第227話「世界を、繋ぐ」
誠は——前線の、中心に——立った。
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そして——皆瀬を、中心とした——スライムたちが。
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世界中へと——"繋がりの、糸"、を——伸ばし始めた。
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「みんな……! 世界中の、スライムの、仲間に……呼びかけて……!」
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皆瀬が——集合意識を——広げていく。
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各地の——湿地。森。川。
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そこに、暮らす——スライムたちが——一斉に——応えた。
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そして——彼らが——薄く、広がり——世界中に——透明な、"糸"、を——張り巡らせていく。
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「繋がっていく……! 世界中が……!」
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誠は——その、感覚を——感じ取った。
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東の、戦線。西の、戦線。南の、戦線。北の、戦線。
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これまで——バラバラに、戦っていた——全ての、戦線が。
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スライムの、糸を、通じて——誠を、中心に——一つに——繋がっていく。
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「感じる……! 全ての、戦線の……皆の、想いが……!」
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誠は——目を、閉じた。
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繋がりを、通じて——世界中の、仲間の——想いが——流れ込んでくる。
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戦う、決意。守りたい、という、願い。そして——希望。
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「みんな……! 僕は……ここにいる……! 一人じゃ、ない……! 皆で……一つだ……!」
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誠は——全ての、戦線に——呼びかけた。
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その、声が——繋がりを、通じて——世界中に——届いた。
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「田中さんの、声だ……!」
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「繋がってる……! 僕たち……一人じゃ、ない……!」
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「田中さんが……僕たちを……繋いでくれてる……!」
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バラバラに——絶望していた、各地の、戦線に。
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一つの——大きな、"希望"、が——広がっていった。
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そして——誠は。
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繋がりを、通じて——世界中の、戦線を——"見る"、ことが——できるように、なった。
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各地の——戦況。仲間の、様子。そして——各戦線の——武器や、備え。
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「これで……全体を……把握できる……。どこが、危ないか……どこに、力を、送るべきか……」
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誠は——全ての、戦線を——見渡した。
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その時——誠の、目に。
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ある、光景が——飛び込んできた。
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各地の、戦線に——ずらりと、並ぶ——一色の——"光集束レールガン"。
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世界中に——量産され、配備された——無数の——レールガン。
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それが——今——全ての、戦線で——太陽の光を、集め——星喰いに——立ち向かっていた。
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「レールガン……」
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誠は——それを——見つめた。
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太陽の光を——集めて——弾として、撃つ——巨大な、砲。
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世界中に——無数に、並ぶ——その、光景。
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「……あれ?」
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誠の、頭の中で。
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何か、が——引っかかった。
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「太陽の光を……集めて……弾として、撃つ……巨大な、砲……」
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誠は——呟いた。
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「それって……"ガン"、の……設計図と……同じ……?」
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誠の、心臓が——大きく——跳ねた。
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「まさか……」
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「まさか……"ガン"、って……」
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だが——その、瞬間。
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「田中殿! 大変です!」
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伝令の、声が——誠の、思考を——遮った。
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「北の、戦線が……星喰いの、攻撃で……危機に……!」
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「……! 分かった! すぐ、力を、送る!」
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誠は——繋がりを、通じて——北の、戦線に——覚醒の、力を——送った。
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その、対応に——追われ。
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誠の——芽生えかけた、"気づき"、は。
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再び——中断されて、しまった。
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だが——その、"気づき"、の、種は。
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確かに——誠の、胸に——蒔かれていた。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「前線の、中心に、立った。皆瀬さんを、中心に、世界中の、スライムが……繋がりの糸を、張り巡らせて……全ての戦線が、僕を、中心に、一つに、繋がった。全戦線の、皆の、想いが……流れ込んでくる。"一人じゃ、ない、皆で、一つだ"、って、呼びかけたら……各地に、希望が、広がった。そして……繋がりを、通じて、世界中の、戦線を、見渡せるように、なった。その時……目に、飛び込んできた。各地の、戦線に、ずらりと、並ぶ……一色さんの、光集束レールガン。世界中に、無数に、並ぶ、レールガン。太陽の光を、集めて、弾として、撃つ、巨大な砲。それって……"ガン"、の、設計図と……同じ……? まさか、"ガン"、って……と、思ったら……北の戦線の、危機で、中断された。でも……気づきの、種は、蒔かれた。じいちゃん……もう少しで……何か、大きなことに……気づきそうなんだ……!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。彼が、芽生えかけた、その、気づき——"ガン"、と、"レールガン"、が、同じ、もの、だという、確信が——次の、瞬間……ついに……形に、なることを。
そして——四百年の、謎が……あまりにも……あっけなく……解けることも——今はまだ、知る由もなかった。




