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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
なんだ、ガンって

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番外編・大団円「祝賀会と、同窓会と、カラオケと」

星喰いを——倒し。



世界に——平和が——戻って。



季節が——一つ、巡った、頃。




帝都から——一通の——招待状が——届いた。






「祝賀会……?」




誠は——招待状を——読んだ。





「一色さん、からだ。"世界を、救った、皆で……盛大に、祝いたい"、って」




「帝都の……一番、大きな、ホールを……貸し切りにした、みたいですよ」





「おお! 祝賀会か! それは……行かねばなるまい!」




アルフレートが——目を、輝かせた。




「久しぶりに……皆に……会えるな!」






第一部「祝賀会」



帝都の——大ホールは。



きらびやかに——飾り付けられていた。




そして——そこには。




戦いを、共にした——懐かしい、顔ぶれが——勢揃い、していた。





「田中ーーー! 久しぶりやなあ!」




グランデルが——巨躯を——揺らして——駆けてきた。




「相変わらず……でかいなあ、グランデルさん!」





「田中くん! 元気そうやん!」




藤原も——手を、振った。




「よお、田中。八百屋は……繁盛してるか?」




竜崎も——微笑んだ。





森川。宮田。末広。黒崎。そして——皆瀬も——身体を、纏って——参加していた。





「みんな……! 集まってくれて……ありがとう!」




誠は——胸が——熱くなった。






やがて——主催者の——一色が——壇上に——立った。




かつての——孤独な、皇帝は。




今は——晴れやかな——笑顔を——浮かべていた。





「皆さん。今日は……集まって、くれて……ありがとう」




一色は——静かに、語り始めた。




「私……ずっと……一人だと……思ってた。皇帝、として……孤独に……戦うのが……当たり前だと」





「でも……田中くんが……教えて、くれた。"一人じゃ、ない"、って」




一色の、目に——涙が——滲んだ。




「だから……今日は……その、感謝を……皆に……伝えたくて」





「乾杯……! 世界を、救った……私たちの……"繋がり"、に!」





「「「乾杯!」」」





ホールに——グラスの、音が——響き渡った。






第二部「同窓会」



宴も——たけなわ。



ふと——気づくと。




会場の、一角に——見慣れた、顔ぶれが——集まっていた。





グランデル(健太)。藤原(京香)。一色(美奈子)。森川(淳)。宮田。末広。黒崎。桜庭(美咲)。




そして——誠。





かつての——同級生たち、だった。





「なあ……。考えて、みたら……」




グランデルが——しみじみ、と、言った。




「これ……"同窓会"、やないか」





「あ……ほんまや!」




藤原が——笑った。




「異世界で……こんな、形で……同窓会、するとはなあ」






異世界に——転移し。




バラバラの——種族、立場に——なった——かつての、同級生たち。





龍に、なった、者。鬼に、なった、者。皇帝に、なった、者。




学者に、なった、者。忍者に、なった、者。





「みんな……すっかり……変わったなあ」




誠は——感慨深げに——皆を、見渡した。





「でも……」




桜庭が——微笑んだ。




「中身は……全然……変わってない、よね。特に……田中くん」





「え? 僕?」




「うん。田中くんは……昔から……そう、だった」




桜庭は——懐かしそうに、言った。




「クラスで……誰かが……困ってたら……真っ先に……助けてた」




「席替えで……一人に、なった子が、いたら……声を、かけて」




「掃除、当番、サボる、奴が、いても……文句、言わずに……黙々と……掃除、してた」





「そんなこと……ありましたっけ」




誠は——照れた。





「あったよ!」




グランデルが——笑った。




「ワシ……昔……ちょっと……ヤンチャ、しとった、時……」




「皆に……避けられとった、けど……お前だけは……普通に……話しかけて、くれたわ」





「僕……そんな、こと……」




「覚えてへんのが……お前らしいわ」




グランデルは——豪快に——笑った。






「田中くん」




一色が——静かに、言った。




「私……転校生で……最初……クラスに……馴染めなかった」




「でも……あなたが……"一緒に、帰ろう"、って……声を、かけてくれた」




「あれが……すごく……嬉しかったの」





誠は——驚いた。




「そんな……昔のこと……」





「田中くんに、とっては……"当たり前"、のことでも」




一色は——微笑んだ。




「されたほうは……ずっと……覚えてるものよ」






誠は——胸が——熱くなった。





「そうか……」




誠は——静かに、思った。




「僕が……この、世界で……皆を、繋げたのは……」




「もしかしたら……あの、教室から……始まってたのかも……しれないな」





小さな——優しさの、積み重ね。




それが——時を、超え——世界を、超え。




こうして——皆を——再び——繋いでいた。






第三部「カラオケ」



祝賀会が——お開きに、なった、後。




「なあ! せっかくや! 二次会、行こうや!」




グランデルが——提案した。





「二次会? 何、するの?」




「決まっとるやろ! カラオケや!」





「この、世界に……カラオケ、あるの!?」




誠は——驚いた。





「あるで! 帝都に……最近……できたんや! 一色が……作らせたらしいわ!」




「ふふ。娯楽も……大事、でしょ?」




一色が——悪戯っぽく——笑った。






こうして——一同は——カラオケへと——なだれ込んだ。





「よっしゃ! まずは……ワシから、いくで!」




グランデルが——真っ先に——マイクを、握った。





——鬼族の、腹の底から——響く——大音量の、熱唱。





「うるさっ! グランデルさん! 声、でかすぎ!」




藤原が——耳を、塞いだ。




「はっはっは! 鬼族の、歌唱力……舐めるなよ!」






藤原が——しっとりとした——バラードを——歌い。




竜崎が——意外にも——渋い、演歌で——皆を——唸らせ。




一色が——透き通る、声で——一曲——披露した。





「一色さん、歌……うまいですね!」




「ふふ。皇帝は……何でも……こなせないと、ね」






そして——アルフレートの——番が——来た。




「では……俺が……歌おう」




アルフレートは——真剣な、顔で——マイクを、握った。





だが——彼は。




画面を——じーっと——見つめて——固まった。





「アルフレート様? どうしたんですか」




「……田中。この、"歌詞"、が……流れる、画面……」




アルフレートは——真顔で、言った。




「まさか……これも……俺にしか……見えて、ないのか?」





「見えてます! 普通に、見えてます!」




誠は——即座に——ツッコんだ。




「カラオケの、歌詞は……皆、見えますから!」





「そう、か……! 良かった……!」




アルフレートは——安堵、した。





そして——アルフレートは——歌い始めた。





——世界最強の、勇者の……意外にも……美しい、歌声。





「え……! アルフレート様……! めっちゃ……うまい!」




一同が——驚いた。





「ふっ。勇者は……何でも……こなせるのだ」




アルフレートは——得意げに——笑った。





「あ、でも……最後に……一つ、いいか」




歌い、終えた、アルフレートは——マイクを、握ったまま——爽やかに、言った。





「ここまで……聴いて、くれて……ありがとう、ございました! よかったら……高評価と……」




「配信じゃ、ないです!」




一同の——総ツッコミが——響いた。






そして——最後に。




「田中くんも……歌いなよ!」




皆が——誠に——マイクを——渡した。





「え……! 僕、歌、下手ですよ……」




「ええから、ええから!」





誠は——照れながら——マイクを——握った。




そして——祖父が——好きだった——古い、歌を——歌い始めた。





——お世辞にも……上手とは……言えない。




——けれど……心の、こもった……温かい、歌声。





皆が——静かに——聴き入った。




そして——いつのまにか。




皆で——一緒に——口ずさんでいた。






異世界の——カラオケルームに。




かつての、同級生たちの——歌声が——一つに——重なる。





種族も。立場も。歩んできた、道も。




みんな——バラバラ。





でも——今——この、瞬間だけは。




みんな——ただの——"同級生"、に——戻っていた。





その、光景を——見ながら。




誠は——静かに——微笑んだ。





(ああ……。これが……"繋がり"、なんだな)




(世界を、救った、大きな、繋がりも……)




(元は……こんな……ささやかで……温かい、ものから……始まってたんだ)





その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「一色さんが……祝賀会を、開いてくれた。帝都の、大ホールで。懐かしい、皆が、勢揃い! 一色さんが、"一人だと、思ってた。でも、田中くんが、一人じゃ、ない、って、教えてくれた"、って、乾杯。気づいたら……かつての、同級生が、集まってて……"これ、同窓会やないか"、って。皆、龍とか、鬼とか、皇帝とか……すっかり、変わったけど、中身は、同じ。桜庭さんが、"田中くんは、昔から、困ってる人を、助けてた"、って。一色さんが、"転校生の、私に、一緒に、帰ろう、って。ずっと、覚えてる"、って。僕が、皆を、繋げたのは……あの、教室から、始まってたのかも。二次会は、カラオケ! グランデルさん、大音量。アルフレート様、歌、うまいのに、最後に、"高評価と、登録を"、って、総ツッコミ。僕も、じいちゃんの、好きだった、歌を、歌ったら……皆、一緒に、口ずさんでくれた。種族も、立場も、バラバラ。でも、今だけは、ただの、同級生。これが、繋がりなんだな。世界を、救った、大きな、繋がりも……元は、こんな、ささやかで、温かいものから、始まってたんだ。じいちゃん……僕、幸せだよ」



心の中に——一つの、月が——浮かんでいた。



そして——今の、誠は——知っている。



英雄たちの、戦いは——終わっても。



こうして——繋がった、仲間たちとの……賑やかな、日々は——これからも……ずっと……続いていくことを。


そして——その、一つ、一つの……ささやかな、時間こそが——世界で、一番……かけがえの、ない、"宝物"、で、あることも。





——最弱モブ商人の異世界大河ドラマ 第二部・番外編「祝賀会と、同窓会と、カラオケと」・完——

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