「——一度——借りた——方が——また——借りるんですね」
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「——そうですわ」
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「——信頼されてますね」
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「——ええ」
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——ルナは——微笑んだ。
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「——二度目の——方は——期日を——一日も——遅れませんの」
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「——律儀ですね」
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「——律儀ですわ」
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## 提携先
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——奥に——札が——貼ってあった。
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*——【回収——業務——委託先】*
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*——「専門——五名」*
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「——外注——してるんですか」
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「——ええ」
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「——どんな——方々ですか」
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「——全身——黒い——衣ですわ」
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——ルナは——けろり、と——言った。
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「——顔も——隠して——おられますの」
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「——怪しいです——!!」
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「——真面目な——方々ですわ」
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——ルナは——首を——振った。
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「——遅刻を——なさいませんの」
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「——報告書も——きちんと——出されますわ」
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「——それは——立派ですね」
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「——でしょう?」
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## 報告書
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——ちなみに——報告書は——妙に——丁寧、だった。
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*——【本日の——回収——報告】*
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*——対象:一名*
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*——所要:半刻*
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*——結果:完済*
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*——備考:先方に——謝罪あり。当方も——謝罪*
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「——お互いに——謝ってますね」
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——誠が——読み上げた。
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「——礼儀正しい——方々ですの」
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「——次の——頁は」
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*——対象:一名*
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*——所要:三日*
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*——結果:完済*
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*——備考:途中——四回——蘇生*
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「…………」
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「——ルナさん」
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「——なあに」
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「——蘇生、って——書いてあります」
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「——ええ」
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「——四回、です」
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「——大変でしたわ」
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——ルナは——ため息を——ついた。
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「——三日で——四回ですもの」
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「——そこ——ですか——!!」
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## 現場
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——誠は——確かめに——行った。
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——路地の——奥。
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「——お邪魔します」
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「——どうぞ——!!」
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——黒ずくめが——五人。
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——きちんと——並んで——礼を——した。
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「——礼儀正しいですね」
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「——当然だ——!!」
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——だが——その——足元では。
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「——うぐ……」
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——男が——一人——倒れていた。
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「——何を——されてるんですか——!!」
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「——回収だ——!!」
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「——回収に——見えません——!!」
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「——契約書に——書いて——ある——!!」
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——一人が——紙を——広げた。
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*——第七条*
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*——回収は——完済——または——死亡まで——行う*
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*——第八条*
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*——死亡の——場合は——蘇生の——うえ——第七条に——戻る*
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「——無限じゃ——ないですか——!!」
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「——第九条を——見よ——!!」
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*——第九条*
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*——完済の——場合は——完全回復を——施す*
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*——傷は——一切——残らぬ*
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「——優しいであろう——!!」
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——黒ずくめが——胸を——張った。
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「——優しくは——ないです——!!」
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「——傷が——残らぬのだぞ——!!」
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「——記憶は——残ります——!!」
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「…………」
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——五人が。
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——顔を——見合わせた。
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「——そこが——肝だ——!!」
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「——肝——!?」
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「——記憶が——残るゆえ——二度目は——きちんと——返す——!!」
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——一人が——真面目な——顔で——言った。
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「——ゆえに——回収率が——百なのだ——!!」
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「——それ——恐怖じゃ——ないですか——!!」
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「——信頼だ——!!」
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「——違います——!!」
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## 借り手
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——だが。
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——倒れていた——男が——起き上がった。
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「——いや——待って——くれ」
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「——大丈夫ですか——!!」
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「——わしが——悪いのだ」
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——男は——ぼそり、と——言った。
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「——三月——踏み倒した」
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「——ですが——これは——!!」
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「——それに——な」
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——男は——五人を——見た。
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「——この、方々」
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「——毎回——飯を——食わせて——くださる」
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「…………は?」
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「——腹が——減っては——痛みに——耐えられぬ、と」
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「——意味が——分かりません——!!」
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「——当然の——配慮だ——!!」
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——黄色の——気配の——する——一人が——鍋を——出した。
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「——なぜ——鍋を——持ってるんですか——!!」
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「——回収は——長引くゆえ——!!」
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「——だから——鍋を——!!」
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——ちなみに。
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——その——鍋は——紫に——光っていた。
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「——それ——食べられるんですか」
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「——三日——眠れぬ——!!」
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「——拷問です——!!」
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「——うまいがな——!!」
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「——うまいです」
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——男が——頷いた。
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「——認めないで——ください——!!」
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## 追加
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——さらに。
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——桃色の——気配の——する——一人が——前に——出た。
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「——お身体を——拝見します」
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「——あ、どうも」
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——彼女は——男の——脈を——取った。
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「——血の——巡りが——悪うございます」
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「——そうですか」
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「——野菜を——召し上がって——おられますか」
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「——あまり」
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「——いけません」
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——彼女は——真剣な——顔を——した。
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「——次回までに——改善を」
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「——はい」
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「——次回が——ある——前提ですか——!!」
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## 抗議
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「——ルナさん——!!」
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——誠が——教会に——駆け込んだ。
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「——あら」
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「——あれは——駄目です——!!」
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「——皆様——満足して——おられますわ」
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「——満足——してません——!!」
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「——では——これを」
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——ルナが——束を——差し出した。
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「——なんですか」
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「——お客様の——声ですわ」
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*——「二度と——借りぬと——誓った。おかげで——貯金が——できた」*
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*——「回収の——方々が——親切だった。飯まで——くださった」*
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*——「健康の——助言まで——いただいた。血の——巡りが——よくなった」*
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*——「星五つ」*
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「——評価が——高い——!!」
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「——でしょう?」
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「——でも——おかしいです——!!」
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「——どこがですの」
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「——四回——死んでますよね——!!」
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「——戻して——おります」
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「——それを——死ぬ、って——言うんです——!!」
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「——では——何と——申しますの」
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「——死ぬ、です——!!」
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## 妥協
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——半刻の——押し問答の——末。
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「——分かりましたわ」
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——ルナが——折れた。
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「——やめて——くださいますか——!!」
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「——一度に——します」
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「——回数の——問題じゃ——ないです——!!」
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「——では——どうしろと——!!」
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「——働いて——もらいましょう」
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——誠が——言った。
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「——弓の——現場が——人手不足です」
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「——日当を——ルナさんに——回します」
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「——遅うございますわ」
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「——遅いです」
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——誠は——認めた。
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「——でも——死にません」
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「…………」
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——ルナは。
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——ため息を——ついた。
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「——仕方——ありませんわね」
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## 五人
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——だが——問題が——残った。
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「——我らの——仕事が——なくなる——!!」
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——五人が——うろたえた。
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「——他に——お仕事は」
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「——ない——!!」
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「——なぜ——ですか」
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「——我らは——五人——揃って——おらねば——ならぬ——!!」
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「——なぜ——ですか——!!」
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「——決まりだ——!!」
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「…………」
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——誠は。
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——しばらく——考えて。
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——そして——言った。
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「——では——里回りを——お願いできませんか」
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「——里回り——!?」
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「——五人——揃って——行って——ください」
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「——何を——する——!!」
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「——名前を——聞いて——きて——ください」
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「…………」
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——五人が。
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——顔を——見合わせた。
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「——それだけか——!!」
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「——それだけです」
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「——殴らぬのか——!!」
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「——絶対に——殴らないで——ください」
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「——ぬう」
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——一人が——うめいた。
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「——だが——飯は——出して——よいか」
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「——出して——ください」
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「——健康の——助言は」
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「——それも——どうぞ」
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「——ならば——やる——!!」
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## 後日
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——里の——広場で。
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「——お名前を——伺いたい——!!」
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——黒ずくめが——五人——並んでいた。
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「——ひいっ——!!」
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「——なぜ——怖がる——!!」
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「——見た目です——!!」
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——だが——三月、後。
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「——黒いの——来たぞ——!!」
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「——今日は——飯を——持ってきたか——!!」
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「——持ってきた——!!」
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「——わーい——!!」
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「——馴染んでますね」
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——誠が——感心した。
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「——飯が——効くのだ——!!」
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「——紫のは——出さないで——くださいね」
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「——出して——おらぬ——!!」
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「——本当ですか」
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「——薄めて——おる——!!」
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「——薄めても——駄目です——!!」
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## そして
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——半年で。
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——五人は——四千の——名を——集めてきた。
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「——多いですね——!!」
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——誠が——驚いた。
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「——五人——おるからな——!!」
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「——ありがとう——ございます」
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「——礼は——要らぬ——!!」
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「——それと——一つ——伺っても——いいですか」
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「——なんだ——!!」
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「——皆さん——どちら様ですか」
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「…………」
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——五人が。
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——固まった。
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「——名乗る——ほどの——者では——ない——!!」
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「——それ——カゲさんの——台詞です」
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「——ぬう——!!」
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「——教えて——くれませんか」
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「——駄目だ——!!」
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——赤い——気配の——する——一人が——きっぱりと——言った。
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「——なぜですか」
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「——恥だからだ——!!」
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「…………」
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「——分かりました」
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——誠は——素直に——引いた。
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「——聞きません」
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「——うむ——!!」
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「——でも——一つだけ」
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——誠は——微笑んだ。
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「——なんだ——!!」
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「——恥じゃ——ないと——思います」
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「…………」
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「——四千——集めましたよね」
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「…………」
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「——立派な——お仕事です」
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「…………」
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——五人は。
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——長い、こと——黙って。
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——そして——揃って——顔を——背けた。
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「——帰る——!!」
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「——照れてますね」
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「——照れて——おらぬ——!!」
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——ちなみに。
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——教会には——今も——札が——貼ってある。
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*——【聖女——資金——運用所】*
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*——十日で——一割*
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*——回収は——労働で*
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*——回収率——百パーセント*
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「——まだ——百パーセント——ですか」
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——誠が——尋ねると。
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——ルナは——にっこりと——笑った。
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「——皆様——働いて——おられますもの」
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「——逃げないんですか」
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「——一人も」
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——ルナは——ぽつり、と——言った。
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「——なぜでしょうね」
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「——名前を——聞いてますから」
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——誠が——けろり、と——言った。
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「…………」
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「——あなた」
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——ルナは——妙な——顔を——した。
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「——やっぱり——怖い——方ですわ」
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「——八百屋ですから」
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
*「ルナさんの資金運用所が、評判だった。審査が甘くて、即日融資で、事情も聞かれない。皆さん、褒めてました。……"回収率百パーセント"、って書いてあるので、順調ですね、って言ったら、"特に二度目の方が。期日を一日も遅れませんの"、って。律儀ですね、って答えた。……回収は外注してるらしい。全身黒い衣で顔を隠した五人組。怪しいです、って言ったら、"真面目な方々ですわ。遅刻をなさいませんの。報告書もきちんと出されますわ"、って。……その報告書に、"途中四回蘇生"、って書いてあった。ルナさんが、"大変でしたわ。三日で四回ですもの"、って。そこですか。……現場を見に行ったら、契約書の第七条に、"完済または死亡まで"、第八条に、"死亡の場合は蘇生のうえ第七条に戻る"、第九条に、"完済の場合は完全回復"、って。……傷は残らない。でも、記憶は残る。だから二度目はきちんと返す。それで回収率が百。恐怖じゃないですか、って言ったら、"信頼だ"、って。違います。……でも、借り手の人が、"わしが悪いのだ。三月踏み倒した。それに、この方々、毎回飯を食わせてくださる"、って。腹が減っては痛みに耐えられぬ、と。意味が分かりません。……しかも鍋が紫に光ってた。三日眠れぬ、って。拷問です。でも、"うまいです"、って、借り手の人が認めてた。……桃色の一人が、脈を取って、"血の巡りが悪うございます。野菜を召し上がって"、って助言までしてた。次回がある前提ですか。……抗議したら、"お客様の声"、を見せられた。星五つ。評価が高い。おかしいです。四回死んでますよね。……押し問答の末、働いてもらう形に変えてもらった。弓の現場が人手不足なので。……五人の仕事がなくなるので、里回りをお願いした。五人揃って、名前を聞いてきてください、って。"殴らぬのか"、"絶対に殴らないでください"、"だが飯は出してよいか"、"出してください"、"健康の助言は"、"それもどうぞ"、"ならばやる"、って。……三月で、里に馴染んでた。"黒いの来たぞ"、"今日は飯を持ってきたか"、って。紫のは出さないでくださいね、って言ったら、"薄めておる"、って。駄目です。……半年で四千の名を集めてきた。どちら様ですか、って聞いたら、"名乗るほどの者ではない"、"恥だからだ"、って。……分かりました、聞きません。でも、恥じゃないと思います。四千、集めましたよね。立派なお仕事です、って言ったら、揃って顔を背けて、"帰る"、って。照れてました。……ルナさんが、"皆様、働いておられますもの。一人も逃げませんの。なぜでしょうね"、って。名前を聞いてますから、って答えた。……"あなた、やっぱり怖い方ですわ"、って。八百屋ですから。じいちゃん、今日も、平和でした」*
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心の中に——一つの、月が——浮かんでいた。
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——たとえ——空に——見えなくても。
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まだこの時の誠は知らない。「恥だから——名乗れぬ」、と——言った——五人が。
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——なぜ——里回りだけは——一度も——休まなかったのかを。
そして——彼らが——黒い——衣の——下に——着ている——ものを。
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——一度も——脱がなかった——理由も。
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——今は……まだ、着て——いる——本人たちしか——知らない。




