第237話「拮抗」
天で——二つの、光が——ぶつかった。
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星喰いの——大陸を、焼く——光の、奔流。
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繋がりの、陣の——三千門を、束ねた——光の、奔流。
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——ゴォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!
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二つの、光が——真っ向から——せめぎ合った。
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天が——割れ——大気が——震えた。
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眩い、光が——世界中を——照らし出す。
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「押し合ってる……!」
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桜庭が——空を——見上げ——叫んだ。
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「繋がりの、陣の、光が……星喰いの、光と……互角に……!」
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「いける……! このまま……押し返せば……!」
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だが——星喰いも——負けては、いなかった。
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——ゴゴゴゴゴ……!
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星喰いの、本体が——さらに——多くの、光を——集め始めた。
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その、光の、奔流が——一段と——強く——なっていく。
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「まずい……! 敵が……さらに、力を……!」
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拮抗していた——均衡が。
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少しずつ——星喰いの、側へ——傾き始めた。
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「押し返されてる……!」
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誠は——歯を、食いしばった。
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「くっ……! もっと……力を……! みんな……! もっと……繋がって……!」
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誠は——世界中の、繋がりに——渾身の、意志を——込めた。
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だが——星喰いの、力は——凄まじく。
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繋がりの、陣の、光は——じりじりと——押し返されていく。
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「駄目なのか……! これでも……足りないのか……!」
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誠の——胸に——絶望が——よぎった。
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その、時。
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誠の、脳裏に——ある、記憶が——蘇った。
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決戦前夜——神様が、言った、言葉。
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「お前には……ワイに、なかった……"繋がり"、が、あるからな」
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「そうだ……。繋がり……」
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誠は——はっと、した。
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「まだ……繋がってない……"誰か"、が……いる……!」
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誠は——空の——二つの、月を——見上げた。
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その、片方——四百年前——神様が、自らの、半身を——捧げて、作った——月。
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「神様……! あなたも……! あなたも……この、繋がりの……一部です……!」
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誠は——月に、向かって——叫んだ。
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「よそ者の……願いを……! 一緒に……果たしましょう……!」
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「あなたの……四百年の……想いも……! この、一撃に……!」
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その、瞬間。
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二つの、月が——一斉に——輝き始めた。
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——ヴォォォォォォォォン……!
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「これは……!」
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月から——降り注ぐ——淡い、光。
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それが——繋がりの、陣の、光に——注ぎ込まれていく。
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「神様の……力だ……! 月に、なった……神様が……! 力を、貸してくれてる……!」
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誠は——歓喜した。
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四百年前——よそ者が——「ガンを、動かすには……月の力が、必要だ」、と——遺した、言葉。
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その、意味が——今——明らかになった。
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神様が——半身を、捧げて、作った——月。
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その、月の、力こそが——繋がりの、陣を——真に——完成させる——最後の、ピース、だったのだ。
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「これで……! 全部……揃った……!」
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誠は——確信した。
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「よそ者の、ガン……! 皆の、繋がり……! そして……神様の、月の、力……!」
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「四百年越しの……全ての、想いが……今……一つに……!」
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その日、誠は、後に、祖父のノートに、こう書き加えることになる。
「天で、二つの光が、ぶつかった。星喰いの、光と、繋がりの陣の、光。最初は、互角だった。でも……敵が、さらに、光を、集めて……押し返されはじめた。もっと、力を……! でも、足りない。絶望が、よぎった、その時……神様の、言葉を、思い出した。"お前には、ワイに、なかった、繋がりが、ある"、って。まだ……繋がってない、誰かが、いる。二つの月……片方は、神様が、半身を、捧げて、作った、月。"神様! あなたも、この、繋がりの、一部です! よそ者の、願いを、一緒に、果たしましょう!"、って、叫んだ。そしたら……二つの月が、輝いて……月から、光が、繋がりの陣に、注ぎ込まれた。神様の、力! よそ者が、"ガンを、動かすには、月の力が、必要"、って、遺した、意味……これだったんだ。よそ者のガン、皆の繋がり、神様の、月の力……四百年越しの、全ての、想いが、今、一つに!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。四百年前……別々の、方向へ、逃げ……離れ離れに、なった……よそ者と、神様が——今……この、一撃の、中で……ついに……再び……"繋がった"、ことを。
そして——その、繋がりこそが……星喰いを……打ち破る……最後の、力に、なることも——もう……すぐ、そこまで……来ていた。




