表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
169/474

第167話「レンズ、という発想」

敵の、目的は——依然、謎のまま。



だが——反撃の、準備は——着実に、進めねばならなかった。



「敵が……太陽光を、集めて……撃ってくる。なら……僕たちも……同じことを、する」




誠は——スライムの、"鏡"、の、開発に——本腰を、入れた。





「皆瀬さん。スライムの、皆さんが……太陽の光を……集める。それを……敵に……撃ち返す」




「そのために……どんな、形に、なれば、いいか……一緒に、考えよう」





皆瀬は——静かに、揺れた。




「うん……。でも……"光を、集める"、って……どうやれば、いいのかな」





その時——桜庭が——口を、開いた。




「それなら……"レンズ"、の、原理が、使えるわ」




「レンズ?」





桜庭は——地面に——絵を、描き始めた。




「太陽の光を……一点に、集めるには……二つの、方法が、あるの」




「一つは……"凹面鏡"。凹んだ、鏡で……光を、反射させて、集める」




「もう一つは……"レンズ"。透明な、材質を……通して……光を、屈折させて、集める」





「透明な、材質を……通して……」




誠は——はっと、した。




「スライムの、皆さんの、身体は……透明だ……!」





「そう!」




桜庭は——目を、輝かせた。




「スライム族の、身体は……透明で……光を、通す。だから……"レンズ"、に……なれるのよ!」




「皆で、集まって……大きな、"レンズ"、の、形に、なれば……太陽の光を……一点に……集められる!」





皆瀬は——驚いたように——揺れた。




「私たちが……"レンズ"、に……?」



「うん! 皆瀬さんたちの、透明な、身体は……そのために……あるのかもしれない!」





誠は——興奮して、続けた。




「"己の、身体と……対に、なる、鏡を、用意せよ"……あの、言い伝え」




「もしかしたら……"鏡"、っていうのは……厳密には……"レンズ"、のこと、だったのかもしれない」




「スライム族の、透明な、身体そのものが……光を、集める……"レンズ"、に、なる……!」





一同に——興奮が——走った。




「そうか……! だから……"己の、身体"、なんだ……!」




「スライム族の、身体、そのものが……武器に、なる……!」





長年——謎だった——スライム族の、言い伝え。




「己の、身体と、対に、なる、鏡を、用意せよ」




その、本当の、意味が——今——解き明かされた。




スライム族が——自らの、透明な、身体で——巨大な、レンズと、なり——太陽の光を、集める。





「よし……! これで……方向性が、見えた!」




誠は——皆を、見渡した。




「スライムの、皆さんが……集まって……大きな、"レンズ"、に、なる。太陽の光を……一点に、集めて……敵に、撃ち返す」




「これが……僕たちの……反撃の、形だ!」





だが——皆瀬は——不安げに、揺れた。




「でも……そんな、大きくて……綺麗な、"レンズ"、の、形に……皆で、なれるかな。少しでも……歪んだら……光は、集まらない、でしょう?」





「その通りだ」




桜庭が——頷いた。




「レンズは……ほんの、少しの、歪みでも……光が、ちゃんと、集まらなくなる。かなり……精密な、"形"、が……必要になるわ」





「それは……練習あるのみ、だね」




誠は——静かに、言った。




「じいちゃんの、教えの、通り……地道に……丁寧に……。皆で、力を、合わせて……完璧な、"レンズ"、を……作り上げよう」





反撃の、"形"、が——ついに——見えてきた。




あとは——それを——実現するための——地道な、努力、だった。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「反撃の、準備を、進めた。桜庭さんが、教えてくれた。光を、一点に、集めるには、"凹面鏡"、か、"レンズ"、の、原理を、使う。レンズは……透明な材質を、通して、光を、屈折させて、集める。そこで、閃いた。スライム族の、身体は、透明だ。だから……"レンズ"、に、なれる。皆で、集まって、大きな、レンズの、形に、なれば……太陽の光を、集められる。そして……気づいた。あの、言い伝え、"己の、身体と、対に、なる、鏡を、用意せよ"。"鏡"、っていうのは、厳密には、"レンズ"、のこと、だったのかもしれない。スライム族の、透明な、身体そのものが……光を、集める、レンズに、なる。だから、"己の、身体"、なんだ。長年の、謎が……解けた。反撃の、形が、見えてきた。あとは……地道に、丁寧に、完璧な、レンズを、作り上げるだけ。じいちゃん……ついに、ここまで、来たよ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。スライム族が、巨大な、"レンズ"、に、なる、という、この、反撃が——本当に……敵に、通用するのかを。


そして——それが……敵、自身の、"仕組み"、を……そっくり、そのまま……逆に、利用する、ものであることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ