表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
183/560

第181話「後方の、予備」

敵が——何か——巨大な、"準備"、を、進めている。



その、脅威を、前に。



誠たちは——それでも——できることを——続けるしか、なかった。



「今は……敵の、数を……少しでも、減らすしか、ない」




誠は——皆に、言った。




「敵が、準備を、完了する、前に……少しでも……こちらの、力を……蓄えておこう」






だが——連日の、戦いで。




仲間たちの——疲労は——限界に——近づいていた。




「田中……。すまん。もう……腕が、上がらん……」




スライムを——運び続けた、鬼族が——ぐったりと、していた。





「うちも……羽が……重い……」




飛び続けた、龍族も——疲れ果てていた。





「これじゃあ……いざ、って、時に……力が、出せない……」




誠は——焦った。




「休ませたい。でも……休めば……その分……敵に……やられる……」






その時——竜崎が——ある、提案を、した。




「田中。"予備"、の、部隊を……作ったら、どうだ」



「予備?」




「ああ。全員で、戦うんじゃ、なくて……何割かは……後方で、待機させる。疲れた、やつと……交代させるんだ」




竜崎は——傭兵団の、経験から——語った。




「そうすれば……常に……"元気な、部隊"、で……戦える。それに……いざ、って、時の……"切り札"、にも、なる」





「なるほど……! さすが、竜崎……戦い慣れてる……!」




誠は——感心した。




「全部の、力を……一度に、使い切るんじゃ、なくて……余力を、残しておく、んだね」





こうして——"予備部隊"、が——編成された。




前線で、戦う——部隊。




後方で、休み——備える——予備部隊。




そして——両者を——定期的に——交代させる。





「これで……少しは……皆の、負担が……減るはずだ」




誠は——ほっと、した。






だが——ここでも——問題が——あった。




「田中殿。予備部隊を、作ると……前線の、戦力が……減ります」




忍者が——指摘した。




「その分……前線で……倒せる、敵の、数も……減ります」





「そうか……」




誠は——考え込んだ。




全力で、戦えば——消耗が、激しく——長く、もたない。




余力を、残せば——長く、もつが——倒せる、数が、減る。




「どっちを、取っても……敵の、増加には……追いつかない……」





「ジリ貧、だな」




竜崎が——ぽつり、と、言った。




「どんなに、うまく、やっても……少しずつ……追い詰められていく」





誠は——唇を、噛んだ。




確かに——今の、状況は——まさに——"ジリ貧"、だった。




どんなに、工夫しても——敵の、増加には——追いつけない。




ただ——少しずつ——追い詰められていくだけ。





「何か……状況を……根本から……変える、"何か"、が……必要だ」




誠は——考えた。




「今の、やり方の……延長じゃ、ダメなんだ。もっと……全然、違う……"発想"、が……」





だが——その、"発想"、が——何なのか。




誠には——まだ——見えなかった。





「アルフレート様。何か……いい、考えは……ありませんか」




誠が、尋ねると——アルフレートは——静かに、答えた。




「……正直……俺にも……分からん」




世界最強の、勇者ですら——この、状況を——打開する、術を——見出せずにいた。





「だが……」




アルフレートは——静かに、続けた。




「一つ……言えることが、ある。今の……"力と力"、の、ぶつかり合いでは……我々に……勝ち目は、ない」




「勝つには……何か……敵の、"想定"、を……超える……"別の、何か"、が……必要だ」





「敵の、想定を……超える……別の、何か……」




誠は——その、言葉を——胸に、刻んだ。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「連日の、戦いで……皆の、疲労が、限界に、近づいてる。竜崎が、"予備部隊を、作れ。余力を、残して、交代で、戦え"、って。さすが、戦い慣れてる。予備部隊を、編成した。でも……忍者さんが、"予備を、作ると、前線の、戦力が、減って、倒せる数も、減る"、って。全力なら、消耗が、激しくて、もたない。余力を、残せば、倒せる数が、減る。どっちを、取っても……敵の増加には、追いつかない。竜崎が、"ジリ貧、だな"、って。まさに、その通りだ。何か……状況を、根本から、変える、"何か"、が、必要なんだ。今の、やり方の、延長じゃ、ダメ。アルフレート様ですら、打開策が、分からない、って。でも……"力と力の、ぶつかり合いじゃ、勝ち目はない。敵の、想定を、超える、別の、何かが、必要だ"、って。じいちゃん……別の、何か。それが……何なのか……僕には、まだ、見えないんだ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。アルフレートの言う、"敵の、想定を、超える、別の、何か"、が——実は……すでに……彼らの、手の中に……あることを。


そして——それが……力でも、数でも、なく……彼が、ずっと、大切にしてきた……"あるもの"、で、あることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ