閑話その二「悪の組織、就職する」
——地の底から。
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不気味な——音楽が——響いてきた。
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「——な、なんだ——!?」
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——地面が——割れ。
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黒ずくめの——軍団が——せり上がってきた。
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「——イーッ——!」
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「——イーッ——!」
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「——ふはははは——!」
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黒マントの——首領が——高笑いした。
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「——我が——"暗黒教団デスクロウ"、が——この、世界を——我が——手に——!」
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「——世界征服の——始まりだァ——!」
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——一同が。
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——ぽかんと——した。
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「——あの……今——それどころじゃ——ないんですけど」
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誠が——おずおずと——言った。
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「——なんだと——!?」
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「——星が——落ちてくるんです。世界征服——しても——数年で——灼けますよ」
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「…………」
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「——な、なんだと?」
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首領が——うろたえた。
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「——征服する——世界が——なくなる、と?」
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「——はい」
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——首領は。
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——しばらく——黙って。
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そして——部下を——振り返った。
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「——おい」
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「——イーッ?」
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「——どうする」
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「——イーッ……」
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「——あの」
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誠が——手を——挙げた。
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「——ちょうど——人手が——足りないんです」
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「——手伝って——もらえませんか」
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「——馬鹿な——! 我らは——悪の——組織だぞ——!」
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「——でも——世界が——なくなったら——征服も——できませんよね」
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「——ぐっ」
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「——それに——皆さん——数が——多いですし。統率も——取れてますし」
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「——集団詠唱に——ぴったりです」
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——首領は。
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——長い、こと——悩んで。
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そして——ぼそり、と——言った。
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「……征服は——後回しに——する」
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「——ありがとう——ございます——!」
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「——だが——覚えて——おけ——! 世界が——救われた——暁には——必ず——征服して——くれる——!」
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「——はい。その、時は——お願いします」
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「——素直に——受け入れるな——!」
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——こうして。
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——悪の組織デスクロウは。
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——集団詠唱の——列に——加わった。
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「——イーッ——!」
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「——イーッ——!」
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「——揃って——おる——! 見事な——統率だ——!」
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魔術師が——感心した。
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「——ただ——詠唱が——全部——"イー"、なのは——どうにか——ならんか」
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