第230話「拍子抜けする、一同」
「"ガン"、は……"レールガン"、の、略だった」
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誠は——皆瀬の、繋がりを、通じて。
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その、真実を——世界中の、仲間に——伝えた。
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繋がりを、通じて——世界中の、仲間の——反応が——一斉に——返ってきた。
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まず——沈黙。
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そして——
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「……は?」
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「え、嘘やろ?」
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「レールガンって……あの、レールガン?」
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「毎日……そこら中で……ぶっ放してる、あれ……?」
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世界中の、戦線が——一斉に——ざわめいた。
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「ちょ、ちょっと、待ってや、田中くん!」
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藤原が——素っ頓狂な、声を——上げた。
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「うちら……"ガンとは、何ぞや"、って……ずーっと……頭、抱えて……」
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「勇者の里まで……えっちらおっちら……行って……」
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「あの……開かずの、扉まで……開けて……!」
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「はい」
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「……それが……最初から……そこら中に、あった……レールガンの、ことやった、と!?」
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「そう、なります」
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誠は——申し訳なさそうに、頷いた。
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「なんやそれぇぇぇ!」
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藤原の、絶叫が——空に、響いた。
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グランデルは——腹を、抱えて——笑い出した。
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「ぶわっはっはっは! なんや、それ! 四百年の、大謎が……"言い間違い"、かい!」
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「よそ者はん……! ちゃんと……最後まで……言うてくれや……!」
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「グランデル。笑いごとでは……」
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竜崎が——たしなめようと、して。
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だが——彼も——こらえきれず——噴き出した。
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「……くくっ。いや……悪い。だが……確かに……"レールガン"、を……"ガン"、って……」
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「四百年……"ガン、ガン"、って……皆で……大真面目に……」
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一同の——張り詰めていた、緊張が。
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一気に——緩んで——笑いに——変わっていった。
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星喰い。焼かれた、世界。迫る、刻限。
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そんな——絶望的な、状況の中で。
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皆が——腹を、抱えて——笑っていた。
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「あー……笑った……」
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藤原が——涙を、拭いた。
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「久しぶりに……こんなに……笑ったわ……」
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だが——その、笑いは。
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ただの——笑いでは——なかった。
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「でも……よかったやん」
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藤原が——ぽつり、と、言った。
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「だって……"ガン"、が……レールガンやったら……」
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「うちら……もう……"持ってる"、っていう、ことやろ?」
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「そうです」
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誠は——静かに、頷いた。
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「四百年……皆が……探し続けてきた……"最後の、鍵"、は……」
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「もう……とっくに……僕たちの、手の中に……あったんです」
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一同に——静かな——驚きが——広がった。
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「そうか……。ガンを……一から、作る、必要は……なかったんだ……」
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一色が——呟いた。
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彼女は——脱力した、ように——その場に——座り込んだ。
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「私……。ガンの、威力が……再現できない、って……何日も……徹夜して……悩んでた……」
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「なのに……私が、作ってた……"レールガン"、が……そのまま……"ガン"、だった、なんて……」
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「一色さん……」
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「ふふ……。なんだか……気が、抜けちゃった……」
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一色は——力なく——笑った。
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「でも……そっか。私……知らないうちに……四百年前の、よそ者の……"ガン"、を……作ってた、んだ……」
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その時——アルフレートが——静かに、言った。
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「田中。だが……一つ……分からないことが、ある」
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「なんですか」
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「レールガンは……確かに……"ガン"、だった。だが……あの、レールガンでは……星喰いの、"雑魚"、は、倒せても……"本体"、は……倒せなかった」
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アルフレートは——真剣な、顔で、続けた。
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「よそ者は……"ガンで、星喰いを、倒せる"、と……言った。だが……現に……俺たちの、ガン(レールガン)、では……本体に、届かない」
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「一体……何が……足りないのだ?」
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誠は——石碑の、言葉を——思い出した。
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「石碑は……言ってました。"ガンを、真に、動かすには……数では、なく……繋がりが、必要だ"、って」
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「繋がり……」
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誠の、頭の中で。
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最後の、ピースが——はまり、かけていた。
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「そうか……。一つ、一つの、レールガンでは……本体に、届かない。でも……」
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「世界中の……レールガンを……全部……"繋いで"……一つにしたら……?」
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一同が——はっと、した。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「"ガン"、は、レールガンの、略、だった、って……皆に、伝えた。世界中が……"は?""嘘やろ?""毎日、ぶっ放してる、あれ?"、って、大騒ぎ。藤原さんが、"勇者の里まで、行って、開かずの扉まで、開けて……それが、最初から、そこら中に、あった、レールガンやった、と!? なんやそれぇぇぇ!"、って、絶叫。グランデルさんは、腹、抱えて、"四百年の、大謎が、言い間違いかい!"、って。皆、久しぶりに、大笑いした。でも……藤原さんが、"でも、よかったやん。ガンが、レールガンなら……うちら、もう、持ってる、っていうことやろ?"、って。そうなんだ。四百年、探し続けた、最後の鍵は……とっくに、僕たちの、手の中に、あった。一色さんは、脱力してた。でも……アルフレート様が、"レールガンでは、本体は、倒せない。何が、足りないんだ?"、って。石碑は、"数では、なく、繋がりが、必要"、って、言ってた。世界中の、レールガンを……全部、繋いで、一つに、したら……? じいちゃん……見えてきた……!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。彼が、たどり着きかけた、その、答え——"世界中の、レールガンを、繋ぐ"、こそが——四百年前、よそ者が……完成させられなかった……"本物の、ガン"、で、あることを。
そして——それを、動かすのが……"繋がり"、で、あることも——もう……はっきりと……見え始めていた。




