表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
182/560

第180話「増える、光点」

「力任せでは……勝てないのかもしれない」



その、思いを——抱えたまま。



それでも——誠たちは——戦い続けるしか、なかった。



戦いを、やめれば——その、瞬間に——焼かれてしまうのだから。




だが——事態は——さらに——悪化していた。




「田中くん……。見て。空の……敵の、光……」




皆瀬が——不安げに、揺れた。





誠は——空を——見上げた。




そして——気づいた。




「光の点が……増えてる……?」





以前よりも——明らかに。




空に——浮かぶ——敵の、"光"、の、数が——増えていた。




「補充が……追加を、上回ってる……。少しずつ……敵が……増えてるんだ……」





桜庭が——難しい、顔で、言った。




「これまでは……敵の、数は……"維持"、されてた。でも……今は……"増加"、に、転じてる」




「私たちの、反撃を……上回る、速さで……敵が……増えていってるの」





誠は——ぞくり、とした。




「なんで……急に……増え始めたんだ」





「分からない。でも……」




桜庭は——空を——見上げた。




「敵が……"何か"、の……準備を、進めているのかも、しれない」




「その、"準備"、のために……敵の、数を……増やしている……?」





「準備……」




誠は——アルフレートの、言葉を——思い出した。




「今の、攻撃は……小手調べ。本当の、狙いは……別に、ある……」





「まさか……敵は……いよいよ……その、"本当の、狙い"、の、ために……動き始めてるのか……?」




誠は——戦慄した。






その、証拠のように。




藤原が——偵察から——戻ってきて——報告した。




「田中くん……。敵の、様子が……変わってきとる」




「変わってきてる?」




「うん。前は……バラバラに……攻撃してきてた。でも……今は……敵が……少しずつ……"向き"、を……揃えていってるんや」





「向きを……揃える……」




誠は——はっと、した。




以前も——藤原が——同じことを——言っていた。




だが——今回は——それが——さらに——進んでいるようだった。





「前より……はっきり……分かる。敵が……ある、"一点"、に……向かって……鏡の、面を……揃えていってるんや」




藤原は——深刻な、顔で、続けた。




「まるで……全部の、敵で……一つの……"大きな、何か"、を……作ろうと、してるみたいに」





一同に——緊張が——走った。




「全部の、敵で……一つの、大きな、何か……」





誠は——これまでの、断片を——繋ぎ合わせた。




敵は——太陽光を——集める。




無数の——鏡の、面を、持つ。




それを——一点に——揃えていく。





「まさか……」




誠は——ある、恐ろしい、可能性に——思い至った。




「敵が……全部の、鏡を……一点に、向けて……とてつもない……大きな、光を……集めようと、してる……?」





桜庭が——青ざめた。




「もし……そうなら……。私たちの、レンズなんて……比べ物に、ならない……規模の……光が……」




「そんなものを……撃たれたら……」





誠は——ぞっと、した。




「一体……何を……焼くつもりなんだ……」





だが——その、答えは——まだ——見えなかった。




敵が——何を、狙って——その、"大きな、光"、を——集めようと、しているのか。





「とにかく……敵が……その、準備を……完了する、前に……」




誠は——焦りを、感じた。




「何とか……しないと……」




「でも……どうやって……あの、無数の、敵を……」





増え続ける——敵。




進む——不気味な、"準備"。




そして——見えない——"本当の、狙い"。




絶望は——刻一刻と——深まっていった。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「空の、敵の、光の、点が……増えてる。今までは、数が、維持されてたのに……今は、増加に、転じてる。僕たちの、反撃を、上回る、速さで。桜庭さんは、"敵が、何かの、準備を、進めてるのかも"、って。それに……藤原さんが、"敵が、ある、一点に、向かって、鏡の面を、揃えていってる。全部の敵で、一つの、大きな、何かを、作ろうと、してるみたいに"、って。まさか……敵が、全部の、鏡を、一点に、向けて……とてつもない、大きな、光を、集めようと、してるのか。そんなものを、撃たれたら……。一体、何を、焼くつもりなんだ。まだ、分からない。でも……敵が、その準備を、完了する前に……何とか、しないと。でも……どうやって、あの、無数の、敵を……。じいちゃん……絶望が、深まっていく。時間が……ないんだ」



窓の外——裂けた、空と——増え続け、向きを、揃えていく、無数の、敵。



まだこの時の誠は知らない。敵が、集めようとしている、その、"大きな、光"、が——一体、何を……焼こうと、しているのかを。


そして——その、標的が……村でも、国でもなく……この……"星"、そのもので、あることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ