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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
中間の山場

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第209話「本体の、力」

——ゴゴゴゴゴゴ……!!!



大地を、揺るがす——不気味な、音。



その、正体は——すぐに——明らかになった。



敵の——"本体"、が。




その、周囲の——無数の、敵を——一斉に——己の、周りに——集め始めたのだ。




「な……! 敵が……本体の、周りに……集まってくる……!」





これまで——散らばっていた、敵が。




本体の、周りに——密集し——幾重にも——"壁"、を——作っていく。





「突撃部隊が……本体に……近づけなくなる……!」




誠は——焦った。




「アルフレート様! 急いで……! 本体が……守りを、固めてます……!」





「分かっている! だが……!」




アルフレートたち、突撃部隊は——密集する、敵の、壁に——阻まれ始めた。




「くっ……! 敵が……多すぎる……!」






そして——本体が——さらに——恐ろしい、力を——見せた。




本体の、周りに、集まった——無数の、敵が。




その、鏡の、面を——一斉に——本体に、向けたのだ。





「あれは……! 太陽の光を……本体に……集めてる……!?」




桜庭が——愕然と、した。





無数の、敵が——集めた——太陽の光。




それが——本体に——注ぎ込まれていく。




本体が——眩く——輝き始めた。





「まずい……! 何か……とてつもない、力が……溜まっていく……!」




誠は——ぞっと、した。





そして——





——ゴォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!





本体から——凄まじい——光の、奔流が——放たれた。




これまでの——光の柱とは——比べ物に、ならない——巨大な、光。





その、光が——突撃部隊を——薙ぎ払った。





「うわあああ!」



「ぐああっ!」





覚醒した——精鋭部隊が——一瞬で——吹き飛ばされた。




「みんな……!」




誠は——絶叫した。






かろうじて——アルフレートが——皆を、庇い——最悪の、事態は——免れた。




だが——突撃部隊は——散り散りに——撤退を——余儀なくされた。




「退け……! 一旦、退くんだ……!」




アルフレートが——叫んだ。






満身創痍で——突撃部隊が——戻ってきた。




「みんな……! 無事……!?」




誠は——駆け寄った。




「なんとか……な。だが……手も足も……出なかった」




竜崎が——悔しそうに、言った。





「あの、本体……。無数の、敵を……"盾"、に、して……さらに……その、敵の、光を……集めて……あんな、一撃を……」




グランデルが——呻いた。




「ワシらの、力じゃ……とても……近づけへん……」





誠は——愕然と、した。




「本体は……ただの、"中枢"、じゃ、なかった……」




「無数の、敵を……従えて……その、全ての、力を……自分に、集められる……」




「つまり……本体こそが……最強の……"武器"、なんだ……」






総力を、挙げた、作戦は——本体の、圧倒的な、力の、前に。




無残にも——失敗に——終わった。





「そんな……。あれだけ……準備したのに……」




皆の、顔に——深い、絶望が——広がった。





「あの、本体を……どうやって……倒せば……」




誰も——答えられなかった。






だが——その時。




誠は——ある、ことに——気づいた。




「待って……。今の、一撃……本体が……無数の、敵の、光を……集めて、放った」




「それって……僕たちが……スライムの、レンズで……光を、集めて、撃つのと……同じ、原理じゃ、ないか?」





桜庭が——はっと、した。




「そう、言われれば……! 本体は……無数の、敵を……"レンズ"、みたいに、使って……光を、集めてる……!」





「敵と……僕たちは……同じ、"仕組み"、を……使ってる……」




誠は——考え込んだ。




「なら……もし……僕たちも……本体、みたいに……もっと、たくさんの、力を……集められたら……」





まだ——答えは——見えない。




だが——敵の、圧倒的な、力を——目の当たりにした、ことで。




誠は——一つの——重要な、"ヒント"、を——掴みかけていた。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「作戦は……失敗した。本体が……周りの、無数の、敵を、集めて……幾重にも、壁を、作って……突撃部隊を、阻んだ。しかも……その、無数の、敵の、鏡の面を、本体に、向けて……太陽の光を、本体に、集めて……とてつもない、一撃を、放った。覚醒した、精鋭が……一瞬で、吹き飛ばされた。アルフレート様が、庇って……最悪は、免れたけど……皆、満身創痍で、撤退した。本体は……ただの、中枢じゃ、なかった。無数の、敵を、従えて……全ての力を、自分に、集められる。本体こそが、最強の、武器なんだ。でも……気づいた。本体が、光を、集めて、撃つのは……僕たちが、スライムのレンズで、撃つのと……同じ、原理だ。敵は、無数の敵を、"レンズ"、みたいに、使ってる。なら……僕たちも、もっと、たくさんの力を、集められたら……。じいちゃん……絶望的だ。でも……何か……ヒントが、見えた気が、するんだ」



窓の外——裂けた、空と——二つの、月。



まだこの時の誠は知らない。今、彼が、掴みかけた、この、ヒント——"敵と、同じように……もっと、大きく、力を、集める"、こそが——やがて……"繋がりの、陣"、へと……繋がることを。


そして——敵の、"本体"、の……本当の、正体を、知る日が……もう……すぐ、そこまで……来ていることも——今はまだ、知る由もなかった。

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