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くぅき  作者: ジョウビタキ子


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11/14

曇り雨の花


雨が降る前の


雲とお日様がせめぎ合っている


あの時間帯は


何もかもが時を止めてしまったように映ります。






風が吹いていないからでしょうか。






揺れない草。


動かない雲。


息の詰まるような


生暖かい空気。









どこを見ても


何にも惹かれない。









同じ景色だけれど


どこか平坦で


誰かに色を


少しずつ


少しずつ


盗まれたような…


目に映る全てが


色褪せて見えてしまいます。











今日は


何も引っかからない日か。











そう思っていましたが


平坦な景色の端っこに


居ました。






綺麗な色を保ったままの 花。




















『紫陽花』


















昨日も会っていたんですが…


ギラギラのお日様に照らされて


花びらをチリチリに縮ませていたので


苦しそうだな、と


視線を逸らしたんですよね。




でも


今日は


花びら一枚一枚がピンと開いて


元気そうですね。








瑞々しい








曇り空の下


見るもの全てがトーンを落とした世界で


どうして貴女だけが綺麗に映るんでしょう。




ツツジにも目を向けますが


お日様の光が少ないので


やっぱり少し燻んで見えますね。


ツツジには


お日様の光がもっとあった方が綺麗だと思います。




そのまま視線を


紫陽花へ戻します。



うん。



やっぱり


綺麗ですね。


周りの景色は


燻んでいますが


紫陽花の花だけは


そこだけ浮き出たように


活き活きと色を放っています。












視線を彷徨わせて良かった













梅雨時の花だと


知ってはいましたが


今日改めて


貴女には


曇り空と雨が似合うのだと


覚えなおしました。




















曇り空


曇天


小雨


大雨


どの舞台でも


貴女は宝石のように綺麗です。


お日様には


ご遠慮してもらいましょうね。


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