第161話「撃っても、届かない」
長い、防衛戦が——始まった。
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まず——誠たちが、頼ったのは——帝国の、レールガンだった。
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一色が——各地の、砲台から——連日——反撃を、続けていた。
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——ドゴォォォン! ドゴォォォン!
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砲弾が——次々と——天へ——放たれる。
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だが——
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「くそっ……! また、届かない!」
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砲兵たちの——悲鳴が——上がった。
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砲弾は——遥か、上空へ——駆け上るものの。
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敵に、届く——寸前で——力尽き——落ちてくる。
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「陛下……。やはり……敵が、高度を、上げてから……ほとんど、届きません」
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側近の、報告に——一色は——唇を、噛んだ。
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「あと……少しなのに……」
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かつては——敵に、届いていた、レールガン。
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だが——敵が——学習し——高度を、上げてからは——ほとんどの、砲弾が——届かなくなっていた。
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「射程を……伸ばすしか、ない。でも……」
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一色は——設計図を——睨んだ。
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「レールガンの、射程を、伸ばすには……大幅な、改良が……必要。それには……時間も……資源も……」
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その、報せは——誠のもとにも——届いた。
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「レールガンが……ほとんど、届かなくなってる……」
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誠は——顔を、曇らせた。
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「せっかくの……反撃の、手段、なのに」
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「田中」
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アルフレートが——静かに、言った。
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「レールガンだけに……頼るのは……危険だ」
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「はい……」
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「他の……反撃の、手段を……確立せねば、ならん」
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誠は——頷いた。
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「そうですね。スライム族の……"鏡"、を……早く、試さないと」
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だが——その、"鏡"、の、反射も——簡単では、なかった。
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「田中くん……。やってみたけど……うまく、いかないの」
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皆瀬が——申し訳なさそうに、揺れた。
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「私たちの、身体で……光を、跳ね返そうと、しても……力が、弱すぎて……敵の、光の柱に……押し負けちゃうの」
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「押し負ける……」
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誠は——考え込んだ。
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敵の、光の柱は——凄まじい、威力を——持っている。
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スライム、一匹の——小さな、身体では——とても——跳ね返せなかった。
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「どうすれば……もっと、強く……跳ね返せるか……」
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誠は——必死に——考えた。
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その時——森川の、言葉が——蘇った。
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「"小さき、者、群れて……大きな、力と、なれ"……」
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「そうだ……! 一匹じゃ、無理でも……」
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誠は——はっと、した。
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「皆瀬さん! スライムの、皆さんが……たくさん、集まって……一つの、大きな、"鏡"、に……なったら、どうかな!」
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皆瀬は——きょとん、とした。
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「たくさん、集まって……一つの、鏡に……?」
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「うん! 一匹の、力は、弱くても……皆で、集まれば……もっと、大きくて……強い、鏡に、なるはずだ!」
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皆瀬は——少し、考えた。
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「私たちは……集合意識、だから……皆で、集まって、一つに、なるのは……得意、かも」
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「やってみる……価値は、あるよ!」
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一匹では——届かない、力も。
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群れれば——大きな、力に、なる。
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その、可能性に——誠は——希望を、見出した。
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「よし……! 試してみよう! スライムの、皆さんが……集まって……大きな、鏡に、なれるか!」
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レールガンが——届かない、絶望の中。
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新たな——反撃の、糸口が——見え始めていた。
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その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。
「防衛戦が、始まった。でも……レールガンが、敵が、高度を、上げてから……ほとんど、届かなくなってる。一色さんも、悔しthat がってた。射程を、伸ばすには、時間も、資源も、かかる。だから……他の、手段を、確立しないと。スライムの、"鏡"、を、試したけど……一匹の、身体じゃ、力が、弱くて、敵の、光に、押し負けちゃう。でも……森川の、言葉を、思い出した。"小さき者、群れて、大きな力となれ"。そうだ。一匹じゃ、無理でも……スライムの、皆が、たくさん、集まって……一つの、大きな、鏡に、なったら……? 皆瀬さんも、"集合意識だから、一つになるのは、得意かも"、って。じいちゃん……一匹の、力は、弱くても……群れれば、大きな力に、なる。これも……"繋がり"、だ。反撃の、糸口が……見えてきたよ」
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窓の外——裂けた、空。
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まだこの時の誠は知らない。スライムたちが……群れて、一つの、"大きな、鏡"、に、なる、という、発想が——反撃への……大きな、突破口に、なることを。
そして——その、"鏡"、が……単に、跳ね返す、だけでは、ない……もっと、大きな、可能性を……秘めていることも——今はまだ、知る由もなかった。




