第228話「アルフレートの、告白」
北の、戦線の——危機を——なんとか、しのいだ、後。
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誠は——束の間の——休息を——取っていた。
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だが——その、胸には。
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先ほどの——"気づきの、種"、が——燻り続けていた。
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「太陽の光を、集めて……弾として、撃つ……巨大な、砲……」
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「"ガン"、と……"レールガン"……」
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その、二つが——誠の、頭の中で——ぐるぐると——回っていた。
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そんな、誠のもとに——アルフレートが——やってきた。
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「田中。少し……いいか」
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「アルフレート様。どうしたんですか」
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アルフレートの、表情は——いつになく——重かった。
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「お前に……話して、おかねば、ならないことが、ある」
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「話しておかねば……?」
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アルフレートは——静かに——腰を、下ろした。
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「勇者の、里で……真実を、知ってから……ずっと……考えていた」
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「俺が……"勇者"、として……本当に……やるべきことは……何なのか」
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誠は——静かに——耳を、傾けた。
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「石碑は……言った。"勇者とは……繋ぐ、者"、だ、と」
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アルフレートは——静かに、続けた。
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「だが……俺は……長い間……"戦う、者"、として……生きてきた」
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「一人で……強敵を、倒すことこそが……勇者の、務め、だと……信じて」
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アルフレートの、声には——複雑な、感情が——滲んでいた。
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「だから……この、戦いでも……俺は……ずっと……"自分が、戦って、倒す"、ことを……考えていた」
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「本体を、叩く……作戦も。突撃部隊の、先頭に、立ったのも」
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「アルフレート様……」
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「だが……あの、作戦は……失敗した」
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アルフレートは——静かに、言った。
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「俺、一人の、力では……本体には……届かなかった」
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「そして……俺は……気づいたのだ」
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アルフレートは——誠を——まっすぐ、見た。
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「この、戦いの……本当の、"主役"、は……俺では、ない」
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「田中。お前、なのだ」
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「え……?」
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誠は——驚いた。
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「僕が……主役……?」
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「そうだ」
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アルフレートは——静かに、頷いた。
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「お前は……皆を、繋いだ。バラバラの、種族を……一つに、した。覚醒の、力で……皆を、強くした」
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「そして……今……世界中を……一つに、繋いでいる」
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アルフレートは——静かに、続けた。
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「これは……俺には……できないことだ。"繋ぐ、者"、こそが……この、戦いの……鍵、なのだ」
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「そして……"真の、勇者"、とは……お前の、ことなのだ、田中」
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「そんな……! 僕は……戦えないのに……」
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「戦えなくて、いい」
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アルフレートは——微笑んだ。
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「勇者とは……戦う、者では、ない。"繋ぐ、者"、なのだから」
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アルフレートは——静かに——立ち上がった。
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「田中。俺は……これから……お前を、支える」
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「先頭に、立つのでは、なく……お前が……皆を、繋ぐのを……守り、支える、役に、回る」
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「アルフレート様……」
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「それが……俺の……"勇者"、としての……本当の、務め、なのだと……気づいたのだ」
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誠は——胸が——熱くなった。
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「アルフレート様……。ありがとう、ございます」
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「僕……一人じゃ、何も、できません。でも……アルフレート様が……支えてくれるなら……」
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「きっと……できます……!」
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その時——誠の、頭の中で。
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再び——あの、"気づき"、が——蘇った。
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「繋ぐ……。皆を……繋ぐ……」
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「世界中の……レールガンを……繋ぐ……?」
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誠の、心臓が——大きく——跳ねた。
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「まさか……」
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答えは——もう——すぐ、そこまで——来ていた。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「北の戦線の、危機を、しのいだ後……アルフレート様が、来て、告白してくれた。"勇者の里で、真実を、知ってから、ずっと、考えていた。俺は、戦う者として、生きてきた。一人で、倒すことこそ、勇者の務めだと。でも、作戦は、失敗した。一人では、届かなかった。そして、気づいた。この戦いの、本当の主役は、俺じゃ、ない。田中、お前だ"、って。僕が、主役……? アルフレート様は、"お前は、皆を、繋いだ。繋ぐ者こそが、鍵。真の勇者とは、お前のことだ。俺は、これから、お前を、支える役に、回る。それが、勇者としての、本当の務めだ"、って。胸が、熱くなった。僕、一人じゃ、何もできない。でも、アルフレート様が、支えてくれるなら……! そして……"繋ぐ"、って、言葉で……また、気づきかけた。世界中の、レールガンを……繋ぐ……? まさか……。じいちゃん……答えが、すぐ、そこに……!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。アルフレートが、託した、"繋ぐ、者"、という、言葉こそが——四百年の、謎を、解く……最後の、鍵で、あることを。
そして——世界中に、並ぶ、レールガンを……"繋ぐ"、ことこそが……"ガン"、を、完成させる……答え、そのものであることも——今はまだ、知る由もなかった。




