第221話「里を、後に」
「前線が……襲われてる……!」
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皆瀬の、報せに——誠は——即座に——動いた。
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「アルフレート様! 急いで、戻らないと!」
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「ああ!」
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だが——その前に。
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石碑が——最後の——言葉を——告げた。
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——待つが、いい……
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——"ガン"、の……設計図と、作り方は……この、石碑に……刻まれている……
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「設計図が……!」
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石碑の、表面が——光り。
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"ガン"、の——詳細な、設計図が——浮かび上がった。
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「皆瀬さん! これを……記憶して……皆に、伝えて!」
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「うん! スライムの、集合意識なら……全部、覚えられる!」
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皆瀬が——設計図を——記憶していく。
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——そして……最後に……一つ……
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石碑の、声が——響いた。
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——"ガン"、を……真に、動かすには……
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——"数"、では、なく……"繋がり"、が……必要だ……
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「繋がり……!」
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誠は——はっと、した。
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——よそ者は……気づいていた……
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——"星喰い"、を、倒すのに……足りないのは……"力"、でも……"数"、でも、ない……
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——バラバラの、力を……一つに、"繋ぐ"、こと……
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——それ、こそが……最後の、鍵、なのだ、と……
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誠は——胸が——熱くなった。
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「繋がり……! それが……"ガン"、を、動かす……最後の、鍵……!」
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「僕たちが……ずっと……大切にしてきた……"繋がり"……!」
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「よそ者も……同じことに……気づいてたんだ……!」
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四百年前——たった一人で。
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この、世界を——守ろうとした——よそ者。
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彼が——たどり着いた——答え。
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それは——誠が——ずっと、信じてきた——"繋がり"、と——同じだった。
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「よそ者……。あなたの、想い……確かに……受け継ぎました」
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誠は——静かに——石碑に——誓った。
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「必ず……皆の、力を、繋いで……"ガン"、を、動かして……星喰いを……倒します」
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石碑の、光が——静かに——収まっていった。
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役目を——終えた、かのように。
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「行きましょう、アルフレート様! 皆瀬さん!」
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「ああ!」
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誠たちは——禁忌の、間を——後に、した。
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地上に、出ると——里の、長が——待っていた。
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「真実は……知れたか」
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「はい。全て……」
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「そうか」
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長は——静かに、頷いた。
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「ならば……行きなさい。世界を……救うために」
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「長。ありがとう、ございました」
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アルフレートが——頭を、下げた。
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「アルフレート」
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長は——静かに、言った。
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「お前は……立派な……"勇者"、に、なった。里の、誇りだ」
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アルフレートは——静かに——微笑んだ。
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「いえ……。俺は……一人では、何も、できません。仲間が……いるから、こそ、です」
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こうして——誠たちは。
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真実を——胸に。
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勇者の、里を——後にした。
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「アルフレート様。急ぎましょう。皆が……待ってます」
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「ああ。全速力で、戻るぞ」
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だが——誠の、胸には——一つ——引っかかりが——残っていた。
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(あの、"ガン"、の、設計図……。太陽の光を、集めて……弾として、撃つ、巨大な、砲……)
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(やっぱり……どこかで……見たことが、ある、気が……)
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だが——今は——考えている、暇は——なかった。
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一刻も、早く——前線へ——戻らねば、ならない。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「石碑が、最後に……"ガン"、の、設計図と、作り方を、見せてくれた。皆瀬さんが、記憶してくれた。そして……石碑が、"ガンを、真に、動かすには、数では、なく、"繋がり"、が、必要だ"、って。よそ者は、気づいてた。星喰いを、倒すのに、足りないのは、力でも、数でも、なく……バラバラの力を、一つに、繋ぐこと。それこそが、最後の鍵、だって。僕が、ずっと、信じてきた、"繋がり"、と……同じだった。四百年前、たった一人で、この世界を、守ろうとした、よそ者が、たどり着いた、答え。必ず、受け継ぐ、って、誓った。里の長が、"アルフレートは、立派な勇者に、なった、里の誇り"、って。アルフレート様は、"一人では、何もできない。仲間が、いるから"、って。急いで、前線へ、戻る。でも……あの、ガンの、設計図……やっぱり、どこかで、見た気が……。じいちゃん……気になるけど、今は、急がないと!」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。彼が、感じている、その、引っかかり——"どこかで、見た、気が、する"、が——前線に、戻った、時……ついに……"確信"、へと……変わることを。
そして——その、"確信"、こそが……四百年の、謎を……あっけなく……解き明かすことも——今はまだ、知る由もなかった。




