第165話「なぜ、あの威力か」
一色を——励まし——帝都から——戻った、誠。
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その、道中——ふと——一つの、疑問が——頭を、もたげた。
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「そういえば……なんで、敵の、あの、光は……あんなに、威力が、あるんだろう」
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北の、山を——一晩で、焼いた——あの、光の柱。
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丘を——一撃で、消し飛ばした——あの、破壊力。
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「あんな、力……一体、どこから、来てるんだ」
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誠は——考え込んだ。
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村に、戻った、誠は——桜庭に——その、疑問を、ぶつけた。
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「桜庭さん。敵の、あの、光……なんで、あんなに、強いんだと思う?」
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桜庭は——腕を、組んだ。
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「うーん……。私も……それ、ずっと、気になってたの」
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「あんな、威力……普通の、魔法とか……そういう、レベルじゃ、ないもの」
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「だよね」
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誠は——頷いた。
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「あの、金属の、物体……そんなに、大きくないよね。なのに……あんな、力を、出せる」
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「どこから……あんな、エネルギーを……」
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桜庭は——考えを、巡らせた。
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「あのね、田中くん。一つ……気に、なってることが、あるの」
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「なに?」
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「敵の、攻撃……いつも、"昼"、に、多くない?」
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誠は——はっと、した。
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「言われてみれば……。夜襲も、あったけど……基本的には……昼の、方が……激しい」
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「そう。夜は……攻撃が、弱まる。もしくは……止まる」
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桜庭は——静かに、続けた。
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「これって……偶然、かしら」
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「昼に、強くて……夜に、弱まる……」
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誠は——考え込んだ。
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「昼と、夜で……違うもの……。それは……」
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「太陽……よね」
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桜庭が——静かに、言った。
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「昼は……太陽が、ある。夜は……ない。もし……敵の、攻撃が……"太陽"、と……関係している、なら……」
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誠は——ぞくり、とした。
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「まさか……敵は……"太陽の、光"、を……使ってる……?」
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その、考えは——これまでの、断片を——一気に——繋げた。
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敵の——反射する、表面。
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皆瀬の——「光を、一点に、集めたら」、という、言葉。
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昼に、強く——夜に、弱まる——攻撃。
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「そうか……! 敵は……"太陽の、光"、を……あの、反射する、表面で……集めて……」
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誠は——愕然と、した。
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「それを……光の柱として……撃ってるのか……!」
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桜庭も——青ざめた。
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「もし……そうなら……。敵の、エネルギー源は……"太陽"。つまり……無限、ってこと……」
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「昼が、続く、限り……敵は……いくらでも……攻撃、できる……」
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一同に——戦慄が——走った。
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「無限の……エネルギー……」
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「それじゃあ……いくら、撃ち落としても……敵は……疲れない……」
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だが——同時に——誠は——ある、ことに、気づいた。
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「待って……。敵が……太陽の光を……"集めて"、使ってるなら……」
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「僕たちも……同じことが……できるんじゃ、ないか」
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「え?」
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「スライムの、鏡で……太陽の光を……集めて……敵に、撃ち返す。敵と……同じ、方法で……」
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桜庭が——はっと、した。
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「そうよ! 敵が、太陽光を、武器に、するなら……私たちも……太陽光を、武器に……できる!」
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「敵の、力の、正体が……分かれば……それを……逆手に、取れる……!」
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誠は——胸が——高鳴った。
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「敵の、強さの、秘密が……見えてきた。そして……それが……僕たちの……反撃の、鍵にも、なる」
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まだ——確信では——ない。
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だが——敵の、"正体"、へと——また一歩——近づいていた。
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「敵の、光が、なんで、あんなに、強いのか。桜庭さんと、考えた。敵の攻撃は、"昼"、に、激しくて、"夜"、に、弱まる。昼と夜で、違うもの……それは、"太陽"。もし、敵の攻撃が、太陽と、関係してるなら……敵は、あの、反射する表面で、太陽の光を、集めて……光の柱として、撃ってるのかもしれない。だとしたら……敵のエネルギー源は、太陽。つまり、無限。昼が続く限り、いくらでも、攻撃できる。ぞっとした。でも……同時に、気づいた。敵が、太陽光を、集めて、使ってるなら……僕たちも、スライムの鏡で、太陽光を、集めて……敵に、撃ち返せるんじゃないか。敵の力の、正体が、分かれば……それを、逆手に、取れる。じいちゃん……敵の、強さの、秘密が……そして、反撃の鍵が……見えてきた気が、するんだ」
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窓の外——裂けた、空と——無数の、敵。
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まだこの時の誠は知らない。敵が、太陽光を、"集める"、その、仕組みが——単に、"攻撃"、のためだけでは、ない……もっと、恐ろしい、"目的"、のためであることを。
そして——その、"目的"、を、知った、時……皆が……本当の、絶望を……味わうことも——今はまだ、知る由もなかった。




