表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は世界を救う。でも、世界を住みやすくするのは八百屋でした ~勇者も魔王も悪の組織も常連です~  作者: 伝説の男前
開戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
149/466

第147話「忍者の、伝承」

スライム族の——"鏡"、の、謎が——解け始めた。



その、流れを——受けて。



「他の、種族にも……何か、"言い伝え"、が、あるんじゃ、ないかな」




誠は——ふと、そう、思った。




「桜庭さんが、言ってた……離れた、種族の間で……似たような、言い伝えが、あるって」





その、言葉に——忍者が——静かに、進み出た。




「田中殿。我が、里にも……古くから、伝わる、言い伝えが、ございます」




「忍者の里にも……!」





忍者は——静かに、頷いた。




「以前、少し、お話しした……"ガン"、のこと。あれも……その、言い伝えの、一部です」





一同の、視線が——忍者に——集まった。




「我が、里の、言い伝えは……こう、伝えております」




忍者は——厳かに——語り始めた。





「"いつの日か……天より、災い、来たらん"」




「"天より、降りて……地を、焼き……人を、滅ぼさん"」





一同が——息を、呑んだ。




「今の……状況、そのものだ……」





「そして……その、続きが……こう、なのです」




忍者は——静かに、続けた。




「"されど……救いは、ある"」




「"ガン……を、以て……これに、抗え"」





「ガンを、以て……抗え……」




誠は——その、言葉を——繰り返した。




「その、"ガン"、というのが……敵に、抗う、鍵……なんですね」




「そう……伝えられております。しかし……」




忍者は——悔しそうに、続けた。




「その、"ガン"、が……何なのか……我が、里でも……誰も……知らぬのです」





「誰も、知らない……」




「言い伝えには……"ガンを、以て、抗え"、と、あるのみ。その、正体は……一切……記されて、おらぬのです」





一同が——考え込んだ。




「ガン……。武器の、名前かしら」




桜庭が——呟いた。




「それとも……何かの、術? あるいは……人の、名前?」





「うーん……」




誠も——腕を、組んだ。




「"ガン"……。聞いたこと、ないなぁ。そんな、名前の、武器も……術も……」





黒崎が——芝居がかった、口調で、言った。




「フッ……。"ガン"、とは……おそらく……古の、失われた、秘術……闇の、彼方に、封じられし……禁断の、力……」




「いや、黒崎……。それは、ただの、想像だろ」




竜崎が——冷静に、突っ込んだ。





「まあ……"ガン"、が、何なのかは……今は、置いておこう」




誠は——気を、取り直した。




「でも……忍者の里の、言い伝えも……スライム族と、同じで……"天より、災いが、降る"、って、警告してる」




「これは……偶然じゃ、ないと思う」





桜庭が——頷いた。




「そうね。私が、調べた、通り……離れた、種族の間で……同じような、警告が、伝わってる」




「まるで……大昔に、誰かが……世界中の、種族に……同じ、警告を……分けて、伝えたみたいに」





「分けて……伝えた……」




誠は——その、言葉に——引っかかりを、覚えた。




「もし……本当に……誰かが……"敵に、抗う、方法"、を……各種族に……分けて、託した、んだとしたら……」





誠の、脳裏に——ある、考えが——閃いた。




「スライム族の、"鏡"、も……忍者の里の、"ガン"、も……その、"分けられた、方法"、の……一部……なんじゃ、ないかな」





一同が——はっと、した。




「なるほど……! バラバラに、託された……敵を、倒す、方法……!」




「それを……全部、集めれば……!」





誠は——確信を、深めた。




「そうか……。だから、僕は……皆と、繋がる、必要が、あったんだ」




「バラバラに、託された、"方法"、を……一つに、繋げるために……!」





まだ——全貌は——見えない。




だが——確かに——道筋が——見え始めていた。




各種族の——伝承を、集め——一つに、繋げる。




それが——反撃への——鍵に、なる。





「みんな! 他の、種族にも……きっと、言い伝えが、ある! それを……全部、集めよう!」




誠の、呼びかけに——仲間たちは——力強く、頷いた。





その夜、誠は、祖父のノートに、こう書き加えた。


「今日、忍者さんが……忍者の里の、言い伝えを、話してくれた。"天より、災い、来たらん。ガンを、以て、これに、抗え"、って。スライム族と、同じで、"天からの災い"、を、警告してる。そして……"ガン"、が、敵に抗う、鍵らしい。でも……その、正体は、誰も知らない。桜庭さんが、"大昔に、誰かが、世界中の種族に、同じ警告を、分けて伝えたみたい"、って。それで、僕は、閃いた。スライム族の"鏡"、も、忍者の"ガン"、も……"分けられた、敵を倒す方法"、の、一部なんじゃないか、って。だから……僕は、皆と、繋がる必要が、あったんだ。バラバラの、方法を、一つに、繋げるために。じいちゃん……道筋が、見えてきた。各種族の、伝承を、全部、集めるんだ」



窓の外——裂けた、空。



まだこの時の誠は知らない。"ガン"、という、その、言葉が——最後まで——皆を、悩ませ続けることを。


そして——その、正体が……あまりにも……身近で……拍子抜けする、ものであることも——今はまだ、知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ