第236話「受け止める、陣」
——ゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!
⸻
星喰いの——巨大な、光が。
⸻
この、星へと——降り注いだ。
⸻
大陸を——丸ごと——焼き尽くす——ほどの——光の、奔流。
⸻
⸻
それが——地上へと——迫る。
⸻
⸻
⸻
「来る……!」
⸻
⸻
誠は——目を、見開いた。
⸻
⸻
⸻
だが——ここで——桜庭が——叫んだ。
⸻
⸻
「田中くん! 今よ! 敵が……光を、放った……この、瞬間……!」
⸻
⸻
「敵の、防御が……最も、手薄……! 撃ち返すなら……今……!」
⸻
⸻
⸻
「分かった……!」
⸻
⸻
誠は——世界中の、繋がりに——意識を——集中させた。
⸻
⸻
「みんな……! 撃つよ……! 世界中の……レールガンを……一つに……!」
⸻
⸻
⸻
だが——その、瞬間。
⸻
⸻
問題が——起きた。
⸻
⸻
⸻
「田中くん! 敵の、光が……速すぎる……! このままじゃ……撃ち返す、前に……地上に……!」
⸻
⸻
桜庭が——絶叫した。
⸻
⸻
⸻
星喰いの——光は——あまりにも、速く。
⸻
⸻
繋がりの、陣が——撃ち返すより、先に。
⸻
⸻
地上に——届こうと、していた。
⸻
⸻
⸻
「まずい……! このままじゃ……!」
⸻
⸻
⸻
その時——皆瀬が——叫んだ。
⸻
⸻
「田中くん! 私たち、スライムが……"盾"、になる……!」
⸻
「皆瀬さん!?」
⸻
⸻
「スライムの、身体で……レンズを、作って……敵の、光を……"受け止める"……! 少しでも……時間を、稼ぐ……!」
⸻
⸻
⸻
「駄目だ! そんなことしたら……皆瀬さんたちが……!」
⸻
⸻
「大丈夫……! 田中くんが……後で……回復させて、くれるでしょ?」
⸻
⸻
皆瀬は——優しく——揺れた。
⸻
⸻
「信じてる……。だから……今は……私たちに……任せて……!」
⸻
⸻
⸻
⸻
世界中の——スライムたちが——一斉に——空へと——身体を、広げた。
⸻
⸻
透明な——巨大な、"膜"、が。
⸻
⸻
星喰いの、光と——地上の、間に——張り巡らされる。
⸻
⸻
⸻
——ジュゥゥゥゥゥッ!!!
⸻
⸻
⸻
星喰いの、光が——スライムの、膜に——ぶつかった。
⸻
⸻
⸻
「うぁぁぁぁ……!」
⸻
⸻
スライムたちの——身体が——焼け——蒸発していく。
⸻
⸻
⸻
「皆瀬さん……! みんな……!」
⸻
⸻
誠は——絶叫した。
⸻
⸻
⸻
「まだ……! まだ……持ちこたえて……! 田中くん……! 今のうちに……!」
⸻
⸻
皆瀬の——声が——繋がりを、通じて——響いた。
⸻
⸻
⸻
⸻
スライムたちが——命を、削って——稼いだ——僅かな、時間。
⸻
⸻
その、一瞬に——誠は——全てを——賭けた。
⸻
⸻
⸻
「みんな……! 撃つ……!」
⸻
⸻
誠は——世界中の、繋がりに——渾身の、意志を——込めた。
⸻
⸻
「世界中の……レールガンよ……! 今こそ……一つに……なれ……!」
⸻
⸻
⸻
「よそ者の……四百年の、願い……! 皆の……繋がり……! 全部……この、一撃に……!」
⸻
⸻
⸻
その、瞬間。
⸻
⸻
⸻
世界中の——三千門の——レールガンが。
⸻
⸻
誠の、意志の、下に——寸分の、狂いも、なく——一つに——連携した。
⸻
⸻
⸻
——ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォォン!!!!!
⸻
⸻
⸻
世界中の——レールガンが——一斉に——火を、噴いた。
⸻
⸻
三千の——太陽の光の、束が。
⸻
⸻
繋がりを、通じて——一点に——収束していく。
⸻
⸻
⸻
「これが……"繋がりの、陣"……!」
⸻
⸻
⸻
三千門の——光が——一つに——束ねられ。
⸻
⸻
星喰いの、光にも——負けない——巨大な、光の、奔流と、なって。
⸻
⸻
天へと——駆け上っていった。
⸻
⸻
⸻
その日、誠は、後に、祖父のノートに、こう書き加えることになる。
「星喰いの、光が……大陸を、焼くほどの、奔流が……降り注いだ。撃ち返そうと、したけど……敵の光が、速すぎて……間に合わない! そしたら……皆瀬さんたちが、"スライムの、身体で、盾に、なる! 時間を、稼ぐ!"、って。駄目だ、って、叫んだけど……皆瀬さん、"田中くんが、後で、回復させてくれるでしょ? 信じてる"、って。世界中の、スライムが、空へ、身体を、広げて……敵の光を、受け止めて……焼けて、蒸発していく。命を、削って、稼いだ、僅かな、時間。その、一瞬に……全てを、賭けた。"世界中の、レールガンよ、一つに、なれ! よそ者の、四百年の、願い! 皆の、繋がり! 全部、この、一撃に!"、って。そしたら……三千門の、レールガンが……寸分の、狂いも、なく、一つに、連携した。三千の、光が、一つに、束ねられて……星喰いの、光にも、負けない、奔流に、なって……天へ、駆け上った。これが……繋がりの、陣……!」
⸻
心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
⸻
まだこの時の誠は知らない。天で——星喰いの、光と……繋がりの、陣の、光が——真っ向から……ぶつかることを。
そして——その、激突の、果てに……勝つのが、どちらかは……まだ……誰にも……分からなかった。




