第216話「よそ者と、神様」
映像に、現れた——神様。
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だが——四百年前の、神様は。
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今と——少し——違っていた。
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その、表情には——今のような——飄々とした——気配は——なかった。
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ただ——深い——悲しみと——後悔が——刻まれていた。
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——神は……"天の、住人"、であった……
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石碑の、声が——響いた。
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——そして……あの、"よそ者"、と……同じ、世界の……出身、であった……
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「同じ、世界……!」
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誠は——驚いた。
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「神様も……あの、よそ者と……同じ、世界から……!」
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——二人は……故郷で……無二の……"親友"、であった……
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——共に、育ち……共に、笑い……共に……夢を、語り合った……
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映像には——四百年前より——さらに、昔。
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二人が——まだ、若く。
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美しい——"故郷"、の、星で——楽しげに——過ごす、姿が——映し出された。
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「神様と……よそ者は……親友、だったんだ……」
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誠は——胸が——熱くなった。
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だが——映像は——一転した。
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——ある日……彼らの、故郷に……"それ"、が……来た……
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美しかった——故郷の、星の、空が——割れた。
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そして——無数の——金属の、物体が——現れた。
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「あれは……! 今、僕たちを……襲ってる、敵と……同じ……!」
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誠は——愕然と、した。
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——"それ"、は……星から、星へと……渡り歩き……
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——太陽の光を……集め……その、星を……焼き尽くす……
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——"星喰い"、と……呼ばれる……存在で、あった……
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「星喰い……!」
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誠は——ぞっと、した。
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——彼らの、故郷も……その、"星喰い"、に……焼かれた……
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——無数の、命が……失われた……
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映像の中——故郷の、星が。
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無数の、金属の、物体が——集めた——巨大な、光に——焼かれていく。
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「そんな……。星、そのものが……焼かれる……!」
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誠は——言葉を——失った。
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——神と……よそ者は……辛うじて……故郷から……脱出した……
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——だが……二人の、乗り物は……別々の、方向へ……逃げることに、なった……
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映像には——燃える、故郷を、背に。
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二人が——別々の、乗り物で——逃げていく、姿が——映し出された。
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——"必ず……また、会おう"……
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——それが……二人の……最後の、言葉、であった……
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誠は——胸が——締め付けられた。
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「神様と……よそ者は……そこで……離れ離れに……」
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——よそ者は……この、世界に……辿り着いた……
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——そして……神は……"天の、存在"、と、なり……この、世界を……見守る、ことに、なった……
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「じゃあ……神様は……この、世界に、来てから……ずっと……よそ者の、ことを……」
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——神は……知っていた……
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——同じ、世界に……親友が……辿り着いた、ことを……
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——だが……"天の、存在"、と、なった、神は……直接……関わることが……できなかった……
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誠は——神様の——あの、寂しげな、様子を——思い出した。
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「神様が……いつも……意味深なことを……言ってたのは……」
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「よそ者のことを……ずっと……想ってたから……!」
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映像は——続いた。
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この、世界に——辿り着いた——よそ者。
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彼は——たった一人で。
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いつか、来る——"星喰い"、に——抗うための——準備を——始めた。
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「彼は……一人で……この、世界を……守ろうと……」
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誠は——よそ者の、姿に——涙が——滲んだ。
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その日、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「映像に、現れた、神様は……今と、違って……深い、悲しみと、後悔を、刻んでた。石碑の声が、"神は、天の住人で、あのよそ者と、同じ世界の、出身。二人は、故郷で、無二の、親友だった"、って。神様と、よそ者は……親友、だったんだ。でも……二人の、故郷に、"それ"、が、来た。今、僕たちを、襲ってる、敵と、同じ、金属の、物体。星から、星へ、渡り歩き……太陽の光を、集めて、星を、焼き尽くす……"星喰い"。彼らの、故郷も、焼かれた。二人は、辛うじて、脱出したけど……別々の、方向へ。"必ず、また、会おう"、が、最後の言葉。よそ者は、この世界に、辿り着き……神は、天の存在に、なって、見守ることに。神様が、直接、関われなかったのは……天の存在に、なったから。いつも、意味深だったのは……よそ者を、ずっと、想ってたから。よそ者は……一人で、この世界を、守ろうと、した。じいちゃん……なんて……哀しい、物語なんだ……」
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心の中に——二つの、月が——浮かんでいた。
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まだこの時の誠は知らない。よそ者が、この、世界に、遺した、"抗う、術"、の、全貌を。
そして——その、中に……"ガン"、の……本当の、意味も……隠されていることも——今はまだ、知る由もなかった。




