表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
開戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
152/447

第150話「バラバラの、知恵」

三つの、伝承が——繋がった。



だが——それだけでは——まだ——反撃には——足りなかった。



「一度……ここまでで、分かったことを……整理しよう」




誠は——皆を、集め——これまでに、集まった、伝承を——まとめ始めた。





桜庭が——几帳面に——それを、書き留めていった。




「まず……スライム族の、"鏡"。敵の、光を……跳ね返す、力」




「次に……龍族の、"天と、地を、繋ぐ、力"。鏡を……空へ、運ぶ」




「そして……鬼族の、"重いものを、運ぶ、力"。鏡を……地上で、運搬する」





「この、三つが……組み合わさって……」




誠は——考えながら、続けた。




「スライムの、鏡を……鬼族と、龍族が、運んで……敵の、近くに、配置する。そして……敵の、光を……跳ね返す」




「これが……反撃の……基本の、形に、なる」





「でも……」




桜庭が——顔を、上げた。




「これだけじゃ……足りないと思うの」



「足りない?」




「うん。だって……敵の、光を、跳ね返す、だけでしょう? それは……"防御"、にはなる。でも……敵を、"倒す"、には……」





誠は——はっと、した。




「確かに……。跳ね返すだけじゃ……いつまで、経っても……敵の、数は、減らない」




「もっと……"攻撃"、できる、何かが……必要だ」





その時——森川が——口を、開いた。




「田中。虫人族にも……言い伝えが、あるんだ」



「森川! それは?」




「"天の、災い、来たらん、時……小さき、者、群れて……大きな、力と、なれ"、って」





「小さき者が……群れて……大きな力に……」




誠は——その、言葉を——繰り返した。




「虫人族は……一匹、一匹は、小さくて、弱い。でも……群れれば……」




「そう。僕らの、強みは……"数"、と……"連携"、なんだ」




森川は——静かに、続けた。




「偵察も、伝令も……群れで、動けば……どんな、広い、戦場でも……素早く……情報を、繋げる」





「情報を……繋ぐ……」




誠は——考え込んだ。




「敵の、位置を……正確に、把握して……それを……各地の、"鏡"、に、伝える。虫人族が……その、役目を……」




「そうか……! これも、大事な、ピースだ!」





さらに——忍者が——口を、開いた。




「我ら、忍者も……情報の、伝達には……長けております。虫人族と、連携すれば……より、確実に……」




「傭兵団は……被災地の、人々を、守る。避難民の、護衛は……我らに、任せろ」




竜崎も——名乗りを、上げた。






こうして——次々と——それぞれの、役割が——見えてきた。




スライム族——"鏡"、で、反射。



龍族——空からの、運搬と、偵察。



鬼族——地上での、運搬。



虫人族——偵察と、情報の、伝達。



忍者——情報の、伝達と、諜報。



傭兵団——人々の、護衛。




そして——帝国の、レールガン——上空への、攻撃。





「すごい……。こんなに、たくさんの……力が……」




誠は——書き留められた——伝承と、役割を——見渡した。




「でも……」




誠は——ふと——気づいた。




「まだ……肝心なところが……足りない」





「肝心なところ?」




桜庭が——尋ねた。




「うん。跳ね返す。運ぶ。偵察する。守る。……それは、分かった。でも……最終的に……あの、"数万の、敵"、を……どうやって……"倒しきる"、のか」




「その、決め手が……まだ、見えないんだ」





一同が——考え込んだ。




確かに——防御や、運搬の、仕組みは——見えてきた。




だが——数万の、敵を——�殲滅する——決定的な、"何か"、が——足りなかった。





「それが……もしかしたら……」




誠は——ぽつり、と、呟いた。




「忍者の里の、言い伝えの……"ガン"、なのかもしれない」





一同が——はっと、した。




「"ガンを、以て、抗え"……。バラバラの、伝承を、繋いでも……まだ、足りない、"決め手"」




「その、正体が……"ガン"、なんじゃ、ないか」





誠は——確信を、込めて、続けた。




「他の、伝承は……集まってきた。でも……最後の、"決め手"、である……"ガン"、だけが……まだ、正体不明のままだ」




「それを……突き止められれば……きっと……反撃が……完成する」





「でも……"ガン"、って……一体、何なんだ」




竜崎が——腕を、組んだ。




「聞いたこと、ない、言葉だよなぁ」





誰も——その、正体を——知らなかった。




バラバラの、知恵は——集まった。




だが——最後の、鍵——"ガン"、だけが——依然として——深い、謎に、包まれていた。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「今日、これまでの、伝承を、整理した。スライムの"鏡"、龍族の"空の力"、鬼族の"運ぶ力"、虫人族の"群れる力"、忍者の"情報伝達"、傭兵団の"護衛"、そして、帝国の"レールガン"。皆の、力と、役割が……少しずつ、見えてきた。でも……桜庭さんが、言った。"跳ね返すだけじゃ、防御にしか、ならない。敵を、倒す、決め手が、足りない"、って。その通りだ。数万の、敵を、倒しきる、決定的な、"何か"、が、まだ、見えない。それが……もしかしたら、忍者の里の、言い伝えの、"ガン"、なのかもしれない。他の伝承は、集まったのに……"ガン"、だけが、正体不明のまま。じいちゃん……最後の、鍵は、"ガン"、だ。それさえ、分かれば……きっと、反撃が、完成する。でも……一体、"ガン"、って……何なんだ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。皆が、必死に、探し求める、その、"ガン"、の、正体が——実は……すでに……彼らの、目の前に……あることを。


そして——それに、気づく日が……まだ……ずっと、先であることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ