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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
エンディング

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番外編「エンディング、それから」

星喰いを——倒した——その、直後。



世界中に——歓喜が——広がる、中。




異変は——アルフレートに——起きた。






「アルフレート様! やりましたね! 勝ちま……」




誠が——駆け寄ろうと、した、瞬間。





——ピカァァァァァァッ!!!





アルフレートの、身体が——眩く——光り始めた。




「な……! アルフレート様!?」





そして——光が、収まると。




そこには——






——立派な——"銅像"、が——立っていた。






剣を、高々と——掲げ。




凛々しい——表情で——空を——見上げる。




世界最強の、勇者の——姿を、した——銅像が。





「え……!? アルフレート様が……銅像に……!?」




誠は——目を——疑った。






同時に——





——♪ ジャジャーン……テーテレテッテッテー……♪





どこからともなく——荘厳な——音楽が——流れ始めた。





「なんだ、この、音楽……!? どこから……!?」





誠が——音の、出所を——探ると。





その、音楽は——銅像の——半径、三メートルからだけ——流れていた。





三歩、下がると——音楽が——聞こえなくなり。




三歩、近づくと——また——荘厳な——音楽が——響く。





「な……なんで……銅像の、周りだけ……!?」






そして——空には。





【 GAME CLEAR 】





——という——巨大な、文字が。




でかでかと——表示された。





「げ、ゲーム……クリア……!?」




誠は——絶句、した。




「誰が、見ても……分かる……! めっちゃ……はっきり……"ゲームクリア"、って……!」






駆けつけた——藤原も——愕然と、した。




「田中くん! なんや、これ! アルフレートが……銅像に……!」




「僕にも……分かりません……!」





グランデルも——銅像を——つついた。




「おーい、アルフレート! おい! ……こら、硬いわ。完全に……銅像や」





「アルフレート様ーーー! 戻ってきてくださいーーー!」




誠が——銅像に——呼びかけるが。




銅像は——凛々しい、まま——微動だに——しない。






そして——荘厳な——エンディングテーマは。




延々と——流れ続けた。





十分。




三十分。




一時間。






「……なあ、田中くん」




藤原が——げんなり、と、した。




「この、曲……いつまで……流れるん?」




「分かりません……。もう……一時間、ですよ……」





同じ——荘厳な、旋律が——ループで——延々と——繰り返される。





「最初は……感動的やったけど……」




藤原は——疲れた、顔で、言った。




「一時間も、聴くと……さすがに……飽きるわ……」





「勝利の、余韻に……浸る、暇も……ないですね……」






やがて——エンディングテーマは。




一時間ほどで——ようやく——鳴り止んだ。





だが——銅像は——依然——銅像の、まま。




そして——空の——【 GAME CLEAR 】、の、文字も——消えない。





「どうすれば……アルフレート様……戻るんだろう……」




誠は——途方に——暮れた。






こうして——一同は。




銅像に、なった——勇者を——囲んで。




途方に——暮れながら——待つ、しか——なかった。







——そして——三時間が——過ぎた。





皆が——半ば——諦めかけた、頃。





——ピロリロリーン♪





空の——文字が——切り替わった。





【 「勇者とモブ」シーズン2 販売決定! 】




【 ご期待ください! 】





「…………は?」




誠は——空を——見上げたまま——固まった。





「シーズン……2……? 販売、決定……?」




「え……何、これ……! うちら……"商品"、やったん!?」




藤原が——絶叫した。





「しかも……! タイトル……"勇者とモブ"、って……!」




誠は——愕然と、した。




「僕……! "モブ"、扱い……!? 主人公、なのに……!?」






そして——その、瞬間。





——ピカァァァァァッ!!!





銅像が——再び——光り始めた。





「アルフレート様!?」





光が——収まると。




そこには——元の——アルフレートが——立っていた。





「……ふぅ。よく……眠った、気が、する」




アルフレートは——伸びを——した。





「アルフレート様! 戻ってきた! 一体……何が……!」




「うむ……。よく……分からんが……」




アルフレートは——きょとん、と、した。




「気づいたら……"銅像"、に、なっていて……荘厳な、音楽が……流れて……」




「"GAME CLEAR"、と……表示が……出て……」





「見えて、たんですか!?」




「見えていた。あと……2時間ほど……"スタッフロール"、のような、ものが……流れていた」





「スタッフロール、まで……!」






「そして……最後に……」




アルフレートは——真剣な、顔で、言った。




「"シーズン2、販売決定"、と……表示が、出て……俺は……元に、戻った」





「やっぱり……! アルフレート様も……見えてたんですね……!」




「うむ。……なあ、田中」





アルフレートは——首を、傾げた。




「"シーズン2"、とは……何だ? そして……なぜ……俺たちが……"販売"、されるのだ?」





「僕にも……分かりません……!」




誠は——頭を、抱えた。






「まあ……」




アルフレートは——あっさり、と、言った。




「深く……考えても……仕方あるまい。腹が……減ったな」




「銅像、やってる、間……何も……食べて、おらんからな」





「三時間、銅像でしたもんね……」





「田中。八百屋に……行こう。何か……食わせてくれ」




アルフレートは——のんびり、と——歩き出した。






「あ、待ってください、アルフレート様!」




誠は——慌てて——追いかけた。





世界を——救った、直後。




三時間——銅像に、なって。




エンディングテーマを——たっぷり——聴いて。





そして——元に、戻った、勇者は。




「——田中。八百屋に——行こう。何か——食わせてくれ」



「——あの……アルフレート様」



誠は——申し訳なさそうに——言った。



「——うち——まだ——建て直して——ないんです」



「——戦いで——めちゃくちゃに——なっちゃって」




「——む」



アルフレートは——足を——止めた。



そして——腕を——組んで——しばらく——考えて。




「——ならば——建てるぞ」



「——え?」



「——腹が——減った」




「——理由が——それですか——!」




——だが——アルフレートは。



もう——瓦礫の——方へ——歩き出していた。



「——早く——せんか、田中」



「——早く——建てねば——飯が——食えん」




——誠は——思わず——笑ってしまった。





「なんだか……アルフレート様、らしいや」





世界を、救っても。




銅像に、なっても。




エンディングが、流れても。





腹が、減れば——八百屋へ。





それが——アルフレート、だった。





その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「星喰いを、倒した、直後……アルフレート様が、光って……"銅像"、に、なった! 剣を、掲げた、凛々しい、姿で。しかも……銅像の、半径、三メートルだけ……荘厳な、音楽が、流れて……空に、"GAME CLEAR"、って、でっかい、表示。誰が、見ても、分かる。エンディングテーマが……一時間、ループで、流れ続けて……藤原さん、"飽きるわ"、って。三時間、経ったら……空の、文字が……"「勇者とモブ」シーズン2、販売決定!"、に、変わって……! 僕、"モブ"、扱い!? 主人公、なのに!? そしたら……アルフレート様、元に、戻った。"スタッフロールみたいのが、流れてた"、って。"シーズン2、とは、何だ? なぜ、販売されるのだ?"、って。分かりません! でも……アルフレート様、"深く、考えても、仕方ない。腹、減った。八百屋、行こう"、って。世界を、救って、銅像に、なって……戻った、直後に……飯。アルフレート様、らしいや。じいちゃん……平和だなあ」



心の中に——一つの、月が——浮かんでいた。



まだこの時の誠は知らない。"シーズン2"、が……本当に……始まるのか、どうかを。


そして——もし、始まる、なら……その、時も……きっと……アルフレート様は……腹を、減らして……八百屋に……来るのだろう、ことも。





——最弱モブ商人の異世界大河ドラマ 番外編「エンディング、それから」・完——

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