第205話「本体を、狙え」
敵が——"本当の、準備"、を——進めている。
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その、脅威を、前に——皆は——対策を——話し合った。
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「敵が……全部の、鏡で……大きな、光を……作ろうとしてる。それを……どうやって、止めるか」
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誠は——皆を、見渡した。
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「一つ、一つの、敵を……撃ち落とす、だけじゃ……間に合わない」
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桜庭が——指摘した。
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「数十万の、敵を……準備が、完成する、前に……全部、倒すなんて……不可能よ」
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一同に——重い、沈黙が——流れた。
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「じゃあ……どうすれば……」
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その時——アルフレートが——口を、開いた。
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「一つ……方法が、ある、かもしれん」
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「なんですか!」
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「敵の……"本体"、を、叩くのだ」
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「本体……!」
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誠は——はっと、した。
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以前——藤原が、見た——敵の、奥の——"大きな、影"。
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全体を、統べていると、思われる——"中枢"。
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「あの、無数の、敵が……あんなに、統率されて、動くのは……"本体"、が……指揮しているからだ」
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アルフレートは——静かに、続けた。
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「もし……その、"本体"、を……叩ければ……敵、全体の、動きを……止められる、かもしれん」
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「大きな、光の、準備も……止められるはずだ」
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「なるほど……! 数十万を、全部、倒す、必要は、ない……! "本体"、一つを……叩けば、いい……!」
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誠は——希望を——見出した。
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「でも……」
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藤原が——難しい、顔を、した。
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「あの、"本体"、は……敵の、陣の……一番、奥……一番、高いところに、おる。そこへ、たどり着くには……無数の、敵を……突破せなあかん」
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「そうか……」
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誠は——考え込んだ。
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覚醒した——味方の、力は——確かに、強い。
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だが——本体へ、至る、道は——無数の、敵に——阻まれている。
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「突破する……ためには……」
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誠は——考えを、巡らせた。
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「一点を……集中して、攻撃して……"道"、を……こじ開ける……?」
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「それなら……」
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一色が——口を、開いた。
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「光集束レールガンを……たくさん、並べて……一点に、集中砲火すれば……敵の、陣に……"風穴"、を……開けられるかもしれない」
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「風穴……!」
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誠は——はっと、した。
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「その、風穴から……覚醒した、部隊が……一気に……本体へ……突撃する……!」
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「それが……できれば……勝機は、ある」
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アルフレートが——静かに、頷いた。
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作戦の——大まかな、方針が——見えてきた。
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一、光集束レールガンで——敵の、陣に——風穴を、開ける。
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二、その、風穴から——覚醒した、精鋭部隊が——本体へ、突撃する。
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三、本体を——叩き——敵、全体の、動きを——止める。
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「これは……大きな、賭けだ」
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アルフレートは——静かに、言った。
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「失敗すれば……多くの、犠牲が、出る。だが……敵の、準備が、完成する、前に……やるしか、ない」
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「はい……」
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誠は——決意を、固めた。
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「皆の、力を……一つに、繋いで……必ず……成功させます」
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だが——誠の、心には——一つ——引っかかりが——あった。
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(本体を、叩けば……敵は、止まる。でも……それで……"本当に"……終わるのか)
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(僕たちは……まだ……敵の、"本当の、目的"、を……知らない。なぜ……敵が……この、世界を……焼こうと、しているのか)
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(その、答えを、知らないまま……本体を、叩いて……本当に、いいのか)
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だが——今は——考えている——時間は——なかった。
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敵の、準備は——刻一刻と——完成へ、近づいている。
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「とにかく……作戦の、準備を、進めよう」
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誠は——皆に、告げた。
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「敵の、準備が……完成する、前に……本体を……叩くんだ」
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「敵の、準備を、止める、方法を、話し合った。数十万を、全部、倒すのは、不可能。でも……アルフレート様が、"敵の、本体を、叩けば、全体の動きを、止められるかもしれん"、って。あの、奥の、大きな、影……中枢。それを、叩けば、大きな光の、準備も、止められる。でも……本体は、一番奥の、高いところで、無数の敵に、守られてる。そこで……一色さんが、"光集束レールガンで、一点に、集中砲火して、敵の陣に、風穴を、開ける"、って。その風穴から、覚醒した、精鋭が、本体へ、突撃する。大きな、賭けだ。でも……敵の準備が、完成する前に、やるしかない。ただ……一つ、引っかかってる。本体を、叩けば、敵は、止まる。でも……僕たちは、まだ、敵の、"本当の、目的"、を、知らない。なぜ、この世界を、焼くのか。それを、知らないまま……本当に、いいのか。じいちゃん……でも、今は、考えてる、時間が、ない。やるしか、ないんだ」
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窓の外——裂けた、空と——二つの、月。
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まだこの時の誠は知らない。この、"本体を、叩く"、という、作戦が——敵の、恐ろしい、力の、前に……手痛い、失敗に、終わることを。
そして——その、失敗こそが……皮肉にも……敵の、"本当の、目的"、を、知る……きっかけに、なることも——今はまだ、知る由もなかった。




