第224話「迫る、刻限」
レールガン作戦の——失敗。
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その、絶望の中でも。
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星喰いの——"最後の、攻撃"、の、準備は。
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刻一刻と——完成へ、近づいていた。
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「田中くん……! 敵の、光……もう……ほとんど……集まりきってる……!」
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桜庭が——空を——見上げ——震える、声で、言った。
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前線の——上空。
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無数の、星喰いが——集めた——太陽の光。
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それが——一点に——凝縮され——不気味な——巨大な、"光の、塊"、と、なりつつ、あった。
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「あんなに……大きな、光……」
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誠は——ぞっと、した。
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「あれが……放たれたら……」
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「桜庭さん。あの、光は……どこを……狙ってるの?」
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誠が、尋ねると——桜庭は——真っ青な、顔で、答えた。
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「計算したの……。あの、光の、"向き"、と……"角度"、を……」
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「その、結果……」
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桜庭は——言葉を——詰まらせた。
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「あの、光が……狙ってるのは……特定の、村でも……国でも、ない」
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「この……"星"、そのもの、なの」
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「星、そのもの……!」
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誠は——愕然と、した。
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「あの、光が……放たれたら……この、星の……表面、全体が……焼き尽くされる」
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桜庭は——震えながら、続けた。
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「村も……国も……全ての、種族も……全部……一瞬で……」
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一同に——底知れぬ——恐怖が——広がった。
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「星、全体が……焼かれる……」
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「そんな……。それが……星喰いの……"本当の、目的"……」
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誠は——勇者の、里で、聞いた——真実を——思い出した。
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「星から、星へ、渡り歩き……太陽の光を、集めて……星を……焼き尽くす……"星喰い"……」
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「これが……その……"焼き尽くす"、瞬間、なんだ……!」
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「刻限は……いつなの……!?」
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誠が、尋ねると——桜庭は——空を——見上げた。
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「光の、集まる、速度から、計算すると……あと……三日」
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「三日後の……正午……太陽が、最も、高く、昇る……その、時に……」
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「あの、光は……放たれる……!」
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「三日後の……正午……!」
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誠は——拳を、握りしめた。
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三日。
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その、間に——星喰いを、倒す——"ガン"、を——完成させ。
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最後の、攻撃を——止めねば、ならない。
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だが——"ガン"、は——完成の、目処すら——立っていない。
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「絶望的だ……」
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誰かが——呟いた。
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「あんな、複雑な、装置……三日で……作れるわけが……」
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再び——皆の、心が——折れかけた。
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「みんな……!」
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誠は——皆に——呼びかけた。
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「諦めるのは……まだ、早い……!」
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「よそ者は……言ってた。"皆で、力を、合わせれば……きっと……星喰いを……倒せる"、って……!」
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「必ず……答えは、ある……! 僕たちが……まだ……気づいてない、だけなんだ……!」
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だが——その、"答え"、は。
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依然——見えないまま——だった。
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そして——刻限は——刻一刻と——迫っていた。
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その、夜。
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誠は——一人——設計図を——見つめ続けた。
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「太陽の光を、集めて……弾として、撃つ……巨大な、砲……」
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「僕たちは……もう……それを、やってる。光集束レールガンで……」
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「なのに……なんで……」
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誠の、頭の中で。
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何か、が——ぐるぐると——回っていた。
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答えは——すぐ、そこに——あるのに。
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まだ——形に、ならない。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「星喰いの、最後の攻撃の、準備が……ほとんど、完成しかけてる。無数の敵が、集めた、太陽の光が……一点に、凝縮されて……巨大な、光の塊に。桜庭さんが、計算したら……あの光が、狙ってるのは……特定の、村でも、国でも、なくて……この、"星"、そのもの、だって。放たれたら……星の、表面、全体が……焼き尽くされる。村も、国も、全ての種族も、一瞬で。これが……星喰いの、本当の、目的。刻限は……三日後の、正午。太陽が、最も、高く、昇る、時。三日で……ガンを、完成させて……止めないと。でも……ガンは、完成の、目処すら、立ってない。絶望的だ。でも……諦めない。よそ者が、"皆で、力を、合わせれば、倒せる"、って。答えは、必ず、ある。僕たちが、まだ、気づいてないだけ。設計図を、見つめ続けた。太陽の光を、集めて、撃つ……僕たちは、もう、やってる……なのに、なんで……。じいちゃん……答えは、すぐ、そこに、あるのに……!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。彼が、見つめ続ける、その、設計図の、答えが——"作る"、ものでは、なく……"すでに、目の前に、並んでいる"、ものであることを。
そして——その、答えに、気づく、瞬間が……もう……本当に……すぐ、そこまで……来ていることも——今はまだ、知る由もなかった。




