第222話「変わり果てた、前線」
全速力で——前線へ——戻る、誠たち。
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だが——近づくにつれ。
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空の、様子が——おかしいことに——気づいた。
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「アルフレート様……! 空が……!」
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前線の——上空。
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そこでは——無数の、敵が。
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これまで、以上に——密集し——一斉に——"一点"、に——向きを、揃えていた。
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「敵が……完全に……向きを、揃えてる……!」
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誠は——ぞっと、した。
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「まさか……"最後の、攻撃"、の……準備が……!」
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ようやく——前線の、拠点に——たどり着いた。
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そこは——変わり果てていた。
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「みんな……! 無事か……!」
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誠は——駆け込んだ。
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拠点には——傷ついた、仲間たちが——溢れていた。
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「田中……! 戻ったか……!」
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竜崎が——満身創痍で——迎えた。
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「竜崎! 何が、あったんだ!」
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「敵が……総攻撃を……仕掛けてきた」
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竜崎は——苦しそうに、続けた。
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「これまでとは……比べ物に、ならない……数の、敵が……一斉に……」
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「俺たちは……なんとか……防いだが……ギリギリ、だった……」
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「みんなは……!?」
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「藤原も……グランデルも……皆、無事だ。だが……」
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竜崎は——空を——見上げた。
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「敵は……今……"総攻撃"、を、止めて……何か……大きな、準備を……始めてる」
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「大きな、準備……! それは……!」
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その時——桜庭が——駆け寄ってきた。
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「田中くん! 大変なの! 敵が……全部の……鏡の面を……ある、"一点"、に……向け始めてる……!」
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「一点に……!」
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誠は——真実を——思い出した。
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「まさか……! 星喰いが……全部の、鏡で……太陽の光を……一点に、集めて……!」
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「知ってるの!?」
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桜庭が——驚いた。
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「うん……。勇者の、里で……全部……分かったんだ」
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誠は——皆に——向き直った。
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「みんな……! 聞いてほしい……! 敵の、正体……そして……この、戦いの……真実を……!」
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誠は——皆瀬の、力を、借りて。
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勇者の、里で、知った——全ての、真実を——皆に——伝えた。
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敵が——星から、星へ、渡り歩く——"星喰い"、であること。
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四百年前——よそ者が——この、世界に——抗う、術を、遺したこと。
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神様と、よそ者の——哀しい、物語。
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二つの、月の——真実。
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そして——"ガン"、が——星喰いを、倒すための——巨大な、砲、であること。
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皆は——静かに——聞いていた。
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真実の——あまりの、重さに——言葉を——失いながら。
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「そんな……。敵は……そんな……哀しい……」
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藤原が——呟いた。
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「じゃあ……その、"ガン"、を、完成させれば……星喰いを……倒せるんやな!?」
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グランデルが——身を、乗り出した。
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「はい……! 設計図は……皆瀬さんが……記憶してます……!」
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誠は——力強く、頷いた。
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「でも……問題は……時間です。星喰いの、"最後の、攻撃"、が……いつ、放たれるか……」
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その時——桜庭が——青ざめた、顔で、言った。
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「田中くん……。それが……時間が……ないかもしれないの」
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「え?」
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「敵の……光を、集める、動き……急速に、速まってる。あと……数日で……"最後の、攻撃"、が……完成しちゃう……!」
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「数日……!」
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誠は——愕然と、した。
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数日で——"ガン"、を、完成させ。
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星喰いの——最後の、攻撃を——止めねば、ならない。
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あまりにも——絶望的な——時間との、戦いが——始まろうとしていた。
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「でも……諦めない……!」
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誠は——皆を、見渡した。
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「皆で……力を、合わせれば……きっと……間に合う……! "ガン"、を……完成させるんだ……!」
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「前線に、戻ったら……変わり果ててた。敵が、総攻撃を、仕掛けて……皆、満身創痍。でも、なんとか、防いでくれてた。そして……敵が、今、全部の鏡を、一点に、向けて……"最後の、攻撃"、の、準備を、始めてる。僕は、皆に、勇者の里で、知った、真実を、全部、伝えた。敵が、星喰い、であること。よそ者と、神様の、物語。二つの月の、真実。ガンが、巨大な、砲、であること。皆、真実の、重さに、言葉を、失ってた。グランデルさんが、"ガンを、完成させれば、倒せるんやな!"、って。設計図は、皆瀬さんが、記憶してる。でも……桜庭さんが、"敵の、光を集める、動きが、速まってる。あと、数日で、最後の攻撃が、完成する"、って。数日で……ガンを、完成させて……止めないと。絶望的だ。でも……諦めない。皆で、力を、合わせれば、間に合う。じいちゃん……時間との、戦いだ!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。数日で、"ガン"、を、完成させる、という、この、難題が——実は……"すでに、解決している"、ことを。
そして——その、答えに、気づく、瞬間が……もう……すぐ、そこまで……来ていることも——今はまだ、知る由もなかった。




