表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
164/446

第162話「射程の、壁」

スライムたちが——群れて、大きな鏡になる。



その、試みが——始まった。



だが——その前に——もう一つ——確かめておくべきことが、あった。



「鏡を……敵の、近くまで、運ぶ。でも……どれくらいの、距離まで、近づけるのか」




誠は——考えた。




「敵は……高いところに、いる。龍族や、鬼族が……鏡を……どこまで、運べるのか。それが、分からないと……作戦が、立てられない」






そこで——まず——距離の、検証が——行われた。




藤原が——スライムを、乗せた——"担架"、を、掴み——空へ、上がっていく。




「田中くーん! どこまで、上がったら、ええ?」



「無理しない、範囲で! 光の柱に……撃たれない、高さまで!」





藤原は——ぐんぐんと——上昇していった。




だが——ある、高度で——止まった。




「あかん……! ここが、限界や! これ以上、上がったら……光の柱の、射程に、入ってまう!」





藤原が——鏡を、運べる、限界の、高度。




そこから——敵までの、距離を——桜庭が、計算した。




「うーん……。まだ、かなり……遠いわね」





「遠い……?」




「そう。藤原さんが、運べる、限界の、高さから……敵までは……まだ、相当な、距離が、あるの」




桜庭は——難しい、顔を、した。




「この、距離で……鏡が……敵の、光を……跳ね返せるのか。それが……問題ね」





誠は——考え込んだ。




「敵の、近くまで、運べれば……確実に、跳ね返せる。でも……近づきすぎると……光の柱に、撃たれる」




「かといって……遠すぎると……跳ね返せるか、分からない」





「まさに……"射程の、壁"、やな」




藤原が——ため息を、ついた。






だが——ここで——皆瀬が——ある、ことに、気づいた。




「あのね、田中くん。私たちの、身体……光を、跳ね返す、だけじゃ、なくて……」



「うん?」




「光を……"集める"、ことも……できるかもしれないの」





「光を……集める?」




誠は——はっと、した。




以前——皆瀬が、言った、言葉。




「光を、反射する、身体を……たくさん、集めて……光を、一点に……集めたら……」





「そうか……! 鏡が……曲面に、なれば……!」




誠は——閃いた。




「平らな、鏡は……光を、まっすぐ、跳ね返す。でも……鏡を……"曲げて"……凹んだ、形に、すれば……」




「光を……一点に……集められる……!」





桜庭が——目を、輝かせた。




「そうよ! 凹面鏡の、原理! 光を、一点に、集めれば……跳ね返す、力が……ずっと、強くなる!」




「遠くからでも……集めた、光なら……敵に……届くかもしれない!」





一同に——興奮が——走った。




「スライムが……群れて……"曲面の、鏡"、に、なる……!」




「そうすれば……光を、集めて……強力な、反撃に……!」





誠は——胸が——高鳴った。




「これだ……! スライムの、皆さんが……集まって……"光を、集める、鏡"、に、なる!」




「そうすれば……射程の、壁も……越えられるかもしれない!」






だが——皆瀬は——少し——不安げに、揺れた。




「でも……そんな、大きくて……複雑な、形に……皆で、なれるかな。やったこと、ないから……」




「大丈夫」




誠は——優しく、言った。




「焦らず……少しずつ……練習していこう。じいちゃんも、言ってた。"地味なことを……丁寧に、続けろ"、って」




「一つずつ……試していけば……きっと……できるようになる」





「射程の、壁」、を——越えるための——新たな、挑戦が——始まろうとしていた。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「スライムの、鏡を、試す前に……距離を、検証した。藤原さんが、鏡を、運べる、限界の、高さから……敵までは、まだ、遠い。この距離で、跳ね返せるか……"射程の壁"、が、問題だ。でも……皆瀬さんが、気づいた。私たちの身体は、光を、跳ね返すだけじゃなくて、"集める"、こともできるかも、って。それで、僕は、閃いた。鏡を、曲げて、凹んだ形にすれば……光を、一点に、集められる。桜庭さんが、"凹面鏡の原理! 集めた光なら、遠くからでも、届くかも"、って。スライムが、群れて、"光を集める、大きな鏡"、に、なる。そうすれば、射程の壁を、越えられるかもしれない。皆瀬さんは、不安that がってたけど……焦らず、少しずつ、練習していけば、きっと、できる。じいちゃん……また、一歩、前進だ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。この、"光を、集める、鏡"、という、発想が——やがて……敵に、致命傷を、与える……大きな、武器に、なることを。


そして——それが……皮肉にも……敵、自身が、使っている、"仕組み"、と……同じ、原理で、あることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ