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第七十一話 未知へ その2
そうして、ひとりひとりの患者さんの亡骸を見ていくうちに、アンジュたちはさらに見ることになる。
耳もそうだったのだ。
両耳、あるいはどちらか片方の耳からも血のようなものが流れている患者さんがかなりいる。
右耳から、左から、両方とも。
真紅の血というより薄いピンクがかった色。
すでに二日経っているためか少し乾いているものもある。
それはおそらく最期のときの寝姿に関係しているのかもしれないのだけれど、かなり洩れ出したようになっているひともいるし、ほとんど耳からは洩れていない者もいる。
でもそういう方たちでも、眼から赤い涙は溢れている。
脳のあれが滲み出しているのだ。
持参していたガーゼの先でその涙をぬぐってみた。
薄い血のようだった。
涙に血が混じっている。
では、耳からのも?
そして、死斑。
それが急激に拡大している。
———そうして、本格的にはじまった。
第二波が。
まったく想像もできなかった様相で。




