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英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

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第169話「皆瀬の、気づき」

スライムの、レンズが——光を、集められる。



それが——証明された、後。



訓練は——さらに——本格化していった。



だが——ある日——皆瀬が——重要なことに——気づいた。



「ねえ、田中くん……。一つ……気になることが、あるの」




「なに?」




「私たち……太陽の光を、集めて……撃ち返すでしょう?」




皆瀬は——静かに、続けた。




「でも……それって……"昼"、しか……できないよね」





誠は——はっと、した。




「あ……。そうか。太陽が、ないと……光を、集められない……」




「そう。夜は……レンズが、あっても……集める、光が、ない」





皆瀬は——不安げに、揺れた。




「敵は……夜襲も、してくる。でも……夜は……私たちの、レンズは……使えない」




「これじゃあ……夜は……防御が……できない……」





誠は——考え込んだ。




確かに——スライムの、レンズは——太陽の光が、なければ——攻撃に、使えない。




夜襲を——受けたら——反撃の、手段が——なくなってしまう。





「うーん……。夜の、対策も……考えないと」




だが——その時——皆瀬が——さらに——別のことに、気づいた。




「あ……でも……待って」




「どうしたの?」




「敵も……同じ、なんじゃ、ないかな」





「え?」




誠は——顔を、上げた。




「敵も……太陽の光を、集めて……攻撃してる。だったら……敵も……夜は……力が、弱まるはず」





誠は——はっと、した。




「そういえば……! 敵の、攻撃は……昼に、激しくて……夜は、弱まる……!」




「桜庭さんも、言ってた……! それって……敵も……太陽が、ないと……力が、出せない、から……!」





「そう!」




皆瀬は——揺れた。




「だから……夜に、してくる、攻撃は……昼ほど……強くない。きっと……昼のうちに、"溜めた"、力を……使ってるんだと思う」





「なるほど……! 夜の、敵の、攻撃が……弱いのは……そういう、理由か……!」




誠は——理解した。





「じゃあ……夜は……お互い……力が、弱まる、時間……」




誠は——考えを、巡らせた。




「なら……昼は……レンズで、攻防を……して……夜は……次の日の、準備を、する……」




「戦いに……"リズム"、を、作れる、かもしれない」





「そうだね……!」




皆瀬も——頷いた。




「夜のうちに……レンズの、隊列を、整えて……傷ついた、仲間を、休ませて……次の、昼に、備える」





「うん。無理に……夜も、戦おうと、するんじゃ、なくて……」




誠は——静かに、続けた。




「昼に、集中して……夜は、休む。そういう、"戦い方"、が……長期戦を……戦い抜く、コツかもしれない」






さらに——皆瀬は——もう一つ——気づいた。




「あとね……。私たち、スライム……光を、集める、だけじゃ、なくて……"溜める"、ことも……できるかも」




「溜める?」




「うん。昼のうちに……たくさん、光を、集めて……身体の中に……溜めておく。そうすれば……少しは……夜も、使えるかも」





「それは……すごい、発見だ!」




誠は——感激した。




「皆瀬さん……! 君たちは……どんどん……新しい、可能性を……見つけていくね」




「えへへ……。皆で……考えたら……色々……思いつくの」





誠は——微笑んだ。




「そうか。これも……"繋がり"、の、力だね。一人じゃ……気づけないことも……皆で、考えれば……見えてくる」





こうして——スライムの、レンズの、戦術は——皆の、知恵によって——少しずつ——磨かれていった。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「皆瀬さんが、気づいた。スライムの、レンズは、太陽の光が、ないと……使えない。夜は、防御が、できない。焦ったけど……皆瀬さんが、さらに、気づいた。"敵も、同じ"、だって。敵も、太陽光を、集めて、攻撃してるから……夜は、力が、弱まる。だから、敵の、夜襲は、昼ほど、強くない。なら……昼は、レンズで、攻防して……夜は、次の日の、準備を、する。戦いに、リズムを、作れる。それに……皆瀬さんが、"光を、溜めることも、できるかも"、って。昼のうちに、光を、溜めておけば、夜も、少しは、使える。すごい、発見だ。皆で、考えると、どんどん、新しい可能性が、見えてくる。これも、"繋がり"、の力だ。じいちゃん……皆の、知恵で……戦い方が、磨かれていくよ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。この、"昼と夜の、リズム"、という、戦術が——長く、過酷な、持久戦を……戦い抜くための……大切な、知恵に、なることを。


そして——スライムたちが……"光を、溜める"、という、力が……やがて……決戦の、切り札に……繋がっていくことも——今はまだ、知る由もなかった。

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