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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
勇者の里

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第213話「勇者の、里」

険しい——山道を——登り続けた、末。



ついに——二人は——たどり着いた。



「あれが……勇者の、里だ」




アルフレートが——指さした、先。





山々に——囲まれた——隠れ里。




古い——石造りの、建物が——立ち並ぶ——静かな、集落だった。





「ここが……勇者の、里……」




誠は——里を——見渡した。




想像していた——華やかな、"勇者"、の、イメージとは——違った。




質素で——古びた——けれど——どこか——荘厳な、雰囲気を——纏った、里。






二人が——里に——足を、踏み入れると。




里の、人々が——集まってきた。




「おや……。あんたは……アルフレートじゃ、ないか」




年老いた——里の、長が——アルフレートを、見て——驚いた。





「長……。お久しぶりです」




アルフレートは——恭しく——頭を、下げた。




「まさか……お前が……戻ってくるとはな」




長は——複雑な、表情を、した。




「里、始まって、以来の……"落ちこぼれ"、だった……お前が」





その、言葉に——誠は——むっと、した。




「アルフレート様は……落ちこぼれ、なんかじゃ、ありません!」




「田中……」





誠は——長に——訴えた。




「アルフレート様は……世界を、救うために……ずっと、戦ってきました! 僕たちを……導いて、くれました!」




「アルフレート様、以上の……立派な、"勇者"、を……僕は、知りません!」





長は——誠を——じっと、見つめた。




そして——静かに——微笑んだ。




「……そうか。アルフレートは……良い、仲間を……持ったのだな」





「長。今日は……お願いが、あって……参りました」




アルフレートは——真剣な、顔で——切り出した。




「"禁忌の、間"、に……入る、許可を……いただきたいのです」





長の、顔が——こわばった。




「禁忌の、間、だと……!? なぜ……そのような、場所に……」





「この、世界が……今……大変な、危機に……瀕しています」




アルフレートは——静かに、続けた。




「天から……無数の、敵が、現れ……世界を……焼き尽くそうと、しています」




「その、敵を、倒すには……禁忌の、間に、眠る……"真実"、が……必要なのです」





長は——長い、沈黙の、後——重い、口を、開いた。




「……やはり、来たか。"その、時"、が」




「長……? どういう、意味ですか」





「我ら、勇者の、里には……古くから……こう、言い伝えられておる」




長は——静かに、語り始めた。




「"いつの日か……天より……災い、再び、来たらん"」




「"その、時……禁忌の、間の、封印を……解く、者、現れん"」





「再び……!?」




誠は——はっと、した。




「"再び"、って……ことは……昔にも……同じことが……あったんですか?」





長は——静かに、頷いた。




「……そうじゃ。今から……四百年、前」




「四百年、前……!」





「その、話は……禁忌の、間で……語るべきじゃろう」




長は——静かに、立ち上がった。




「アルフレート。そして……その、仲間よ。ついて、来なさい」




「禁忌の、間へ……案内しよう」






ついに——世界の、真実へと——続く、扉が。




開かれようと、していた。





その夜——ではなく——里に、着いた、その日。




誠は——祖父のノートに、こう書き加えた。


「ついに、勇者の里に、着いた。想像してた、華やかな、イメージと、違って……質素で、古びた、けど、荘厳な、里だった。里の長が、アルフレート様を、見て、"里、始まって以来の、落ちこぼれ"、って。僕、思わず、"アルフレート様は、落ちこぼれなんかじゃ、ない! こんな、立派な、勇者を、知らない!"、って、言い返しちゃった。長は、"アルフレートは、良い仲間を、持ったのだな"、って、微笑んでくれた。アルフレート様が、"禁忌の間に、入る許可を"、って、頼んだら……長が、"やはり、来たか、その時が"、って。里には、"天より、災い、再び、来たらん。その時、禁忌の間の、封印を、解く者、現れん"、って、言い伝えが。"再び"……四百年前にも、同じことが、あった、って。その話は、禁忌の間で、語るべき、って。ついに……世界の、真実を、知る時が……来る。じいちゃん……四百年前に、何が、あったんだ……」



窓の外——裂けた、空と——二つの、月。



まだこの時の誠は知らない。四百年前……この、勇者の、里で、起きた、こと——それが……この、世界の、全ての……"始まり"、で、あったことを。


そして——禁忌の、間で……彼を、待ち受ける、真実が……敵の、正体だけで、なく……神様の、あの、"相棒"、の……物語でも、あることも——今はまだ、知る由もなかった。

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