第173話「跳ね返した、光」
二度目の——光線。
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虫人族の、予測と——忍者の、伝達によって——敵の、"進む先"、を、狙った、一撃。
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その、光線が——天へと——駆け上っていく。
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「当たれ……! 頼む……!」
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誠は——祈った。
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皆瀬も——スライムたちも——鬼族も——龍族も——虫人族も——忍者も。
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全員が——固唾を、呑んで——その、行方を——見つめた。
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光線は——ぐんぐんと——上昇し——
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そして——
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——パアアアアン!!!
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上空で——閃光が——弾けた。
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「……!」
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一瞬——時が——止まった。
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そして——
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敵の、一つが——砕けて——落ちてきた。
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「当たった……!」
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誠は——叫んだ。
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「当たった……! 敵に……当たったぞ!」
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「やった……! やったあ!」
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皆瀬の——歓喜の、声が——響いた。
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「私たちの、光が……敵を……倒した……!」
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戦場に——歓声が——爆発した。
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「うおおおおお!」
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「やったぞ! スライムの、光が……効いた!」
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「反撃が……できるんだ!」
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長い——防衛戦。
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なす術もなく——焼かれるだけ、だった——日々。
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その中で——初めて。
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自分たちの、力で——太陽の光を、集め——敵を——撃ち落としたのだ。
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「田中くん! 見て! 私たちの、身体で……敵を……倒せたよ!」
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皆瀬が——空から——嬉しそうに、揺れながら——叫んだ。
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「うん……! 見たよ! すごい……! すごいよ、皆瀬さん!」
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誠も——感激に——声を、震わせた。
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やがて——スライムたちが——地上に、降りてきた。
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誠は——駆け寄った。
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「皆瀬さん……! 皆さん……! 本当に……ありがとう!」
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「田中くん……! 私たち……役に、立てたね!」
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皆瀬は——喜びに——震えていた。
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「ずっと……私たち……ただ、守られてるだけだった。あなたに、身体を、もらって……皆に、助けられて……」
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「でも……今日……初めて……私たちが……皆を、守れた……!」
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誠は——胸が——熱くなった。
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「皆瀬さん……。君たちの、力が……皆を、救ったんだ」
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「そして……これは……皆で……力を、合わせたから……できたことだ」
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誠は——集まった、仲間たちを——見渡した。
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スライムが——レンズと、鏡に、なり。
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鬼族と、龍族が——運び。
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虫人族と、忍者が——狙いを、定めた。
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その、全てが——繋がって——初めて——この、一撃は——成功したのだ。
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「これが……"繋がり"、の、力だ」
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誠は——静かに、呟いた。
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「一つ、一つの、力は……小さくても……皆で、繋がれば……あの、敵にも……勝てる……!」
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その、光景を——アルフレートが——見ていた。
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「田中……」
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「アルフレート様!」
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「ついに……やったな」
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アルフレートは——静かに、微笑んだ。
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「お前が……繋いだ、皆の、力が……初めて……敵を……打ち破った」
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「はい……!」
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誠は——力強く、頷いた。
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「まだ……一つ、倒しただけです。でも……」
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「これで……"できる"、って……分かりました。僕たちの、"繋がり"、は……あの、敵に……通用するんです」
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「そうだな」
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アルフレートは——頷いた。
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「これは……大きな……一歩だ」
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長い——長い、防衛戦。
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その中で——ついに——灯った——確かな、"希望"、の、光。
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自分たちの、力で——敵を——倒せる。
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その、事実が——皆の、心を——奮い立たせた。
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「今日……ついに、やった! スライムの、皆が、太陽の光を、集めて……鏡で、敵に、跳ね返した、光線が……敵に、当たった! 敵の、一つが……砕けて、落ちた! 戦場中が、歓声で、沸いた。なす術もなく、焼かれるだけ、だった、僕たちが……初めて、自分たちの力で、敵を、撃ち落としたんだ。皆瀬さんが、"ずっと、守られてるだけ、だった、私たちが……今日、初めて、皆を、守れた"、って、泣いて、喜んでた。スライムが、レンズに、なって、鬼族と龍族が、運んで、虫人族と忍者が、狙いを、定めて……全部が、繋がって、成功した。これが、繋がりの力だ。一つ一つは、小さくても……皆で、繋がれば……あの敵にも、勝てる! まだ、一つ、倒しただけ。でも……"できる"、って、分かった。じいちゃん……希望の、光が……灯ったよ」
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窓の外——裂けた、空。
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だが——今夜は——その、闇の中に——確かな、"希望"、が——灯っていた。
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まだこの時の誠は知らない。この、"最初の、一撃"、が——長い、戦いの……本当の、始まりであることを。
そして——一つ、倒せた、喜びの、後に……"数万の、敵"、という……途方もない、現実が……再び……重く、のしかかってくることも——今はまだ、知る由もなかった。




