第168話「集める、太陽の光」
反撃の、"形"、は——見えた。
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だが——それを——実現するのは——容易では、なかった。
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「まずは……小さな、規模で……試してみよう」
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誠は——皆瀬たちと——訓練を、始めた。
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数十匹の——スライムが——集まり——一つの、"レンズ"、の、形を——作ろうとする。
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「皆……心を、一つに……して……」
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皆瀬の、号令で——スライムたちが——融合し——透明な、塊に、なっていく。
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「いい、感じだ……! そのまま……真ん中を……ふくらませて……」
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誠が——指示を、出す。
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スライムの、塊が——少しずつ——凸レンズの、形に——なっていった。
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「よし……! 太陽の光を……当ててみよう!」
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スライムの、レンズに——太陽の光が——差し込む。
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そして——その、光が——レンズを、通って——一点に——集まろうと、した。
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だが——
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「あれ……? 光が……ばらけてる……」
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集まった、光は——ぼんやりと、広がり——とても——武器に、なるような——鋭さは——なかった。
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「レンズの、形が……歪んでるんだ」
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桜庭が——指摘した。
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「ほんの、少しの、歪みでも……光は、正しく、集まらない。もっと……綺麗な、"曲面"、に、しないと」
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「難しい、なぁ……」
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皆瀬が——ため息を、ついた。
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「皆で、心を、合わせても……少しずつ……形が、ズレちゃうの」
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誠は——考え込んだ。
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「そうか……。ただ、集まる、だけじゃ……ダメなんだ。皆が……ぴったり、同じ、形を……イメージしないと」
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その時——誠は——ある、ことを、思いついた。
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「そうだ……! "型"、を、作ろう!」
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「型?」
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「うん。理想的な、レンズの、形の……"型"、を、作って……それに、合わせて……スライムの、皆さんが……形を、整えるんだ」
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誠は——宮田に——協力を、求めた。
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「宮田! 鉱物の、知識で……正確な、"曲面"、の……型を……作れないかな」
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「レンズの、型か……。面白い。やってみよう」
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宮田が——精密な、計算で——理想的な、レンズの、"型"、を——作り上げた。
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「これに……合わせて、みてくれ」
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スライムたちが——その、型に、沿って——形を、整えていく。
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「今度こそ……! 太陽の光を……!」
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型に、沿った——スライムの、レンズに——太陽の光が——差し込む。
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そして——
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——ジジジッ!
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集まった、光が——一点に——収束し——地面を——焦がした。
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「集まった……! 光が……一点に……!」
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誠は——歓喜した。
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「見て! 光が……こんなに……強くなった!」
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集束した、光は——地面を、焦がすほどの——熱を——持っていた。
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「これなら……! もっと、大きく、すれば……敵にも……!」
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一同に——歓声が——上がった。
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「やった……! 成功だ!」
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「スライムの、レンズが……武器に、なる!」
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皆瀬も——嬉しそうに——揺れた。
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「私たちの、身体が……こんな、力を……持ってたなんて……!」
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「皆瀬さん……! 皆さん……! すごいよ!」
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誠は——感激した。
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「一匹、一匹は……小さくても……皆で、繋がって……力を、合わせれば……こんな、大きな、力に、なる!」
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だが——誠は——同時に——気を——引き締めた。
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「でも……これは……まだ、小さな、規模だ。敵に……本当に、通用する、威力を、出すには……もっと、たくさんの、スライムが……もっと、大きな、レンズに……ならないと」
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「これからも……地道に……訓練を、続けよう」
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反撃への——確かな——第一歩。
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スライム族が——太陽の光を——集める、"レンズ"、に、なる。
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その、可能性が——今——確かに——証明されたのだった。
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「スライムの、レンズの、訓練を、始めた。最初は……レンズの形が、歪んで、光が、ばらけて、うまく、いかなかった。でも……宮田に、頼んで、理想的な、レンズの、"型"、を、作ってもらった。それに、合わせて、スライムの、皆が、形を、整えたら……ついに、成功した! 太陽の光が、一点に、集まって……地面を、焦がすほどの、熱に、なった! 皆瀬さんも、"私たちの身体が、こんな力を、持ってたなんて"、って、喜んでた。一匹、一匹は、小さくても……皆で、繋がって、力を、合わせれば……こんな、大きな力に、なる。でも……これは、まだ、小さな規模。敵に、通用する、威力には……もっと、たくさんの、スライムが、もっと、大きな、レンズに、ならないと。じいちゃん……反撃への、確かな、第一歩だ。地道に、訓練を、続けるよ」
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窓の外——裂けた、空。
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まだこの時の誠は知らない。この、小さな、"レンズ"、の、成功が——やがて……空を、覆う、巨大な、レンズへと……成長していくことを。
そして——それが……敵に、致命傷を、与える……決定的な、力に、なることも——今はまだ、知る由もなかった。




