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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

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第170話「鏡の、伝承」

スライムの、レンズの、訓練が——進む、中。



誠は——ふと——一つの、疑問を——抱いた。



「そういえば……スライム族の、言い伝え……"己の、身体と、対に、なる、鏡を、用意せよ"、だったよね」




「レンズの、意味は……分かった。でも……"対に、なる"、って……どういう、意味なんだろう」





皆瀬も——首を、傾げた。




「言われてみれば……。ずっと……その、部分の、意味も……分からなかったの」





「"対に、なる"……。二つで、一組……ってこと、かな」




桜庭が——考えを、巡らせた。




「レンズが……二つ、要る、ってこと……?」





誠は——考え込んだ。




「二つの、レンズ……。片方で……光を、集めて……もう片方で……」




その時——誠は——閃いた。




「そうか……! 一つの、レンズで……光を、集める。でも……それだけじゃ……ただ、熱くなる、だけだ」




「集めた、光を……"敵に、向けて"……もう一度……"跳ね返す"、レンズが……必要なんだ!」





桜庭が——はっと、した。




「そうか……! 集めるだけじゃ、なくて……集めた、光を……狙った、方向に……"飛ばす"、仕組みが……!」




「だから……"対に、なる、鏡"……二つで、一組……!」





「一つ目の、レンズで……太陽の光を、集めて……」




誠は——興奮して、続けた。




「二つ目の……鏡で……その、集めた、光を……敵に、向けて……跳ね返す……!」





「なるほど……! それなら……集めた、光を……正確に……敵に、当てられる……!」




一同に——興奮が——走った。





長年——謎だった——スライム族の、言い伝え。




「己の、身体と、対に、なる、鏡を、用意せよ」




その、"対に、なる"、の、意味が——ついに——解き明かされた。




一つは——光を、集める、"レンズ"。




もう一つは——集めた、光を、敵に、飛ばす、"鏡"。




二つで——一組。





「すごい……。言い伝えの、意味が……全部……解けた」




誠は——感慨深く、呟いた。




「昔の、誰かが……ちゃんと……敵を、倒す、方法を……考えて……スライム族に……託してくれてたんだ」





「でも……」




桜庭が——ふと——言った。




「なんで……こんなに……"回りくどい"、言い方で……託したのかしら」




「もっと、はっきり……"スライムは、レンズと、鏡になって、太陽光を、集めて、跳ね返せ"、って……書けば、いいのに」





誠も——考え込んだ。




「確かに……。なんで……こんな、謎めいた……言い方なんだろう」





「もしかしたら……」




皆瀬が——ぽつり、と、言った。




「その、"昔の、誰か"、が……私たちの、言葉を……うまく……話せなかった、のかも、しれない」





「うまく……話せなかった……?」




誠は——その、言葉に——引っかかりを、覚えた。




「なんで、そう、思うの?」




「なんとなく……。言い伝えの、言葉が……こう……"翻訳"、したみたいな……たどたどしさが、あって」





誠は——その、言葉を——胸に、刻んだ。




(その、"昔の、誰か"、が……僕たちの、言葉を……うまく……話せなかった……)




(まるで……"よそ"、から、来た、みたいに……)





だが——その、考えは——まだ——形に、ならなかった。




「まあ……その、"誰か"、が、誰なのかは……今は、置いておこう」




誠は——気を、取り直した。




「大事なのは……言い伝えの、意味が……解けたこと。二つで、一組の……レンズと、鏡。これで……反撃の、仕組みが……完成に……近づいた」





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「スライム族の、言い伝え、"己の、身体と、対に、なる、鏡を、用意せよ"。"対に、なる"、の、意味が……ついに、解けた。一つ目の、レンズで、太陽の光を、集めて……二つ目の、鏡で、その光を、敵に、向けて、跳ね返す。二つで、一組。だから、"対"、なんだ。昔の、誰かが……ちゃんと、敵を、倒す、方法を、考えて、スライム族に、託してくれてた。でも……桜庭さんが、"なんで、こんなに、回りくどい、言い方なんだろう"、って。皆瀬さんが、"その、昔の誰かが、私たちの言葉を、うまく、話せなかったのかも"、って。まるで、"よそ"、から、来たみたいに……。なんだか……引っかかる。でも、まだ、形に、ならない。とにかく……言い伝えの、意味が、全部、解けた。反撃の、仕組みが……完成に、近づいてきた。じいちゃん……もう少しだ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。スライム族に、伝承を、託した、"昔の、誰か"、が——本当に……"よそ"、から……いや……"遥か、彼方"、から……来た者で、あることを。


そして——皆瀬の、何気ない、気づきが……その、"誰か"、の、正体に……触れかけていたことも——今はまだ、知る由もなかった。

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