第163話「砕ける、砲身」
スライムたちの——"光を、集める、鏡"、の、練習が——始まった。
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だが——それには——時間が——かかりそうだった。
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その間も——敵の、攻撃は——止まらない。
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そこで——当面の、反撃は——やはり——レールガンに——頼らざるを、得なかった。
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「一色さん。レールガンの、射程を……なんとか……伸ばせませんか」
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誠は——一色に——手紙で、相談した。
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一色からの——返事は——こうだった。
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「射程を、伸ばす、方法は……一つ、ある。火薬の、量を、増やして……砲弾を、より、強く、撃ち出すこと」
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「でも……それには……危険が、伴う」
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一色は——前線で——その、試みを——始めていた。
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「火薬の、量を……限界まで、増やす。そうすれば……射程が、伸びて……敵に、届くはず」
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「陛下……! それは、危険です! 砲身が……耐えられるか……!」
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側近が——止めた。
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「分かっている。でも……やるしか、ない」
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一色は——決意を、込めて、言った。
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「装填……完了! 火薬、最大! 撃て!」
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——ドゴォォォォォォォン!!!
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これまでにない——凄まじい、轟音と、共に。
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砲弾が——超高速で——天へと——放たれた。
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「届け……!」
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砲弾は——ぐんぐんと——上昇し——そして——
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——パアアン!
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上空で——敵の、一つに——命中した。
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「当たった……! 届いたわ!」
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一色の、顔に——歓喜が——広がった。
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だが——その、直後。
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——ビシッ……
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嫌な、音が——響いた。
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「……!」
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一色は——砲身を——見た。
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火薬を——限界まで、増やした——その、負荷に。
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砲身が——ひび割れて——いた。
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「まずい……! 離れて!」
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——ドゴォォォン!
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次の、瞬間——砲身が——耐えきれず——砕け散った。
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「きゃあっ!」
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一色は——側近に——庇われ——なんとか——難を、逃れた。
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「陛下! ご無事ですか!」
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「え、ええ……。でも……砲身が……」
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砕け散った——レールガン。
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火薬を——増やせば——確かに——射程は、伸びる。
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だが——その、負荷に——砲身が——耐えられなかった。
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「一発、撃つ、ごとに……砲身が……砕けてしまう……」
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一色は——愕然と、した。
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「これでは……使い物に……ならない……」
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その、報せは——誠のもとにも——届いた。
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「レールガンの、砲身が……砕けた……」
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誠は——顔を、曇らせた。
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「射程を、伸ばそうと、すると……砲身が、壊れる……」
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「田中」
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アルフレートが——静かに、言った。
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「レールガンは……もう……限界だ」
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「はい……」
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「これ以上……レールガンに、頼るのは……無理が、ある。やはり……スライムの、"鏡"、に……かけるしか、ない」
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誠は——静かに、頷いた。
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「そうですね。でも……"鏡"、の、練習は……まだ、時間が、かかる」
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「その間……どうやって……敵の、攻撃を……しのぐか……」
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反撃の、主力が——レールガンから——スライムの、"鏡"、へと——移ろうとしていた。
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だが——その、移行の、間に——大きな、"空白"、が——生まれてしまう。
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「それでも……諦めない」
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誠は——静かに、呟いた。
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「一色さんが……命がけで……道を、示してくれた。レールガンは……限界でも……その、"意志"、は……無駄にしない」
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「必ず……スライムの、"鏡"、を……完成させる」
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「一色さんが……レールガンの、射程を、伸ばそうと……火薬を、限界まで、増やして、撃った。砲弾は……届いた。敵に、当たった。でも……その、負荷に……砲身が、ひび割れて……砕け散った。一色さんは、無事だったけど……危なかった。一発、撃つごとに、砲身が、壊れるんじゃ……使い物に、ならない。レールガンは……もう、限界だ。アルフレート様も、"スライムの、鏡に、かけるしかない"、って。でも……鏡の、練習は……まだ、時間が、かかる。その間の、空白を……どう、しのぐか。でも……諦めない。一色さんが、命がけで、道を、示してくれた。その、意志を、無駄にしない。必ず……スライムの、鏡を、完成させる。じいちゃん……厳しい、けど……前に、進むしか、ないんだ」
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窓の外——裂けた、空。
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まだこの時の誠は知らない。一色の、この、"砕けた、レールガン"、が——やがて……思わぬ、形で……大きな、意味を、持つことを。
そして——反撃の、希望が……スライムの、"鏡"、へと……完全に、託されることも——今はまだ、知る由もなかった。




