第233話「繋がりの陣、布陣」
刻限まで——あと、一日。
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誠たちは——不眠不休で。
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"繋がりの、陣"、の——配置に——取りかかった。
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まず——世界中の——光集束レールガンの、位置を——把握する。
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皆瀬の——集合意識が——世界中の、スライムと——繋がり——全ての、レールガンの——場所を——洗い出した。
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「東の、戦線に……八百門。西に……七百門。南に……九百門。北に……六百門……」
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桜庭が——数を、数えていく。
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「世界中……合わせて……三千門、以上……!」
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「三千門……!」
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誠は——目を、見張った。
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「そんなに……たくさん……!」
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「一色さんが……ずっと……量産、してくれてたから、ね」
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桜庭は——微笑んだ。
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「知らないうちに……世界中に……"ガン"、が……三千門、以上……並んでたのよ」
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一色は——照れくさそうに——笑った。
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「まさか……それが……よそ者の、"ガン"、だった、なんて……ね」
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だが——ここで——難題が——立ちはだかった。
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「田中くん。三千門、以上の、レールガンを……完璧に、連携させて……一点に……撃つ」
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桜庭は——真剣な、顔で、言った。
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「これは……とてつもなく……難しいわ」
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「一つでも……角度が、ズレたら……光は……一点に、集まらない。一つでも……タイミングが、ズレたら……力は……分散する」
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「三千門、全部を……寸分の、狂いも、なく……揃えないと、いけない」
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「三千門、全部を……寸分の、狂いも、なく……」
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誠は——気の、遠くなるような——数字に——めまいが、した。
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「そんなの……人間業じゃ……」
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誰かが——呟いた。
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「いや」
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誠は——首を、振った。
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「人間、一人の、業じゃ……ない。でも……"皆で"、なら……できる」
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誠は——皆瀬を——見た。
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「皆瀬さん。スライムの、繋がりを、通じて……全てのレールガンの、"照準"、を……一つに……揃えられる?」
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「うん……。やってみる」
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皆瀬は——集合意識を——研ぎ澄ませた。
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「私たち、スライムが……全部の、レールガンの、そばに、いる。だから……私が、中心に、なって……全部の、照準を……"感じ取れる"」
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「そして……田中くんが……その、繋がりを、通じて……"意志"、を……一つに、する」
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「そうだ……!」
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誠は——確信した。
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「皆瀬さんが……全部の、レールガンを……"感じ取る"。僕が……全部の、意志を……"繋ぐ"。そして……皆が……一つの、心で……引き金を、引く……!」
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「それが……"繋がりの、陣"……!」
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役割が——決まっていった。
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皆瀬——世界中の、レールガンの、照準を、感じ取る、"目"。
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誠——全ての、意志を、繋ぐ、"心"。
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一色——レールガンの、技術的な、調整を、統括する、"技"。
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桜庭——照準の、計算を、担う、"知"。
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そして——各地の、戦線では。
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鬼族が——レールガンを——運び、支え。
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龍族が——空から——照準を、確認し。
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虫人族が——大群で——レールガンの、周囲を、守り。
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忍者が——各地の、連携を——伝令する。
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全ての、種族が——それぞれの、役割で。
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"繋がりの、陣"、の——一部と、なる。
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「これは……」
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アルフレートが——静かに、言った。
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「よそ者が……各種族に……"倒す、方法"、を、分けて、託した……その、全てが……」
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「今……一つに……繋がろうと、している」
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「はい……!」
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誠は——頷いた。
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「スライムの、鏡。龍族の、天と地を繋ぐ力。鬼族の、運ぶ力。虫人族の、群れる力。そして……忍者の、"ガン"……」
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「全部が……今……一つに、なるんです……!」
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四百年——バラバラに、託されてきた——"抗う、術"。
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それが——ついに——一つに——繋がる。
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「よそ者……」
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誠は——空の——二つの、月を——見上げた。
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「あなたの……願い……。必ず……果たします……!」
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「繋がりの陣の、配置を、始めた。世界中の、レールガンを、数えたら……三千門、以上! 一色さんが、ずっと、量産してくれてたから。知らないうちに、世界中に、"ガン"、が、三千門も、並んでた。でも……三千門を、寸分の狂いも、なく、揃えて、一点に、撃つ。人間業じゃ、ない。でも……"皆で"、なら、できる。皆瀬さんが、全部の、レールガンの、照準を、感じ取る、"目"。僕が、全部の、意志を、繋ぐ、"心"。一色さんが、"技"。桜庭さんが、"知"。鬼族が、運び、龍族が、確認し、虫人族が、守り、忍者が、伝令する。全ての、種族が、それぞれの、役割で……繋がりの陣の、一部に、なる。アルフレート様が、"よそ者が、各種族に、分けて、託した、その、全てが……今、一つに、繋がろうと、してる"、って。四百年、バラバラに、託されてきた、抗う術が……ついに、一つに、繋がる。よそ者……あなたの、願い……必ず、果たします!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。四百年前……よそ者が、この、世界を、巡って……各種族に、想いを、託した、その、旅が——ついに……誠、たちの、手で……"完成"、しようと、していることを。
そして——その、"完成"、こそが……よそ者と……神様の……四百年越しの……"約束"、を、果たすことにも、なることも——今はまだ、知る由もなかった。




