表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
165/470

第163話「砕ける、砲身」

スライムたちの——"光を、集める、鏡"、の、練習が——始まった。



だが——それには——時間が——かかりそうだった。



その間も——敵の、攻撃は——止まらない。




そこで——当面の、反撃は——やはり——レールガンに——頼らざるを、得なかった。




「一色さん。レールガンの、射程を……なんとか……伸ばせませんか」




誠は——一色に——手紙で、相談した。





一色からの——返事は——こうだった。




「射程を、伸ばす、方法は……一つ、ある。火薬の、量を、増やして……砲弾を、より、強く、撃ち出すこと」




「でも……それには……危険が、伴う」






一色は——前線で——その、試みを——始めていた。




「火薬の、量を……限界まで、増やす。そうすれば……射程が、伸びて……敵に、届くはず」




「陛下……! それは、危険です! 砲身が……耐えられるか……!」




側近が——止めた。



⸻⸻


「分かっている。でも……やるしか、ない」




一色は——決意を、込めて、言った。




「装填……完了! 火薬、最大! 撃て!」





——ドゴォォォォォォォン!!!





これまでにない——凄まじい、轟音と、共に。




砲弾が——超高速で——天へと——放たれた。





「届け……!」




砲弾は——ぐんぐんと——上昇し——そして——





——パアアン!





上空で——敵の、一つに——命中した。




「当たった……! 届いたわ!」




一色の、顔に——歓喜が——広がった。





だが——その、直後。




——ビシッ……





嫌な、音が——響いた。




「……!」




一色は——砲身を——見た。





火薬を——限界まで、増やした——その、負荷に。




砲身が——ひび割れて——いた。





「まずい……! 離れて!」




——ドゴォォォン!





次の、瞬間——砲身が——耐えきれず——砕け散った。




「きゃあっ!」




一色は——側近に——庇われ——なんとか——難を、逃れた。





「陛下! ご無事ですか!」



「え、ええ……。でも……砲身が……」





砕け散った——レールガン。




火薬を——増やせば——確かに——射程は、伸びる。




だが——その、負荷に——砲身が——耐えられなかった。





「一発、撃つ、ごとに……砲身が……砕けてしまう……」




一色は——愕然と、した。




「これでは……使い物に……ならない……」






その、報せは——誠のもとにも——届いた。




「レールガンの、砲身が……砕けた……」




誠は——顔を、曇らせた。




「射程を、伸ばそうと、すると……砲身が、壊れる……」





「田中」




アルフレートが——静かに、言った。




「レールガンは……もう……限界だ」



「はい……」




「これ以上……レールガンに、頼るのは……無理が、ある。やはり……スライムの、"鏡"、に……かけるしか、ない」





誠は——静かに、頷いた。




「そうですね。でも……"鏡"、の、練習は……まだ、時間が、かかる」




「その間……どうやって……敵の、攻撃を……しのぐか……」





反撃の、主力が——レールガンから——スライムの、"鏡"、へと——移ろうとしていた。




だが——その、移行の、間に——大きな、"空白"、が——生まれてしまう。





「それでも……諦めない」




誠は——静かに、呟いた。




「一色さんが……命がけで……道を、示してくれた。レールガンは……限界でも……その、"意志"、は……無駄にしない」




「必ず……スライムの、"鏡"、を……完成させる」





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「一色さんが……レールガンの、射程を、伸ばそうと……火薬を、限界まで、増やして、撃った。砲弾は……届いた。敵に、当たった。でも……その、負荷に……砲身が、ひび割れて……砕け散った。一色さんは、無事だったけど……危なかった。一発、撃つごとに、砲身が、壊れるんじゃ……使い物に、ならない。レールガンは……もう、限界だ。アルフレート様も、"スライムの、鏡に、かけるしかない"、って。でも……鏡の、練習は……まだ、時間が、かかる。その間の、空白を……どう、しのぐか。でも……諦めない。一色さんが、命がけで、道を、示してくれた。その、意志を、無駄にしない。必ず……スライムの、鏡を、完成させる。じいちゃん……厳しい、けど……前に、進むしか、ないんだ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。一色の、この、"砕けた、レールガン"、が——やがて……思わぬ、形で……大きな、意味を、持つことを。


そして——反撃の、希望が……スライムの、"鏡"、へと……完全に、託されることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ