第206話「作戦の、準備」
「本体を、叩く」
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その、大作戦に、向けて。
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皆は——総力を、挙げて——準備を——始めた。
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まず——光集束レールガンの——増産。
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「一点に、風穴を、開けるには……できるだけ、多くの……光集束レールガンが……必要よ」
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一色は——帝国の、全工房を——動員した。
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「職人の、皆さん! 力を、貸して! 世界の、命運が……かかってるの!」
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覚醒した——職人たちが——不眠不休で——光集束レールガンを——作り上げていく。
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次に——突撃部隊の——編成。
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風穴から——本体へ——突撃する——精鋭。
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「これは……最も、危険な、役目だ」
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アルフレートが——静かに、言った。
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「無数の、敵の、只中を……突き進む。生きて、帰れる、保証は……ない」
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だが——志願者は——後を、絶たなかった。
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「ワシが、行く! 鬼族の、力……見せたるわ!」
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グランデルが——真っ先に——名乗りを、上げた。
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「うちも、行く! 空からの、突破なら……任せとき!」
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藤原も——続いた。
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「俺も、行くぜ。傭兵の、腕の……見せ所だ」
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竜崎も——加わった。
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「我が、闇の、力……本体を、貫くために……使おう」
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黒崎も——名乗りを、上げた。
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そして——アルフレート、自身も。
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「俺が……先頭に、立つ。勇者として……最も、危険な、場所は……俺が、引き受ける」
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精鋭部隊が——編成されていく。
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覚醒した——最強の、戦士たち。
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彼らが——本体へと——突撃する。
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「みんな……。危険な、役目を……ありがとう」
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誠は——皆に——頭を、下げた。
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「僕は……戦えない。だから……皆に……頼るしか、ない」
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「何を、言うとるんや、田中」
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グランデルが——笑った。
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「お前が……ワシらを……覚醒させて、くれたんや。お前が、いなかったら……ワシらは……ここまで、来られへんかった」
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「そうや。田中くん」
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藤原も——微笑んだ。
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「うちらが、突撃、できるのも……あんたが……皆を、繋いで……力を、くれたから、や」
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誠は——胸が——熱くなった。
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「みんな……」
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「田中」
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アルフレートが——静かに、言った。
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「お前には……一番、大事な、役目が、ある」
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「一番、大事な、役目?」
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「作戦の、最中……皆を……"繋ぎ続ける"、ことだ」
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アルフレートは——静かに、続けた。
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「突撃部隊が……疲弊すれば……お前が、覚醒で……回復させる。連携が、乱れれば……お前が……皆を、繋ぎ直す」
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「お前が……全体を……繋いでいる、限り……俺たちは……戦い続けられる」
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「はい……! 僕が……皆を……繋ぎ続けます……!」
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誠は——力強く、頷いた。
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こうして——大作戦の——準備が——整っていった。
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光集束レールガンの——砲列。
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覚醒した——精鋭部隊。
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そして——全体を、繋ぐ——誠。
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「敵の、準備が……完成する、前に……決行する」
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アルフレートは——皆を、見渡し——宣言した。
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「これが……我々の……総力を、挙げた……一撃だ」
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「本体を、叩く、大作戦の、準備を、始めた。一色さんが、帝国の、全工房を、動員して……光集束レールガンを、増産してる。突撃部隊も、編成した。無数の敵の、只中を、突き進む……最も、危険な、役目。でも……グランデルさん、藤原さん、竜崎、黒崎……そして、アルフレート様、自身が……次々、名乗りを、上げてくれた。僕は、戦えないから、皆に、頼るしか、ない。そう、言ったら……グランデルさんが、"お前が、覚醒させてくれたから、ここまで、来られた"、って。アルフレート様が、"お前には、一番、大事な、役目が、ある。皆を、繋ぎ続けることだ。お前が、全体を、繋いでいる限り、俺たちは、戦い続けられる"、って。僕が……皆を、繋ぎ続ける。それが、僕の、役目だ。敵の、準備が、完成する前に……決行する。総力を、挙げた、一撃だ。じいちゃん……皆と、一緒に……必ず、やり遂げるよ」
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窓の外——裂けた、空と——二つの、月。
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まだこの時の誠は知らない。総力を、挙げた、この、作戦が——敵の、想像を、絶する、力の、前に……予想外の、結末を……迎えることを。
そして——その、時……皆が……初めて……敵の、"本当の、恐ろしさ"、を……思い知ることも——今はまだ、知る由もなかった。




